みんなの質問コーナー
(Round6の激論の熱気がまだ冷めやらぬスタジオ。対談者たちはそれぞれ息を整えたり、水を飲んだりしている。司会のあすかが、少し落ち着いたトーンで口を開く)
あすか:「皆さん、大変白熱した議論、本当にありがとうございました。それぞれの『正義』、そしてその裏側にある葛藤…胸に迫るものがありました。(手元のクロノスに視線を落とし)さて、このサミットは、時空を超えて多くの視聴者の方々にご覧いただいています。そして、皆さんの熱い議論を受けて、たくさんの質問がリアルタイムで寄せられているんです」
(あすかがクロノスを操作すると、タブレットの画面に視聴者からのコメントや質問が流れるように表示されるエフェクト)
あすか:「時間の許す限りですが、ここでいくつか質問にお答えいただきたいと思います。よろしいでしょうか?」
(対談者たちは、少し意外そうな顔をしつつも、頷く)
あすか:「ありがとうございます。では、最初の質問です。これは…次郎長さんにお願いしましょうか。『次郎長親分の言う“仁義”って、現代の私たちには少し分かりにくいのですが、具体的にどういうことですか?大切なのは“ルール”じゃなくて“気持ち”ということでしょうか?』…とのことです」
清水次郎長:「(少し考え込み、ゆっくりと)仁義、ねえ…。そうさな、難しいな。ルールって言うよりは…そうだ、『人として、どうあるべきか』ってことかもしれねえな。弱い者いじめはしねえ、約束は守る、世話になった人には恩を返す、筋の通らねえことはしねえ…。そういう、当たり前のようで、なかなか出来ねえことを、きちんと守り通す。それが渡世の仁義ってもんだ。気持ちはもちろん大事だが、それを形に示す『行動』が伴わなきゃ、意味がねえ。…どうだい?これで少しは分かってくれたかい?」
あすか:「ありがとうございます。人としての筋を通す行動、ということですね。…では、次の質問は忠治さんに。『忠治さんは、なぜそこまで“意地”にこだわったのですか?逃げ続ければ、もっと長く生きられたかもしれないのに…』というご質問です」
国定忠治:「(ふんと鼻を鳴らし)長く生きる?それが何だってんだ。飼い慣らされた犬みてえに、権力にへいこらして長生きするくれえなら、短くても自分の『意地』を通して死んだ方がマシだ!俺ぁ、気に食わねえモンは気に食わねえ。間違ってると思ったことには逆らいてえ。ただそれだけよ。それが俺の生き方だったんだ。他の生き方なんざ、考えたこともねえぜ」
あすか:「ご自身の生き方を貫くこと、それが全てだった、と。…続きまして、これはカポネさんに。『カポネさんにとって、“ファミリー”とは、ビジネスのための駒だったのですか?それとも、心のどこかでは、本当の家族のような愛情があったのでしょうか?』」
アル・カポネ:「(少し表情を変えずに)…ファミリーはファミリーだ。ビジネスのパートナーであり、俺の帝国を支える兵隊でもある。だがな、俺だって人間だ。一緒に修羅場をくぐり抜け、苦楽を共にした奴らには、それなりの情もある。だが、その情に流されて判断を誤ることは絶対に許されねえ。ビジネスはビジネス、ファミリーはファミリー。それを混同する奴は、この世界じゃ生きていけねえのさ。愛情?フン、そんな感傷的な言葉は、俺には似合わねえな」
あすか:「ビジネスと情は別物、ということですね。…では、秀吉様への質問です。『秀吉様の“人たらし”の極意を、ぜひ具体的に教えてください!どうすれば人の心を掴めますか?』現代でも役立つヒントを求めているようですね」
豊臣秀吉:「(カカカ!と機嫌よく笑い)ほう、わしの術を学びたいと申すか!よかろう、一つだけ教えてやろう。極意はな、『相手の懐に飛び込むこと』じゃ!」
あすか:「懐に飛び込む?」
豊臣秀吉:「うむ。身分や体裁なぞ気にせず、相手と同じ目線に立ち、時には下手に出て、時にはおだてて、相手の心を開かせるのじゃ。そして、相手が何を欲しているのか、何に困っているのかを鋭く見抜き、それを満たしてやる。見返りを求めず、ただただ誠意をもって尽くす。そうすれば、人は自然と心を開き、『この人のためなら』と思うようになるものよ。まあ、言うは易し、行うは難しじゃがな!カカカ!」
あすか:「なるほど…相手の立場に立つこと、見返りを求めない誠意、ですか。ありがとうございます。…では、最後に皆さん全員への質問です。『皆さんは、ご自身の行動や生き様が、後の世にどう伝わっているか、あるいは、どう評価されているか、知りたいと思いますか?』」
(この問いに、4人はそれぞれ異なる反応を見せる)
清水次郎長:「…そうさな。悪く言われてるのは覚悟の上だが…少しは、俺がやったことの良い面も伝わっててくれたら、嬉しいかねえ」
国定忠治:「へっ、どうでもいいぜ。俺ぁ俺の生きたいように生きた。後の奴らが何と言おうと知ったこっちゃねえ」
アル・カポネ:「フン、どうせ悪党扱いだろうがな。だが、俺がシカゴの歴史にデカい名前を刻んだことは事実だ。それで十分だ」
豊臣秀吉:「…歴史の評価は、時代によって変わるものじゃ。じゃが、わしがこの日ノ本を統一し、泰平の世の礎を築いたという事実は、未来永劫、変わることはあるまい。それで満足じゃよ」
あすか:「(頷き)ありがとうございます。それぞれの思いが伝わってきました。視聴者の皆さんからの質問はまだまだたくさん届いているのですが、お時間のようですので、質問コーナーはここまでとさせていただきます。皆さん、真摯にお答えいただき、ありがとうございました」
(SE:穏やかなチャイムのような音)




