第325話 銀色の魔族
教会の前の広場ではクロース、ジャスミン、クロース、オリビアと魔族が激しい戦いを繰り広げていた。
「ハッ!! ムゥ!?」
魔族を斬り倒したルドルフ、彼の周囲を魔族が取り囲んだ。彼は周囲を見つめ睨みつける。
「「ウガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」」
ルドルフを取り囲んだ魔族たちが彼に襲い掛かった。ルドルフは眉間にシワを寄せた両手で持つ剣に力を込めた。彼の両手がやんわりと黄金に光り出す。
「ハッ!!!」
剣先を地面に向けルドルフは両手で勢いよく振り下ろした。音がして地面に剣が突き刺さると同時にルドルフが叫んだ。
「聖天雨!」
晴天を切り裂き光りの矢が空から降り注ぎ、彼の周囲に居た魔族たちを襲う。
「「ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」」
光の矢は魔族たちに突き刺さり、魔族の肉をえぐり削りながら地面へと貫通して落ちた。魔族たちは立ったまま穴だらけになり倒れていった。
「淡い恋は海を行く荒波! 迫りくる波を制する者はない。声を荒げても無駄な事。期待してもそのざわめきは静まらない!」
ルドルフから少し離れた場所でジャスミンは、魔族が突き出した槍を歌いながら身を翻してかわして歌っていた。
「グギャ!!」
突き出した槍が空振りし前のめりでバランスを崩した魔族だった。魔族の頭部に後ろからジャスミンのオールが飛んで来て、横から殴りつけ横から頭を吹き飛ばした。
「恋よ! 恋よ! 恋よ! 波に飲まれ叫ぶ子羊は諦めない! 来ないならこちらから! さぁ全てをおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
徐々に大きなていくジャスミンの歌声、彼女の声は力強く荒波のように空気を激しく震わせながら広場に響き渡っていく。ジャスミンの周囲にいる魔族が頭を押さえ苦しみだした。
「「うぐぐぐ……」」
魔族たちの顔がゆがめて頭を必死に押さえいく。徐々に頭が何かに押さえてつけられているかのように変形を始めた。魔族たちの鼻や口から血が出て、目が充血し飛び出してそうになっていた。
両手を広げたジャスミンはさらに歌声を大きくしていく。やがて魔族たちの頭は限界を迎えた。
「「ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」」
ジャスミンの近くの魔族の頭が大きな音を立てて破裂した。血と肉が吹き飛び中身を魔族は地面にぶちまける。首から上がなくなった魔族は地面に倒れる。
歌い終わったジャスミンがオールを持った右腕を広げ、左腕は胸の前に持って来て頭を下げた。周囲には彼女の歌の余韻が次々と魔族の頭を破裂させていく。
「フィーネ……」
「「ブシュウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウウ!!!」」
破裂した魔族からの声と破裂する音が広がっていく。ジャスミンは静かに顔をあげにっこりと微笑む。
「ちょっと…… 下品なスタンディングオベーションですわね……」
ぶちまけられた肉片と倒れていく、魔族たちを見てジャスミンが冷たくつぶやくのだった。
舞台近くで回していたメイスをオリビアが静かに止めた。
「ふぅ」
小さく息を吐いた彼女の周囲には、ばらばらになった魔族たちが散らばっていた。背後から手斧を持った魔族が忍び寄る。魔族は手斧を振り上げオリビアに振り下ろそうと力を込めた。
オリビアから背後に鋭くメイスが伸びて来た。魔族のみぞおちにメイスの石突がめり込むでいく。バキバキと音を立て肉がつぶされ魔族はくの字に曲がった。
「はう!!!」
「とどめは頼む!」
「ギャ!!!」
メイスに体を突かれた魔族の横から矢が飛んで来て魔族の頭に突き刺さった。魔族は力なくずり落ちるようにしてメイスから離れた後向けに倒れた。オリビアはメイスを前に戻して体を舞台に向け立った。
静かに佇むオリビアの背後からクロースが歩いて来て声をかける。
「終わりましたか?」
「あぁ…… 残りは……」
視線を舞台に向けるクロースとオリビアの左からジャスミンが近づく。
「あいつだけですわよ」
「さっさと片付けて…… 皆を助けにいかないとな」
ジャスミンが口を開いた直後にクロースとオリビアの右から近づいた来た、ルドルフが剣で舞台に居るガイルを指した。
ガイルは並んで立つ四人を舞台の上から悔しそうに見つめている。
「クソ…… こうなったら…… これを……」
右手を上に向けたガイル、彼の右手に小さな紫の炎が出た。炎が消えると彼の手の上に、赤い液体が入った瓶が現れた。瓶を開けたガイルは一気に液体を飲み干した。
「ウガアアアアアアア!!!! 来た! 力が! 来た! 来たぞオオオオオオオオオ!!!!!」
苦しみ声を上げるガイルの体が首から下が銀色の代わっていく。
「あれは…… 体が銀色に…」
舞台の上に立つガイルにジャスミンが声をあげた。銀色の体になったガイルは顔を四人に向けた。クロースが素早くハルバードを構えた。
「気をつけてください! あれは…… イブラージ!!!」
「はっ!?」
舞台に上に居たガイルが消えた。舞台を蹴って飛び出したガイルは一瞬でクロースの前に移動した。彼は大きく右足を振り上げ腰を回転させる。
空気を切り裂き右足がクロースの体へ向かって行く。
「クッ!」
クロースはなんとか反応し体をガイルの右足に向け、ハルバードを垂直に近い状態で前に出して両手に持ち蹴りを受け止めた。激しい音がしてガイルの蹴りがクロースのハルバードの柄にぶつかった。衝撃がクロースを襲い彼女の両手はしびれた。耐え切れずにクロースの両足は浮き上がり吹き飛ばされる。
「キャッ!!!」
すぐに後ろに居たジャスミンに飛んで来てクロースがぶつかった。二人は一緒に吹き飛ばされてしまった。
「クロース! ジャスミン!!! はっ!」
「よそ見している場合か!!」
攻撃の手を緩めずにガイルは素早くオリビアに体を向け殴りつける。オリビアは素早く横に飛んで拳をかわし距離を取った。ガイルの拳は空振りし地面を叩いた。
「グゥ!!!」
衝撃音が響いて衝撃が周囲に飛ぶ、地面の砂埃や石畳みの破片が飛ぶ。近くにいたルドルフが手を前に出して破片や防ぐ。
「しまっ!? ぐはああ!!」
いきなり目の前にガイルが現れ右足でルドフルを蹴り上げた。不意をつかれたルドルフは防ぐこともかわすことも出来ずに左腕と肩にかけてを蹴らえた。衝撃に耐えきれずにルドルフは吹き飛ばされた。剣はルドルフの右手をはなれ地面に転がった。吹き飛ばされてルドルフは放物線を描いて地面に叩きつけられた。
「クッ」
「死ねエエエエエエエエエエエエエエ!!!」
倒れて体を起こすルドルフにガイルが迫る。ガイルは拳を強く握りルドルフに叩き込もうと振り上げた。
「ハッ!!」
ガイルの横から勢いよくオリビアが飛んで来た。彼の頭に叩きつけようとメイスを振り下す。ガイルは左腕を曲げオリビアのメイスを受け止める。衝撃音がしてガイルの左腕に衝撃が起きて飛んでいた彼は地面へと下ろされた。オリビアはメイスを振り下ろした姿勢でガイルの前に立っていた。左腕とメイス越しにガイルとオリビアの目が合った。
「グぅぅぅ!!!」
「はあああ!!!!!」
オリビアは強引にメイスを押し込みガイルは必死に耐える。ガイルの足が地面へとめり込んでいく。




