ラウンド7:未来への提言~もし現代に生きるなら~
あすか:「質問コーナーでは、皆さんの哲学や人間味に触れることができました。さて、これまでの議論は主に皆さんが生きた『過去』に焦点を当ててきました。しかし、最後のラウンドでは、視点をぐっと『今』、そして『未来』に向けていただきたいと思います。(クロノスに現代の都市風景やネット社会のイメージを映し出す)テーマは『未来への提言~もし現代に生きるなら~』です」
(対談者たちは、映し出される現代の映像に興味深そうに、あるいは怪訝そうに見入っている)
あすか:「もし皆さんが、この情報が瞬時に世界を駆け巡り、AIやロボットが活躍し、一方で格差や分断も深刻化している…そんな2025年の現代に生きていたら、一体どんな『親分』として、あるいはどんな人物として、その力を発揮されるでしょうか?そして、この現代社会や、現代を生きる私たちに、伝えたいメッセージはありますか?」
清水次郎長:「(腕を組み、現代の映像をじっと見つめ)…ふぅむ。随分と世の中は変わっちまったもんだな。建物は高くなり、鉄の馬車みてえなモンが走り回り、人々は小さな板ばかり見てる…。便利かもしれねえが、なんだか、人と人との繋がりが薄くなっちまったような気がするねえ」
あすか:「現代の人間関係について、ですか?」
清水次郎長:「ああ。隣に誰が住んでるかも知らねえ、困ってる奴がいても見て見ぬふり…。そんな世の中じゃあ、ちと寂しすぎるじゃねえか。もし俺が今の世にいたら…そうさな、まずは自分の足元からだな。地元に根を下ろして、昔みてえに、地域の奴らが気軽に集まれるような場所を作るかねえ。若い奴らに『人情』や『助け合い』の大切さを教えながら、一緒に汗を流せるような…まあ、NPOとかいうのか?そういう活動も悪くねえかもしれねえな」
国定忠治:「(次郎長の話に頷きつつも)人情ねえ…。だが、今の世の中も、結局は強い者が弱い者を虐げる構図は変わってねえんじゃねえか?格差だの分断だの、小難しい言葉で言ってるが、要は金持ちや権力者がますますデカい顔をして、貧乏人はいつまで経っても浮かばれねえ。そういうことだろう?」
あすか:「忠治さんなら、現代でどうされますか?」
国定忠治:「俺か?俺はやっぱり、気に食わねえモンには逆らい続けるだろうな。昔みてえに刀は持てねえかもしれねえが、ペンは剣より強し、とも言うんだろ?インターネット?ってやつか、そういうモンを使って、権力者の不正を暴いたり、虐げられてる奴らの声を代弁したりするかもしれねえ。顔も名前も出さずに、自由にやれるなら、それも面白そうだ。まあ、すぐに目をつけられて、また追われる身になるかもしれねえがな!」
アル・カポネ:「(目を輝かせ)インターネット、AI、グローバルビジネス…フン、面白そうな時代じゃねえか!俺のビジネススキルは、この時代ならもっと活かせるかもしれんな。世界中の情報を瞬時に入手し、世界中の人間と取引できる。法律?コンプライアンス?ハッ、そんなもんは、いつの時代も抜け道があるもんさ。俺なら、最先端のテクノロジーを使って、新しい『ビジネス』を始めるだろうな。それこそ、誰も考えつかなかったようなやり方で、莫大な富を築いてやるぜ。まあ、少しばかり『グレー』な手法になるかもしれねえがな」
豊臣秀吉:「(カポネの話に興味を示しつつ)ほう、そなたは相変わらずじゃのう!じゃが、その才覚は認めねばなるまい。わしがもし今の世におれば…そうじゃな、やはり『天下』を目指すかのう!」
あすか:「現代で、天下を?」
豊臣秀吉:「うむ!国という枠組みも、昔とは違うようじゃが、人の心を掴み、組織を動かし、大きな目標を達成するという本質は変わるまい。わしならば、まず巨大な企業を興すかのう?あるいは、政界に進出し、この日ノ本、いや、世界の『リーダー』を目指すやもしれん。この『人たらし』の術と、戦国の世で培った知略があれば、現代の政治家や経営者どもに負ける気はせんわ!まずは、世界中の情報を集め、人材を見出し、大きなビジョンを掲げて人々を熱狂させる。うん、やりがいはありそうじゃ!」
清水次郎長:「(苦笑し)太閤殿下は、どこまでもスケールがでかいねえ」
アル・カポネ:「だが、今の時代は昔よりもっと複雑だぜ?世界をまとめるなんざ、夢物語じゃねえか?」
豊臣秀吉:「夢があるからこそ、人はついてくるのじゃ!そなたとて、大きな夢を見ておったのではないか?」
あすか:「では最後に、皆さんから、現代を生きる私たち、特にこれからの時代を担うリーダーたちへ、メッセージをいただけますでしょうか」
清水次郎長:「そうさな…どんなに時代が変わっても、『人としての基本』を忘れちゃならねえ。人を敬い、約束を守り、困っている人を助ける。そういう当たり前のことを、きちんとできる人間になれ。それが、結局は一番強いんだ」
国定忠治:「周りの目なんざ気にするな!自分の信じる道を、自分の足で歩け!長いものに巻かれず、自分の『意地』を貫き通せ!一度きりの人生だ、好きに生きろ!」
アル・カポネ:「綺麗事は言うな。欲しいものがあるなら、自分の力で掴み取れ。リスクを恐れるな。ただし、ファミリー(仲間)は大切にしろ。そして、決して油断するな。それが、このクソったれな世の中で成功する秘訣だ」
豊臣秀吉:「夢を持て!そして、その夢を実現するために、知恵を絞り、努力を惜しむな!人の心を掴むことを忘れず、常に学び続けよ!さすれば、道は必ず開ける!天下は、待っておるぞ!」
あすか:「(深く頷き)次郎長さん、忠治さん、カポネさん、秀吉様…。それぞれの経験に裏打ちされた、力強く、そして示唆に富むメッセージ、ありがとうございました。過去からの貴重な提言として、私たちの心に刻みたいと思います。Round7、そして全ての討論ラウンドは、これにて終了です」
(SE:厳かでありながらも、未来への希望を感じさせるようなサウンド)