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新大陸の冒険者支援課 ~新大陸での冒険は全て支援課にお任せ!? 受け入れから排除まであなたの冒険を助けます!~  作者: ネコ軍団
第4章 深い森に迷う二人の姉

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第337話 聖堂を血で染めて

 ヴァンパイアたちの死体がグレンの周囲に転がっている。右手に持った剣の先を下に向けグレンは人さし指を伸ばした左手を小刻みに上下左右に動かす。


「一、二、三、十匹……」


 視線を聖堂へと向けるグレンだった。祭壇の前にグルーナが立ってグレンを驚愕の表情で見つめていた。グレンは彼女の表情を見てニヤリと微笑む。


「薄汚ねえ。ヴァンパイアどもの駆除完了だな」


 視線を動かずグレン、周囲にいる女性は動かず怯えてベンチに隠れてたり動かずに固まって二人か三人で寄り添っていたりする。


「小僧…… 許さんぞ」


 グレンの言葉を聞いたグルーナは眉間にシワを寄せ彼を睨みつける。兜の舌から覗く大きな口の上唇が斜めに上がり長い牙が覗く。


「まぁ…… そこのババアよりは小僧だな」


 右手に持った剣の先をグルーナに向け、グレンはレイナが開いた扉を左手で指して笑うのだった。


「黙れえええええええええええ!!!!」


 ハンマーを両手に持ってグルーナは飛んで来た。先ほどのヴァンパイアと比べ速くグルーナはグレンとの距離を詰めた。彼女はハンマーをグレンへと振り下ろした。


「ふん!!!」


 大きな音がしてグルーナのハンマーが地面へとめり込んだ。砂煙が上がりグレンが立っていた床にハンマーがめり込む。


「グレン君!!!」


 扉の前で猫を抱えていたレイナがグレンの名前を呼んだ。グルーナは彼女に視線を向け笑う。


「たわいもない…… さて…… 亡くなった同志はお前にまた生んでもらおう……」


 グルーナはレイナに口を開き。彼女はハンマーをゆっくりと持ち上げようと両手に力を込めた。しかし、巨大な彼女の背後からかすかに声がする。


「おーい…… おーい! おい!!! 聞けよ!!」

「なっ!?」


 声をあげグルーナが横に飛んで行った。レイナが立つ扉の向かい側の壁にグルーナがたたきつけられ音を立てる。玉のような体形の彼女は跳ね返りそうにひしゃげて元に戻った。

 さらに大きな音がして倒れたグルーナと一緒に壁にぶつかったハンマーが床に落ちた。

 グルーナが居た場所にはグレンが右足を上げた姿勢で立っていた。横から彼がグルーナを蹴ったのだ。グレンはゆっくりと足を戻してグルーナが飛んで行った壁に体を向けた。


「なぜ…… 我が一撃を……」


 壁に叩きつけられ床に倒れたグルーナは起き上がり立っているグレンを見つめていた。


「あんなのに俺が当たるわけねえだろ…… 舐めるなよ」


 グレンはグルーナの元へと向かって歩きだす。右手でシャイニーアンバーを外しムーンライトにはめ月樹大剣(ムーンフォレスト)へ変更し同時に目を強く赤く光らせ体を大きくし獣化全解放ビーストモードプリズンブレイクを使用した。


「クソ! クソ…… こんな…… こんな…… うおおおおおおおおおおお!!!」


 グルーナは近くに転がっていた、ハンマーを拾うとグレンに向かって駆け出した。


「ふん!」


 鼻息を荒くするグルーナだった。距離を詰めたグルーナはハンマーを横からグレンに叩きつける。音を立て巨大なハンマーが勢いよくグレンの上半身へ飛んでくる。大剣を肩に担いだグレンは視線を横に動かし、口元をわずかに緩ませる。左手を広げたグレンはハンマーのヘッドの中央に向けた。


「よっと」

「ふぁ!?!?!?!?」


 聖堂に鈍い音がしグルーナは目を大きく見開き声をあげた。涼しい顔でグレンがグルーナを見つめている。彼女のハンマーはグレンに簡単に受け止められてしまった。


「グッ!!!」


 グレンは左手を軽く押すとグルーナのハンマーは軽く押しのけられた。グレンは右肩に担いでいた大剣を力強く握りしめた。


「俺は忙しいんだ。さっさと終わらせるぞ」

「グハアアアアアアア!!!」


 グルーナの横から鋭くグレンの大剣が伸びて来た。大きな鈍い音がしてグレンが横から振り抜いた大剣がグルーナを吹き飛ばした。飛んだグルーナは祭壇の近くのベンチを巻き込んで床に叩きつけられた。


「「キャっ!」」


 ベールを付けた裸のシスター二人が声をあげた。グルーナが吹き飛ばしたベンチの近くに彼女らはおり、破片が近くに飛んだのだ。

 大剣をゆっくりと戻ししつつ、二人に気づいたグレンは口を開く。


「わりぃ。わりぃ…… 気をつけてくれ」


 グレンは肩に大剣をかつぎ倒れたグルーナへ向かってゆっくりと歩いて近づく。飛ばされたグルーナは起き上がった。


「はあはあ…… なっなんなの…… あいつは……」


 近づいて来るグレンを見て彼女は慌ててハンマーを探す。ベンチの破片のそばに転がるハンマーを見つけた彼女は手を伸ばした。


「はあはあ……」


 ハンマーを握ったグルーナは大きく振りかぶり、向かって来るグレンに視線を向けた。


「きゃあああああああああああ」

「!?」


 グルーナは体を横に向けた。彼女のハンマーの下には、裸でベールを付けただけのシスターが二人座っている。グレンは表情を変えずに首をかしげた。


「何をしているんだ?」

「動くな! こっこれ以上近づいたら…… こいつらを叩き潰してやる!」

「いっいやです……」

「やめてください……」


 ハンマーを持ったグルーナが視線をシスター二人に向ける。シスター二人は声を震わせ怯えたようすでグルーナに懇願していた。


「やめなさいよ!」

「黙れ!!!」


 黙って入れらないのかレイナが口を挟んだがグルーナが叫んで声をかき消す。


「ふっ…… そうかい」


 鼻で笑ったグレンは静かに肩にかついでいた大剣を下した。彼の態度にグルーナは勝ちを確信しハンマーを持つ手を少しだけ緩めた。グレンの表情が変わり目の赤い光が強くなりオーラが激しく風になびいた。


「ふふ…… 今から同志を…… はっ!?」


 いきなりグルーナの目前にグレンが現れた。現れたグレンは両腕を後ろに引き、大剣の剣先はグルーナへと向けられていた。目を見開き呆然としているグルーナだが、グレンは動きに反応できずに突き出される大剣にまったく動くことができなかった。

 突き出されたグレンの大剣はグルーナの胸へと突き刺さった。大剣にグルーナの鎧と骨は粉砕され肉をえぐっていく。


「ぶは!!!!」


 血を口から吐き出すグルーナ、彼女の手から力が抜けハンマーが背中へ落ちて音を立てる。グレンはグルーナを見て舌打ちをする。


「チッ! 心臓は外したか…… でかいのに心臓は小せえんだ」

「なっなぜ…… お前は……」


 苦痛に顔を歪ませたグルーナはグレンを見つめていた。彼女の頸がわずかに動いて女性達に視線を向けた。グレンはどこに視線が向けているのか気づきあきれた様子で口を開く。


「あのなぁ。人質ってのは顔見知りにしないと効果ないんだよ…… ねっ!!」

「うわあああああああああ!!!」


 左足をグルーナの胸にかけ、グレンは剣を勢いよく引き抜いた。グルーナは蹴られたようになり後ろに問荒れて転がって行った。二回転半したグルーナは仰向けに倒れた。


「たっ助けを……」


 両手をついて起き上がろうとするグルーナだったが、ダメージがあるのか起き上がれず這いつくばって逃げようとする。グレンは視線を這いつくばってうごめくグルーナに視線を向け、大剣を右肩にかついで地面を蹴って飛ぶ。


「クソ! 同志たちよ…… 逃げ…… ブエエエエエエエエエエエエエエ!!!」

「逃がすかよ!!!」

「やめろ! やめろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」


 地面を蹴って飛び上がったグレンはグルーナの背中を踏みつけた。かついだ大剣の剣先を彼女の胸に向け振り下ろした。


「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


 グレンの大剣がグルーナの心臓を貫いた。聖堂に彼女の断末魔が響き渡るのだった。

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