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ラウンド4:掟と裏切り~組織を守る非情な掟~

(スタジオに戻った対談者たち。先ほどのサロンでの和やかな雰囲気は薄れ、再び真剣な眼差しでテーブルに向かい合っている。中央のあすかが、静かに口を開く)


あすか:「『失われた星々のサロン』で、皆さんの意外な一面や共通の苦悩も垣間見えたように思います。しかし、組織を率いるということは、ただ人を惹きつけ、養うだけではありません。(クロノスに触れ、テーマを表示)次のラウンドのテーマは、より厳しく、そして重いものになります。『掟と裏切り~組織を守る非情な掟~』。皆さんの組織には、どのような『掟』がありましたか?そして…その掟を破る者、特に『裏切り』に対して、皆さんはどのように対処されてきたのでしょうか?」


(スタジオの空気が再び張り詰める。最初に口を開いたのは、カポネだった)


アル・カポネ:「(テーブルに肘をつき、指を組みながら)掟(ルール)、か。俺たちの世界じゃ、掟は絶対だ。特に『ファミリー』に対する忠誠は何よりも優先される。掟を破ることは、ファミリー全体を危険に晒すことと同じだ。だから、裏切り者は…容赦しねえ」


あすか:「容赦しない、とは具体的に?」


アル・カポネ:「(冷徹な目で)『始末』するだけだ。見せしめのためにな。他の奴らが『裏切ればこうなる』と思い知るように。密告者(ラット)、敵に寝返った奴、ファミリーの情報を漏らした奴…どんな理由があろうと、言い訳は聞かねえ。ビジネスの世界も同じだろう?会社(カンパニー)の不利益になる社員はクビにする。俺たちの世界じゃ、それが『死』になるだけのことだ。感傷(センチメント)は命取りになる」


国定忠治:「(吐き捨てるように)虫唾が走るぜ…。仲間を『始末』するだと?それがお前の言う『ファミリー』かよ。そんなもんは、ただの恐怖政治じゃねえか!」


アル・カポネ:「(肩をすくめ)恐怖(フィアー)も支配には有効なツールだ、と言ったはずだぜ?アンタらみたいに『意地』だの『人情』だのに拘ってたら、俺のファミリーはとっくに潰されてた。生き残るためには、非情になるしかねえのさ」


豊臣秀吉:「(カポネの言葉に静かに頷き)…異国の親分の言うことも、分からんでもない。わしも天下を治めるにあたり、数々の『法度』を定めたわ。刀狩り、身分統制令、キリスト教の禁止…これらは全て、日ノ本の秩序を守り、天下泰平を築くためのものじゃ。そして、この法度に背く者、わしに弓引く者は、たとえそれが長年仕えた家臣であろうと、あるいは…肉親であろうと、厳しく罰せねばならんかった」


あすか:「秀吉様は、関白となられた甥の秀次様や、茶頭として側近くに仕えた千利休にも、厳しい処置をとられましたね。そこに迷いは…?」


豊臣秀吉:「(目を細め、遠くを見るように)…迷いがなかったと言えば嘘になろう。じゃが、天下人たる者、私情に流されてはならんのじゃ。秀次には謀反の疑いがあった。利休は、わしの意に沿わぬ動きを見せた。組織の頂点に立つ者は、全体の安寧のため、時に非情な決断を下さねばならぬ時がある。わしは、この国の『親』として、その責任を果たしたまでよ」


清水次郎長:「(重々しく口を開き)太閤殿下や異国の親分さんのような、国や大きな組織の話とは比べモンにならねえかもしれねえが…俺たち渡世の世界にも、破っちゃならねえ『掟』ってもんがある。親分への裏切り、一家への迷惑、堅気衆への無法…そういう筋の通らねえことをした奴には、それ相応の『けじめ』をつけさせにゃならん」


あすか:「けじめ、ですか?」


清水次郎長:「ああ。軽いもんなら『破門』、つまり一家からの追放だ。だが、事が重けりゃ…命で償わなきゃならねえこともある。…(目を伏せ)俺も、可愛い子分だった石松が、騙し討ちにあった時には、相手にきっちり落とし前をつけさせた。悲しいことだが、それが渡世の習いだ。だがな、(カポネを見て)俺たちは、カポネさんの言うような『始末』とは違う。あくまでも『けじめ』なんだ。そこには、守るべき『仁義』がある」


アル・カポネ:「仁義(ジンギ)?フン、聞こえはいいが、結果は同じじゃねえか?」


清水次郎長:「違うね!やり方と、心の持ちようが違うんだよ!」


国定忠治:「(腕を組んだまま)掟だの、けじめだの…結局、上に立つ奴が勝手に決めたもんだろうが。俺にゃあ、そんなもんはねえ。ただ、信じてた奴に裏切られた時の…あの、腹の底から煮えくり返るような怒りは忘れねえ。人を裏切るくれえなら、一人でいた方がマシだ」


あすか:「忠治さんは、組織的なルールよりも、個人としての『信義』を重んじる、ということでしょうか」


国定忠治:「ああ、そうだ。仲間だと思った奴を売るような真似だけは、どんな理由があろうと許せねえ。それだけだ。ごちゃごちゃ理屈をこねる奴らは好かねえ」


豊臣秀吉:「(忠治を見て、ふっと笑い)そなたはどこまでも真っ直ぐじゃのう。じゃが、それでは組織は守れん。時には、心を鬼にして決断することも必要なのだ。わしとて、好きで家臣や身内を罰したわけではないわ」


アル・カポネ:「同感だな。トップに立つ者は、ドライでなきゃ務まらん。感情(エモーション)に流されたら、足元をすくわれるだけだ」


清水次郎長:「…非情にならなきゃならねえ時もあるのは分かる。だが、人の心ってもんを忘れちゃ、終いじゃねえのか?」


あすか:「組織の規律を守るための非情な掟と、個人の信義や人情…。リーダーは常にその狭間で、難しい判断を迫られるのかもしれませんね。皆さんの言葉から、その重みがひしひしと伝わってきます。Round4、ありがとうございました」

(SE:議論の区切りを示す、やや重々しいサウンド)

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