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第128話 受付嬢の頑張り

「クッ!!!」


 とっさにタミーは前に出た。拳を握って腕をクロスして振り下ろされたハンマーを受け止める。彼女の頭上でクロスさせた腕とジーガーのハンマーの柄がぶつかる。タミーは強力に下に押されつぶされそうになるが必死に足を広げ必死に踏ん張って耐える。


「おらあああ!!!」

「うっ!」


 ジーガーはハンマーを持ち上げると同時に足の裏で前にハンマーを受け止めたタミーを蹴った。足はタミーのをぶつかり彼女を押し出して後退させた。

 バランスを崩して隙が出来たタミーに向けてまたハンマーを振り下ろした。大きな音がして地面から砂埃が舞っている。


「外したばい…… ハッ!!」


 目を大きく見開くジーガーだった。視界に飛び上がって目の前にいるタミーが見えた。彼女は間一髪地面を蹴って飛び上がりジーガーのハンマーをかわしていた。


「はあああああああああああああああああああああ!!!」


 気合を入れてタミーは横から右足でジーガーの首を蹴りつけた。彼女の足はジーガーの頭に横から命中した。


「えっ!?」

「ニヤリ……」


 蹴りを受けたジーガーだったが、ダメージはほぼなかったのか立ったまま笑みを浮かべていた。彼はハンマーから左をはなしと拳を握って彼女に向かって振り上げた。下からタミーはジーガーに殴りつけられる。彼女の体を激しい衝撃と痛みが襲う。


「キャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!」


 殴られたタミーは悲鳴を上げながら吹き飛んだ。二メートルほど先の地面に彼女は背中から叩きつけられた。幸い大したダメージはなく彼女はすぐに手を突いて起き上がる。

 起き上がったタミーを見てジーガーは笑みを浮かべている。彼は右手でハンマーを持ち上げ肩にかつぐ。

 タミーは視線を下に向ける。ギルドの制服のスカートはタイトになっていて動きの邪魔になっていた。自分の蹴りがジーガーに効果がなかったのは動きがいつもと違うからだと彼女は考えた。


「ふぅ……」


 小さく息を吐いたタミーは両手でスカートの裾をつかんだ。


「ヒューーーーーーーーーーー!!!」


 布の引き裂かれる音がするタミーは自分のスカートを太ももの付け根まで破った。それを見た海賊たちがひやかしている。

 動きやすくなった彼女はそのまま足を広げ腰を落とした。ストッキングを履いた太ももが露わになり、男の海賊たちは歓声をあげていた。


「来い!」


 右腕を前にだし手のひらを上に向け指を曲げてかかってこいと叫ぶタミーだった。ジーガーは彼女の様子を見て舌なめずりして笑い両手でハンマーを構える。

 五メートルほど距離で二人は構えたまま睨み合う。騒然としていた周囲が徐々に静まっていき吹き抜けてわずかな風の音だけが対峙する二人の耳に届く。


「おらああああああああああ!!!!」


 沈黙を破ったのはジーガーだった。彼は駆け出し右腕を引き持っていた、ハンマーで横からタミーを殴りつける。地面とほぼ水平に横からもの猛スピードでハンマーがタミーへと迫って来た。


「はっ!!!!」


 タミーは視線を横に動かしタイミングを計って飛び上がる。足元から風がタミーの頬をなでる、飛び上がった彼女の下をハンマーが通過していったのだ。まっすぐ前を向き右腕を引くタミーの視線の先はジーガーの顎を捉えている。彼女が拳を握りしめると右腕にはめた手袋から刃が伸びる。


「とりゃああああああああああああああああああああああああ!!!」


 声をあげタミーはタミーはジーガーに向かって腕を突き出した。


「はっ!?」


 タミーが驚きの声をあげる。彼女の突き出した右腕が下から弾かれたのだ。目の前に金属の銀色の棒がタミーに見える。この棒はジーガーのハンマーの柄だ。彼はハンマーが交わされると、タミーの動きを見て左手を離して右手首を軽く回しハンマーの柄が回転するように上に跳ね上げさせた。跳ね上がって来た柄がタミーの突き出した腕を弾いたのだ。


「おらおら!」

「がっ!」


 左腕を伸ばしてジーガーはタミーの足をつかんだ。そのまま彼女を持ち上げ地面に向かって振り下ろした。衝撃がしてタミーは胸をつ帰る感覚になり息がうまくできなくなる。


「終わりじゃないばい!!!」

「がっ!? はっ!」


 ジーガーは地面に叩きつけたタミーの足を離さずに持ち上げ再び地面に叩きつけた。タミーの体は地面に叩きつけられ彼女の視界がバウンドしたように上下し息がまたできなくなる。


「降伏しろ! そしておいの物になれ!」


 タミーを見下ろして降伏を要求するジーガーだった。倒れながら顔をあげたタミーは彼を睨みつけた。


「いっいやです」

「この!!」

「がっ!」


 繰り返し何度もジーガーはタミーを地面に叩きつけるのだった。苦痛に顔を歪ませるタミーを見る、ジーガーの顔はどこか満足げに笑っていた。


「あーあ。兄貴もえげつないね」

「そうだな…… ああいう気の強い女を強引に自分の物にしたがるからな」

「そうそう。最後はあの棒を突っ込まれて大概の女は狂っちまうんだよ」


 笑うジーガーを見て海賊達が話をしている。女性は不安そうにタミーを見つめている。


「ふん!」


 鼻息あらくジーガーはタミーを地面に叩きつけた。先ほどまでと違った大きな音が何か折れたような音が響く。投げ捨てるようにジーガーはタミーの足から手をはなす。

 タミーは口の脇から血を流し苦しそうに息を荒くしている。


「まだやるとね? 降伏すればおいの女にして命は助けてやると」

「黙りなさい!!」


 必死に体を起こし立ち上がるタミーだった。足は震え何度も叩きつけられせいか左足と腕の間隔がなく前進がきしみ激痛が走る。そのまま倒れそうになるのを必死に彼女は耐えていた。

 ジーガーはタミーの様子を見ながら余裕の笑みを浮かべていた。


「そんな状態でおいに勝てるとも?」

「うるさい」


 走り出したタミーだった。苦痛に耐えながら彼女は速度をあげていく。それでもジーガーにとって対応はたやすく近づく彼女を叩こうとハンマーを振り上げ狙いをすませる。タミーは拳を握って左腕を彼に向けた。


「!?!? うわああああああああああああああああああああああ!!!!!」


 拳を下に向けたタミーの左腕から筒のような物が出て来た。中から勢いよく砂が吹き出した。ジーガーの顔に吹きつけた。

 

「目が!? クソ!!! クソ!!!!!」


 砂に目が入ったジーガーはハンマーから両手を離し慌てて両目を押さえる。彼の背中の後ろにハンマーが落ちて音を立てる。


「うわ!?」


 目をこすって何とか目を開けたジーガーの前にタミーが見えた。


「もらったあああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!」


 タミーは飛び上がり右腕を引き拳をにぎる。手袋から飛び出した刃を狙いすまし、タミーはジーガーの胸へと突き出した。タミーの突き出した刃はジーガーの胸へと命中した……

 しかし、青い金属のジーガーの鎧に命中した刃は音を立てて折れた。


「なっ!? なんで……」

「この鎧はそんじょそこらの鎧じゃなか! 遺跡で拾った古代文明のもんばい!!」


 呆然とするタミーにジーガーはニヤリと笑い、左手でタミーの腕をつかんで横に投げ捨てた。

 再びタミーは地面へと叩きつけられた。立ち上がろとするタミーだったが、ジーガーはすぐに距離をつめ彼女を蹴った。


「グっ!!!!!」


 頭の後ろを蹴られたタミーは仰向けに倒れた。だが、彼女は諦めずに立ち上がろうと両手と膝をついた。


「おっとそうはいかんばい!!1」

「がっは!!!」


 ジーガーは走って距離をつめると背後からタミーの頭を足で踏みつけ押さえた。頭を地面につけ腰をうかした姿勢でタミーはジーガーの足元で苦しそうにもがいている。


「おい!!!! 持ってこい!!!」

「へっへい!」


 右手を海賊に向けて叫ぶジーガーだった。すぐに三人の海賊達が反応し地面に落ちたジーガーのハンマーを三人がかりで運び持って行く。


「よーし…… これで…… ぐへへ」


 ハンマーを受け取りいやらしく笑った、ジーガーはタミーの足の間にハンマーの柄を持って行く。破かれたスカートの裾を柄でゆっくりとすらしている。


「おらおら…… みんなに見えちまうぞ。いいのかぁ? 早く降伏しておいの物になれ」

「クッ…… いっ嫌だ! 離せ!!!」


 器用にジーガーは柄で彼女のスカートをまくり上げていく。ストッキングに包まれた引き締まった太ももが海賊たちにさらされる。

 タミーの上までスカートをまくり上げた。彼女の飾りけのないシンプルな水色の下着に包まれた尻が現れる。


「やめろ! 離せ!」

「もういい」

「キャッ!!!」


 ジーガーは足をどかし膝を曲げた。足の代わり曲げた膝でタミーの頭を押さつける。彼女に尻に左手を伸ばしてストッキングと下着をずり下した。鍛えられた引き締まった尻が下着の中から現れた。

 もう我慢できないと言った様子でジーガーが叫ぶ。


「このままおいのものにしてやる!!! このぶっといのに耐えた女はいねえぞ!!」


 彼は左手でしっかりとタミーの腰を押さつけると右手に持った、ハンマーの柄を彼女の足の間へと持って行く。ジーガーの息が荒くなり、股間に迫る大きな気配を感じたタミーの心は恐怖に覆われて気丈に振舞っていた彼女がだったがついに耐え切れずついに悲鳴をあげてしまう。


「やめ…… やめてええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!!!!!!」

「いえーーーーーーーーーー!!!! さすが兄貴!!!」


 悲鳴を聞いたジーガーは満足そうに笑ってハンマーの柄を持つ右手に力を込めていく。周囲の海賊たちのボルテージも高まり彼らは興奮し声をあげる。しかし…… 興奮しているジーガーと海賊たちは自分達に近づく気配にきづかないのだった。

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