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第61話 地下に潜む闇

 リンガル洞窟亭の一階の窓に焚き火のわずかな光が映る。光がゆらめきながらガラスを照らしていると瓶の割れる音が周囲に響く。


「ったく…… いつまでこんなとこに居なきゃ行けねえんだよ」


 土色の壁に出来た、水のシミを見て男が吐き捨てるようにつぶやいた。染みの下には瓶の破片が散乱している。この男がイラついて瓶を壁にぶつけたようだ。

 男は色白な肌をして青い大きな瞳を持ち鼻はやや低い、頭には白い布を巻き脇から薄い茶色の髪が覗いている。体には革の鎧を身につけ腰には大きな湾曲したサーベルをさしていた。

 リンガル洞窟亭は正面の扉を開けると吹き抜けの大きな酒場となっている。扉から入って店の正面奥にカウンターがあり、カウンターの右横に奥にあるキッチンへ入り口が見える。

 カウンターの左手には幅の狭い小さな木製の階段があり、宿泊できる部屋がならぶ二階へと行けるようになっている。二階の廊下と部屋が正面右手にせり出したように形になっている。

 男は酒場のキッチンの入り口付近にある、席の一つに腰掛けて足を投げ出して座っていた。


「お前が悪いんだろ。アル! エルフの女を逃しちまうからよ」


 近くの席に座っていた、同じような格好で瞳は緑色で髪の毛は金色をした、腰に手斧をぶら下げたもう一人の男が迷惑そうに口を開く。


「はっ!? フラン! ちげえよ。あの馬鹿な豚どもが餌を逃がしちまうからだろうが!」


 サーベルを持った男の名前はアル、手斧の男はフランというようだ。アルはフランの言葉に店の入口を指して叫んだ。彼らが座るテーブルと店の入口の間に、後頭部からマウンテンデスワームが伸びる五匹のオーク達が一列に並んで立っている。


「それに……」


 不機嫌そうにアルは眉間にシワをよせ、フランの背後を睨んだ。すぐに立ち上がったアルは、ゆっくりと歩きながらフランに近づいていく。


「元はと言えばこいつらがやってくるのが悪いんだろ。俺達を勘違いさせやがって! こいつらのせいで餌が逃げちまったんだしな」


 フランを通り過ぎたアルはニメートルほど歩いて立ち止まった。アルの目の前には、後ろ手に縛られ座らされている女性が居た。隣には同じように拘束された男性が座っている。

 女性は目に涙をためてアルを見た。彼女は黒い長い髪にやや細く力強い瞳をして凛とした美しさがあった。女性は戦闘でボロボロになったのであろう、傷だらけで破壊された革の鎧に青い上着に黒のズボンを身に着け剣が抜かれた鞘を腰にさしていた。一方男性の方は短い黒髪に少し目が細く気が弱さそうな雰囲気を漂わせていた。彼は革の鎧に上下緑色の動きやすい服を着ていた。

 声をださせないように二人は口を布で塞がれていた。すぐ横のテーブルには綺麗に磨かれた剣と硬い木製の弓と矢筒に短剣が置かれていた。女性は剣士で男は射手で、女性の方の名前はシャサ、男性はカフという。二人グレン達が助けたリッチェの仲間だ。

アルはその場にゆっくりとしゃがんでいやらしく笑う。


「うー!」


 シャサが声をあげた、笑ったアルが彼女の顎に強くつかんで強引に自分の方をむかせた。アルはニヤニヤとシャサの全身を見つている。はだけたシャサの鎧の隙間から、青い服に包まれた手にあまるほどの大きい乳房が覗く。


「なぁ? こいつとやっていいか?」


 顎から手を離したアルは振り向き、笑いながらシャサを指さしてフランに尋ねる。


「あぁ。殺さなきゃ何してもいいぞ。なにせ生きてないと機嫌を損ねるからな…… あいつが」


 フランはアルに答えた。フランの言葉シャサの顔は青ざめ激しく首を横に振った。シャサの方を向き、アルはしたなめずりをした。ゆっくりと腕を伸ばした体をそらすシャサだったが、すぐに彼に肩をつかまれそのまま押し倒された。

 アルはシャサの鎧をつかんで前に引っ張った。はだけた鎧の上に服に包まれたシャサの胸が乗るようにして姿をあらわした。


「うーー!」


 シャサは隣に座るカフに助けを求めるように声をあげる。だが、カフは諦めたように彼女から視線をそらした。シャサの顔が青ざめて絶望した瞳に代わる。


「はははっ! 仲間もやっていいってよ!」


 カフの態度を見たアルは勝ち誇ったような声で笑い右手を伸ばす。大きなシャサの胸を手荒く鷲掴みにし指を動かす。


「うーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!」


 声をあげシャサは必死に体をよじり、足をばたつかせたりしてなおも抵抗しようとした。


「チッ! 黙れ!!!!」


 酒場に大きな音が響く。舌打ちをしたアルは頬を平手打ちにしたのだ。シャサの顔が大きく揺れ抵抗が一旦おさまる。

 アルはシャサに顔を近づけて右手の親指で前を指した。


「静かにしろよ。あの親父みてえになりてえのか?」


 仰向けに寝ていたシャサが頭を上げる。アルが指した方向が彼女の視界に入っていくる。

 そこは宿屋兼酒場だったリンガル洞窟亭のキッチンの入り口が見えた。キッチンとの境目は扉はないが、灯りが落とされ暗くなってい中は見えない。

 入り口のニメートルほど手前の床の上に、ホールからキッチンへ何かを引きずって出来た血痕が続いている。血痕の幅はちょうど人間の背中くらいの長さだった……

 シャサ体を震わせて目に涙をため動かなくなった。


「へっ! それで良いんだよ」


 アルは抵抗をやめたシャサの服に、胸元から手を入れ下着ごと強引に引きちぎった。布の破ける音がして冒険者らしく右の外側に十センチほど刀傷はあるが、張りがあって柔らかそうな巨大な胸がアルの前に投げ出された。


「どうせお前らは餌になる。だったら俺を楽しませた方がいいだろうよ。チュル……」


口を開け舌を前にだしたアルはゆっくりと胸に自分の顔を近づける。シャサは目をつむり顔を背けるのだった。

 硬い床に押し付けれらたシャサ、彼女の鼻にアルの汗臭い男の体臭がまとわりついてくる。虫が這いずるようなゾワゾワとした感触が、シャサの上半身をなぞり胸へと近づく。

 ねっちょりとした気持ちの悪い感触が彼女の胸を這いずり回る。


「クッ!」


 当初は気持ち悪かった感触が、徐々に快感へ変わっていく。体と頭が高揚し自分の意志と反して声をあげようと声帯を刺激するが、彼女はプライドをかけて口を必死につぐんだ。


「んッ! んんっ!!! んふ!!!」


 勝手に反応しのけぞるように動いてしまう体を、必死に止めようと全身に力を込めるシャサだった。


「ははっ! お前らもかよ」


 瓶をかかげてフランが笑った。アルが声に反応して顔をあげた。

 ブランがかかげた瓶の方角にオークが居る。腰巻きを巻いたオークの股間が膨れ上がってるのが分かる。どうやらアルとシャサの行為を見てオークも発情してるようだ。


「アル! 代わってやれよ」


 フランは笑いながらオークを指してアルに叫ぶ。眉間にしわ寄せアルは、不機嫌そうな顔に変わりオークに向かって叫ぶ。


「はぁ!? いいところなんだから邪魔すんじゃねえよ」

「知らねえのか? こいつらに犯された女のあそこはいい感じになるんだ。普通の女とは比べ物になんねえくらい気持ちいいぞ」


 ニヤリと笑って舌を出してシャサを見るフラン、アルはシャサの体に未練があったが彼の言葉に興味が湧いた。


「チッ! わかったよ。しょうがねえな。大事にしろよ。俺の女なんだからな」


 舌打ちをしてアルが立ち上がり、オークに向かってシャサを指した。よだれをたらしながらオークは瞳孔が開き、興奮した様子でジッとシャサを見つめている。

 オーク達は今にもシャサにかぶりつきそうだが、両手両足を揃えた姿勢のまま動かない。オーク達は顎が前にでてこころなしか体が少し前傾になっている、シャサの方へ向かいたいのに透明な壁のようなもので遮れているようだった。


「さて……」


 自分が座っていた椅子へと戻るアル、彼はおもむろにテーブルに置かれたシャサの剣を右手でつかみ持った。

 次にアルは歩きながら。左手でフランの前に置かれた、酒瓶を乱雑につかみ自分が座っていた椅子に戻る。座った直後に瓶を口へと持っていった。


「ラーレリーリア!」


 酒を一口飲んだアルがオークに向かって呪文のようなものを唱えた。彼の言葉を聞いたオーク達は、体が前に倒れるようにして一歩を踏み出した。


「「「「「ブッブヒーーーー!!!」」」」」


 叫び声をあげながら、五匹のオークがつばを撒き散らしながらシャサへ向かっていく。座った椅子から身を乗り出してフランがオーク達の様子を見つめていた。顔は高揚した彼はやや興奮しているようだった。


「おっ!? こいつはおもしれえ。俺は近くでみるぞ。お前は?」

「勝手にしろよ。豚が女を犯してるとこみて何が楽しんだが……」

「そうかい」


 フランは嬉しそうに立ち上がりアルにたずねる。アルは興味がなさそうにして口に酒が入った瓶を運んだ。あるの回答につまらなそうな表情をしフランは、酔ってフラフラを歩きながらシャサの元へと向かう。

 胸のはだけたシャサに群がるオーク達、一匹のオークがシャサの体を強引にうつ伏せにし腰を起こして四つん這いにさせる。


「ブヒッ!」

「うーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!」

 

 オークの手がゆるんだ瞬間に逃げようとしたシャサだったが、すぐに左右にいた二匹のオークの腕が伸びて捕まる。

 五匹のオークにも序列があるようで一匹がシャサを堪能し、それ以外は二匹が彼女の体を押さえ残った二匹は立ったまま静かに待っていた。最初に堪能できるのが一番偉く体を押さえているのが二番手と三番手、最後に残ったのをもらえるのが立って待っているオークだ。


「うーーーー! うーーー!」


 必死に声をあげシャサだった。彼女は二匹のオークに背中と頭を上から押さえられ、床に顎をつかされ尻をうかせて姿勢を強引にとらされる。


「うーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!」


 悲痛な声が酒場に響く。彼女の尻の前に居た、オークが強引に彼女のズボンを下ろした。丸みを帯びたやや大きい尻を包む、青い色の下着がオークの前にさらされた。


「ブフーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 シャサの尻を見て興奮したオークが腰巻きを外す。いきり立ったオークの欲望が現れ、彼女の中へと侵入しようと下着をつかんだ。


「チッ!」


 アルは嬉しそうに声をあげるオークに、今更ながら譲ったのを後悔し不満そうに舌打ちをした。そしてテーブルに置いた瓶をシャサの剣で叩くように切りつけるのだった。これから行為を自分の記憶から消そうとしてるようにシャサはそっと瞼を下に下す。閉じられた目の隙間から彼女の涙が静かに床へとつたって落ちていく。

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