表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

1/13

オープニング

(宇宙空間のような、歴史の断片が流れるような抽象的な映像が展開する。やがて、光が集まり、スタジオの全景が映し出される。中央に司会者席、それを囲むように重厚なコの字型のテーブルが配置されている。背景には金色に輝く「ワールド・ボス・サミット」のロゴ。まだ誰もいないスタジオに、ゆっくりとカメラがパンする)

(ふわり、と桜の花びらが舞うようなエフェクトと共に、スタジオ中央の司会者席に、可憐な和装姿のあすかが現れる。手には不思議な輝きを放つタブレットを持っている。)


あすか:「(優しく、しかし凛とした声で)悠久の時の流れの中には、星の数ほどの物語が眠っています。喜び、悲しみ、そして…時代を動かした『力』の物語が。皆さん、こんばんは。『物語の声を聞く案内人』あすかです」


(あすか、にっこりと微笑み、手にしたタブレット「クロノス」に視線を落とす)


あすか:「今宵、この特別な場所に、時空を超えて集結したのは…それぞれの時代で『親分』と呼ばれ、数多の人間を率い、歴史にその名を刻みつけた4人のカリスマたち。彼らが築き上げた『組織』、貫き通した『流儀』、そしてその『魂』。今、ここで、世紀の対談が幕を開けます!」


あすか:「さあ、今宵のお客様を、お一人ずつお呼びいたしましょう。(クロノスを操作すると、スタジオの空間に映像が投影される)」


(映像:荒波が砕ける港、威勢のいい男たちが次郎長を囲む様子、祭りの風景、富士山の麓を開墾する姿などが映し出される)


あすか:「まずはこの方。幕末から明治の動乱期、海道一の大親分と謳われた侠客。義理と人情に生きた、清水港の顔役!清水次郎長さんです!」


(スタジオの一角に光が集まり、貫禄のある和装姿の次郎長が現れる。鋭い眼光だが、どこか余裕のある表情で周囲を見渡す)


清水次郎長:「(どっかと席に着き、腕を組んで)おう、呼ばれてみりゃあ、なんだか賑やかな場所じゃねえか。東海の清水次郎長だ。まあ、なんだ、他の時代の親分衆もいるって話だが…(ちらりと他の席を見やり)どんな猛者が揃ってるのか、楽しみにしてるぜ」


あすか:「次郎長さん、ありがとうございます。では、お次は…」


(映像:赤城山の険しい山肌、天保の飢饉に苦しむ人々、役人と対峙する鋭い眼光、関所を破る姿、そして磔台…)


あすか:「江戸後期、上州の空っ風にも負けぬ反骨精神で、弱き者のために立ち上がったとも言われる無宿の頭。その意地と生き様は、今も語り継がれています。国定忠治さん!」


(次郎長の隣の席に、着流し姿の忠治がやや仏頂面で現れる。鋭い視線は変わらないが、少し斜に構えた様子)


国定忠治:「(舌打ちしそうな顔で席に着き)へっ、大層な紹介だな、嬢ちゃん。国定忠治たぁ俺のことよ。堅っ苦しいのは性に合わねぇが…(他の席を睨むように見て)なんだか、でけえ面した奴らもいるようだな。気に食わねぇことには黙っていられねぇたちなんでな、そこんとこ、よろしく頼むぜ」


あすか:「(苦笑しつつ)忠治さん、その意気です。さて、海を渡り、時代も変わります。」


(映像:禁酒法時代の活気あふれる(そして危険な)シカゴの街並み、密造酒の樽、派手なパーティー、マシンガンを構える男たち、そして葉巻をくわえ不敵に笑うカポネの姿)


あすか:「1920年代、禁酒法下のアメリカ・シカゴに巨大な犯罪帝国を築き上げ、暗黒街の『顔役スカーフェイス』として恐れられた男。良くも悪くも、アメリカン・ドリームの一つの形かもしれません。アル・カポネさん!」


(向かいの席に、ピンストライプのスーツに身を包み、ソフト帽を目深にかぶったカポネが、堂々と現れる。葉巻をふかしながら、値踏みするように他の対談者を見る)


アル・カポネ:「(英語訛りの日本語で、自信たっぷりに)フン、紹介ご苦労さん、レディ。アル・カポネだ。シカゴでは俺を知らなきゃモグリだぜ。(次郎長と忠治を見て)日本の『ボス』か…なかなかタフそうな面構えじゃねえか。(隣の空席を見て)ほう? 最後の一人は、どんなビッグな奴なんだ?」


あすか:「(微笑み)最後の方は、この日本において、まさに『ビッグ』な方です。」


(映像:墨俣の一夜城、金ヶ崎の退き口、燃え盛る本能寺、中国大返し、小田原城を背にした威風堂々たる姿、黄金の茶室、そして満面の笑みで人々に応える姿)


あすか:「戦国の世を駆け上がり、一介の足軽から天下人にまで上り詰めた、類まれなる『人たらし』。その才覚と行動力で日本を統一した、日輪の子!太閤・豊臣秀吉様です!」


(カポネの隣の席に、豪華絢爛な羽織をまとった小柄ながらも威厳のある秀吉が現れる。猿のような愛嬌のある顔だが、その眼光は鋭く天下人としての風格を漂わせている)


豊臣秀吉:「(カカカ!と独特の笑い声を上げながら)おお!わしが呼ばれたか!いやはや、異国の親分もおるとは、実に面白い趣向じゃわい!(カポネを見て)そなたが、かの『ある・かぽね』か。なかなか良い服を着ておるのう。(次郎長と忠治を見て)ふむ、侠客と言うたか?面白い面々じゃ!わしが天下を取った話、とっくりと聞かせてやろうぞ!」


あすか:「(一同を見渡し)清水次郎長さん、国定忠治さん、アル・カポネさん、そして豊臣秀吉様。まさに時空を超えた『親分』たちが、今宵、このスタジオに集結しました!」


(あすか、再びクロノスを操作し、スタジオ中央に「親分肌」という文字を浮かび上がらせる)


あすか:「今宵のテーマは『親分肌』。人を惹きつけ、組織を束ね、時代を動かしたその力の源泉。それぞれの『流儀』とは何だったのか?この異種格闘対談とも言えるサミットで、その本質に迫りたいと思います。皆さん、どうぞ、存分に語り合ってください!」


(SE:ゴングの音、あるいは議論の開始を告げるような重厚なサウンド)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 気づけばなんかまた凄いのが始まってますけど、今度は『親分』がテーマですか。  だったら中国から『宋江』や『単雄信』……いや『秦瓊』なんかの途中参加なんていかがでしょうか?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ