2-(4)訪問
やっとアベールが出てきます・・
朝、ナオレイアは目を覚ました。時刻はまだ4時、また寝るのも嫌だと思ったナオレイアは部屋のカーテンを開けた。
(昨日は夢じゃないよね)
ナオレイアは少し明るい空を見ながら思った。
――また明日、この場所で―――
(今日も行ってみよう)
そう心で決めた。
食卓宮では色々な会話をした。
「ナオレイア、今日はサトーレ侯爵の娘、アベール嬢が来る。」
「アベールが来るのですか…分かりました」
何が分かるかというとアベールの話し相手になれという事だった。内心嫌々ながらも頷いた。
「ナオレイア様、お久しぶりでございます」
「久しぶりねアベール」
ナオレイアはアベールと向かい合う様に座り、何を話そうか悩んでいた。しかしそれは必要なかった。
「ナオレイア様、最近は破壊神などという恐ろしい者が出ておりますが…お気をつけくださいね?」
「ええ、注意しておくわ…それにしても、結構目撃されているのね」
「はい、そのようです」
ナオレイアの頭の中にはユーアストが映っていた。彼は大丈夫だろうか、ナオレイアは心配だった。
「…イア様?、ナオレイア様?」
「え?」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫よ、少し考え事をしていただけ」
(大丈夫、だって彼だもん)
ナオレイアは考えるのをやめた。
「それでは、失礼します」
そう言ってアベールは部屋を出て行き、ナオレイアは溜息をついた。
「疲れた~」
「お疲れ様ですナオレイア様」
リアがそう言って紅茶を出した。
ノックが聞こえた。
「ナオレイア様、ユーリス様がいらっしゃいました」
(え?ユーリ??)
「通して」
そしてユーリスが部屋に入ってきた。リアはユーリスにコーヒーを出し、部屋から出た。
「急にどうしたのユーリ?」
「……出てきて良いわよ」
(え?)
「ふはー!ドキドキしたぁ~」
「疲れたー」
ナオレイアはいきなり現れた二人に驚きを隠せなかった。
「ユーア!?ユージアさんも!?」
「昨日ぶりだねナオ~」
「!?」
ナオレイアは抱きついてきたユーアストに体が固まった。
「!…ナオにさわ…ちょっ」
「ユーリス、ユーアストの好きにさせておこう」
ユーリスはユージアに捕まって動けなかった。
「でもナオが」
「大丈夫」
ユージアはユーリスに抱きつき、頭を撫でた。
「むっ」
ユーリスは渋い顔をしていたが少しは落ち着いてきた。
部屋には微妙な空気が漂っていた。
誤字・脱字がありましたらご連絡ください。