呪われ体質。天使が取り憑き中
草原を適当な人方向に歩いて約1時間。街が見えてきた。検問などはないようで外からなら誰でも入れるようだ。人混みが多く中央に大きな城が立っていることが分かる
「でっけぇ…あっちの方で見てみるか」
門を抜けて右側の方へ足を運ぶと見えてくるのは祭り屋台のような場所で食べ物や武器、見たことないような物を売っている人達とそれを吟味している大勢の人々。街の人口はかなり多いようだ。
「ん?これ日本語じゃねぇのか…」
話し声は日本語のようだが文字は日本語じゃないようだ。不思議なもんだなと考えつつ人混みを通り抜けると日本の剣が十字に交差したよくありがちな旗が立つ周りと比べても大きな建物が目に入った。
それと同時に最近知り合った人?の顔も見えた
「ああー!ちょっと!あんたのせい…って訳でもないけど私までこっちに降ろされたじゃないの!」
ミライナは一樹と目が合うと同時に周りの視線を一気にかき集める声量で文句を言ってきた。
「俺のせいじゃねぇなら知らねぇよ。帰る方法はないのか?」
「あるにはあるけど大変なのよそれが!」
なんだあるのか。と思ったがこれだけ騒ぎながら大変と言っている以上余程しんどいのだろう。一樹はそう考えるなりミライナを無視して建物に入ろうとする。
「ちょっと無視しないでくれるかしら?ほんとに大変なんだから手伝いなさいよ!【天の美羽】探しを!」
「手伝えって言われても俺は来たばかりで無力だ。天使なら天使のパワーとかで何とかしろよ。あるだろ色々」
「天使はね下じゃ能力の制限がかかるの!空はずっとは飛べないし魔法も制限がかかるし元々物理は使えないしで大変なの!」
制限がかかる。そう言われて気づいたがミライナの背中には生えていた羽がないように見える。恐らく時間制限とかなのだろうか。
「よく分からんが助けるならお互いにだ。案内人にでもなってくれるのか?」
「はぁ?なんであんたの案内なんてするのよ!それは天使の仕事じゃないわ!」
一樹はミライナのセリフを聞いてこいつはダメだなと感じ何も言うことなくその場を去ろうとすると一樹の手首をビシッとミライナが掴んでくる。その顔は何か考え事をしている様子であった。
「今心読めないけどわかったわ。あんた置いていこうとしたでしょ。」
「…」
「はぁ…わかったわ。背に腹はかえられないし色々案内とかしてあげる。けど天使は下じゃ1日の行動時間に制限があるわ、何もしない時は基本的に何かに魂を委ねておくものなの。それは物でも人でもなんでも良いの。」
「それで?何が言いたいんだ?」
協力する気にはなった様子のミライナだが一樹には何が言いたいのか一向に理解出来ないでいた。その時間外は何かに隠れてやり過ごせば良いだけの事。特に問題はないように思えるが
「察し悪いわねあんた…とりあえずあんたに魂を委ねるわ。私の力なら意識の共有では心の中で会話ができるわ。案内には適切でしょ?その上であんたがここで何をするも自由だけど最終的に私の目的の【天の美羽】を探してもらうわ」
俺に魂を委ねる?そんな事もできるのかこの世界は。まぁでもミライナの提案にも一理あるが意識の共有ということは実質互いの心を晒し続けることになる。隠し事とかできないのかミライナには。いや何も隠しませんけどね?やましい事とかありませんけどね!?
「んで?どうするの?」
返事を待つミライナに対して俺は色々考えたが、字も読めないこの世界じゃ案内人は必ず必要になる。デメリットよりメリットだ、という結論に至りミライナに了承の意を示して返事をした。
「じゃあ手を出してちょーだい。」
言われるがまま手を出すと握手の形で手を握られ、同時にミライナの背中の羽が突如として出現した。羽で包み込むようにされると手首の辺りに重みを感じた。視線を落とすと先程までつけていなかった白色のブレスレットが付けられていた。
「これがそうなのか?あれ?」
視線をあげた先には先程まで居たはずのミライナの姿はなかった
《えぇそうよ。これで魂を委ねることが出来たわ》
「へぇ…便利なもんだな」
《口に出さなくても心の中で考えるだけで意思は伝わるわ。》
《えーっと。こういう事か?》
《そうそう。基本的にそれで会話しましょ。とりあえずは資金集めかしらね。ほら、あんたが気にしてた目の前の建物がギルドよ。そこで冒険者にでもなって資金集めからしましょ》
ギルド。その一言で興奮しない男は居ない。一樹も例外ではなく期待を感じながら扉に手をかける
「呪われ体質。異世界では天使に取り憑かれ中か…」
「ギルドへようそこ!窓口はあちらです!」
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