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雨は嫌われ者だけど、私に似ている

作者: 春砂美心
掲載日:2026/06/22

マドンナ。クラスのマドンナ。


幼い頃からそういった類のレッテルを貼られていた。


廊下を歩けば視線を浴びて、噂話は後を絶たない。


「小野さん!文化祭でダンスを踊りたいんだけど、勇姿で出てくれない?」


「あの、私ダンスとかやったことなくて、文化祭まであまり練習する時間もないから。」


「ううん、いいの!小野さんが踊ってくれたらクオリティなんて関係ないよ!可愛いから大丈夫!」


一年生の時は先生たちも多少気遣ってくれたけど、今は私を商売道具としか思ってくれていないんだろうか。


「唯衣、ちょっといい?」


私の唯一の友達。


「今年の文化祭ね、ステージが運動場なんだって。」


「うん、そうだってね。」


「だからね、文化祭で踊ることになっても、雨が降れば中止になるじゃん!私が雨を降らしてあげる!」


「唯衣が断れない性格なのはわかるってるから。」


時々思う。


私って友達と呼べる人がいるのかなと。


桜は私のことを考えていってくれている。


それはわかってる。けど、私にダンスなんかに参加しなくていいいんだよと言ってくれる友達が欲しかった。


常々思う。


もしかしたら私に友達なんかいなくて、私のことを利用しようとする人しか寄って来ないんじゃないかって。


昔、お母さんに友達ができないと相談したことがある。


「雨ってね、みんなに嫌われて可哀想だと思わない?」


「なんで?嫌われ者?」


「だってスーパーに行くにもかっぱ着ていかなきゃ行けないし、体育の授業もできないでしょう?」


「だけどね、雨ってね、一定数好きな人がいるの。」


「雨が降らなかったらこの世界は回らないし、昔は神様に雨を降らしてくださいってお祈りしていだんだよ。」


「私が雨に似てるってこと?」


「ううん。」


「今あなたは高校というとても狭いコミニュティにいるだけだから。この世界はとっても広いってこと。」


雨は私に味方する。


そう願いながら、3週間後の文化祭に向けて、放課後の教室に小さなステージを机で作った。

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