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「…ユーリ、これはどういうこと?」
ナオレイアはユーアストに抱きつかれたままユーリスに聞いた。
「……」
「ユーアストがどうしても姫に会いたいと言ってきたのでユーリスに協力してもらいました」
無言のユーリスに代わってユージアが説明した。
「…なんで私が破壊神のわがままを聞かなければならないのよ…」
そう言ってユーアストを睨んだユーリスにユージアは苦笑いをした。
「ユーリス…本当にすまない」
謝ってユージアにユーリスは睨むのをやめた。
「ふぅ、さすが『黒き魔女』と言われるだけあって…こぇ~」
ユーアストが呟いたのをナオレイアは聞いた。
「ねぇユーア、いいかげんに放してくれない?」
「嫌だ」
即答されたナオレイアは黙るしかなかった。
「ナオが言っているのだから早く離しなさい」
「…嫌だ」
「……ほぉ、私の命令でも聞かないというの?」
ユーリスが言った途端に部屋中の空気が黒くなった。
「『黒き魔女』の命令でも無理だね」
ユーアストとユーリスの目が交わった。ユーリスが懐からナイフを取り出しユーアストに向けて投げた。
「ユーリ!?」
ナオレイアは突然のユーリスの行動に驚きを隠せなかった。ユーアストはナオレイアを守るように抱きしめナイフを避けた。ナイフはユーアストを通り過ぎた瞬間に灰になった。
「そこまで~2人とも、いい加減にしないと姫に怖がられてしまうよ?」
「ナオ、ゴメンね?」
ユーアストはナオに謝った。
「大丈夫、ユーア…怪我はない?」
「大丈夫」
そう言って笑ったユーアストにナオレイアは安心した。そしてユーリスを見た、ナオレイアは息を呑んだ。
ユーリスの瞳が普段の青緑色から赤色に変わっていた。ナオレイアとユーリスの目が合った、だがユージアがユーリスの目を手で隠したので一瞬で終わった。
「姫、驚かしてすいません」
「あ、いえ…」
なら良かった、と言ってユージアはユーリスを抱き寄せた。すると黒かった空気が元の空気に戻った。
「落ち着いた?」
「…うん」
ユーリスはナオレイアを見た。その瞳は元の青緑色だった。
「ナオ…ゴメン…怖がらせてしまって…」
「少し驚いたけど…大丈夫、ユーリも大丈夫?」
「うん」
ユーリスは頷いたそしてナオレイアに抱きついた。
「ユーリ?」
ナオレイアはユーリスを撫でながら聞いた。
「もうすぐで、来る…絶対にナオを守るからね?」
「どういう…」
「やはり会っていたのかナオレイア」
意味?と声を掛けようとしていたナオレイアに突如声が響いた。
「お父…様?」
ナオレイアの父、ケンタイロスがそこにいた。
「久しぶりだね、ケンタイロス」
「ユーアスト…」
ユーアストとケンタイロスの目線が交わった。
「もう遅いですよ王、ユーアストはもう決めてしまった」
「なんだと!?」
ケンタイロスはナオレイアを見た。
「お、お父様?」
「ナオ…」
ユーリスはナオレイアから離れた。
「ナオを僕の、破壊神の妃として魔界に招き入れる」
「え!?」
(破壊神の妃!?魔界!?)
ユーアストはナオレイアを抱き寄せた。
「…もう決めたのだな?」
「ああ」
そうか、とケンタイロスは再度ナオレイアを見た。
「ナオレイア、私は反対しないよ。だがお前の気持ちはどうなのだ?」
「私は…ユーアの、破壊神の妃になりたいです」
ケンタイロスは頷いた。
「ユーアスト、娘をよろしくたのむ」
「言われなくても」
ケンタイロスはユーリスを見た。
「ユーリス、お前はどうするのだ?」
「私はワータス家の掟で破断神ユージアの元に継ぎます」
ナオレイアは驚いた。ケンタイロスは頷いた。
長くなりそうなのでここで切ります。
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