第50話 姉
さて、我が姉と一緒に学園の地下にやってきた。
「なぜ、ミニブラザーと姉の領域にメイドであるお前が来ている?」
「アルザ様、申し訳ありません。しかし、私はゼロ様のメイドなのです」
「ふん」
ビッグシスターは家族以外に結構厳しい。基本はそこまで厳しくはないのだが、家族の領域に他の者が入ってくるとあまり良い顔はしないのだ。
「しかし、学園にこんな場所があるとはな。妙な話だ」
「だね」
「ミニブラザーの本。作者はミッシェルと言ったか。確か、神話なども書いていたな。少し調べてみる価値があるかもしれん」
地下施設には沢山の化け物とか、機械ロボット的なのがいるけど全部ビッグシスターが切り裂いていく。
なるほどね。パパンには及ばないけど、リトルシスターよりは遥かに強い。
さすがは学園生徒会長でもあるな。パパンが我が家では1番才能だと言ってたのは覚えている。
まぁ、1番の才能と言いながらなんとも言えない顔でこっちを見て居たのも覚えている。きっと俺が怠惰で才能ないふりをしているから、呆れてたんだろう。
ごめん、でも厨二病はもう卒業してるし。これからはちゃんとスローライフに向けて頑張っていくからさ
「ミニブラザー、最近学園はどうだ? 何かあればお姉ちゃんが全部なんとかしてやろう。具体的にはお前のことを悪く言っている生徒は退学にする」
「生徒会長ってそんなにできるんだ」
「お前のためなら独裁者にもなろうじゃないか」
うむ、こんな良い姉は他にいないだろう。
「ゼロ様、この人やばいですよ。もうちょっと兄弟の適切な距離が大事なのでは?」
「黙れメイド、殺すぞ」
「いやいやいや!!! こわいこわいこわい!! ゼロ様、この人すごくこわいです!!!」
「おい、ワタシの弟にひっつくな! 胸を押し当てるな! 切るぞ!」
「ひぃぃぃいぃ!!」
これは楽しい冒険だ!!! なーんて言っている場合でもないだろう。姉は怒らせると面倒なのは知っている、適当に止めておこう。
「我が姉をそこまでに。レイナも引っ付くな」
「ゼロ様。メイドとは常に主人とイチャコラすると相場で決まっております」
「そんな相場はワタシが壊す。しかし、この迷宮は妙に広いな」
まぁ、俺もそう思っていた。道中でお宝は沢山拾ったけど、なんだかまだまだあるって感じだな。
「この迷宮……気付かぬうちに別の場所に転移している可能性はないか?」
「あるね」
ビッグシスターは気づいたようだ。俺もそう思ってたけど、学園の地下がここまで広いわけがない。きっと、どっかのタイミングで別の場所に転移したんだろう。ここはどこかしらの迷宮なんだろうな。
「ミニブラザー、少し戻ろう。今回はここまでだ」
「はーい」
お金も手に入ったし、今日はこれくらいにしておこう。迷宮から出て学園に戻った、
すると
「──見つけたぞ!!! 罪人、レイナだ!!!」
「大人しくしろ!!」
騎士団の騎士がレイナ向かって飛び込んできた。いきなりことでレイナはびっくりした表情で俺の後ろに隠れる。
「いかがした。騎士の方々」
「これはこれは、アルザ・ラグラー様。実はそちらのメイドに用事がありまして」
「ふむ」
「この手配書を見てください。罪人……《《ネガルカ》》という名前で最近、テロ行為を行なっている女性と瓜二つなのです!!」
そう言って騎士団は手配書を見せてきた。そこには女性の顔が描かれている。確かにレイナにそっくりだ。
「確かにそっくりだな。よし、連れて行ってください」
「ちょっと!? アルザ様!? 私は何もしていません!!!」
「よし、連れて行ってください。ようやく弟のメイドを処分できる」
「こら!!! ゼロ様助けてください!!」
まぁ、レイナは俺のメイド。対応面倒だし、勝手にベッド入ってきたり、勝手に服の匂い嗅いでいたり、変な奴だが。
居ないと居ないで困る。革命団関連はレイナに丸投げしているからな
「一応ですが、彼女は俺のメイドでして。最近ずっと一緒にいたから潔白は証明できます」
「おお! ゼロ様!」
「そうか。君は確かゼロ・ラグラー君だね。なるほど、しかし、少し事情聴取をさせて欲しい。君も同行をしてくれないだろうか」
「いいですよ」
仕方ない。俺も一緒に行くとするか。姉は来なくても良いだろう。まぁ、姉の権力があるし、パパンのことも知っているだろうから変なことはしてこないだろう。
手柄欲しさに強要的な取り調べをする騎士がいるとも聞いたことがあるしな。
「じゃ、行くか。ビッグシスター、ここまでありがとう」
「……はぁ。お前がが決めたなら何も言わん。ワタシの権力や名前はいくらでも使って構わんぞ」
ふふ、姉のこういうところは正直好きだ。最悪、姉に寄生するのも悪くないような……いや、やはり1人でスローライフとかの方が気楽だろう。
だがしかし、今回のお宝でちょっとプレゼントはしてあげるか。




