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全てはあのお方の思し召すままに……と言いまくってたら引くに引けなくなった  作者: 流石ユユシタ


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第48話 オーズドルル編 完

 さて、色々と騒がしくなるかもしれない王都オーズドルル。昨日暗躍して朝になると住民が全員寝ていた。



「ゼロ様、神の力の行使がされてます」

「へぇ」

「これは欲望神オーズドル。欲望の力で彼等を夢の中に閉じ込めているのでしょう。夢の中はなんでも自分の思い通りに行く世界。出たいと思わない限り出れない仕組みですね」




 レイナが何か言ってるけども、どうなんだろうか。神かどうかは知らんけど、確かに住民が寝てるのは間違いないし。



「先ほど、アルカナ幹部の【ロッテ】、【キルス】、【ジーン】、【チャイカ】、他の団員とお会いしました。全員、ここで起こる対戦に備えてるそうです」

「ふむふむ」

「今回、オーズドルルの王都内は彼らに任せて、私達はさっさと他の悪徳貴族を締め上げましょう!! あと過激派も! 過激派の居場所は掴みました!」

「おお! 早いな!」



 

 過激派とか潰して、悪徳貴族も倒しておけばここに用はない。さっさと手短に済ませよう。





◾️◾️






「奴らだ、アルカディア革命団が王都に現れた」




 神源教団、過激派【ヒュース】がそう呟く。彼が率いる信徒は約50名。王都オーズドルルより少し離れた場所にある地下施設。



 教会のように整備されてる施設、オーズドルの席族が石像が配置されており、光がない場所なのに天井からは光が降り注いでいる。




「どうしますか、ヒュース」

「ネロ、お前ならどうする」



【ネロ】と言われた女性の信徒。彼女は銃を持っており、不敵な笑みを浮かべている。



「ふふ、流石にオーズドル様の力を宿した悪魔を放っていますからね。特に何かをする必要は……」

「そうだな。奴らは大きくなりすぎた。神の力の絶対性が揺らげば融資する存在も消えてしまう。研究が遅れてしまうからな」

「ふふ、彼等もこの娘のように敗れる」




 【ネロ】と言う女性の足元には【タルミラ】が気絶をしていた。革命軍であった彼女は過激派の場所を掴んだのは良いがそこで敗れてしまった。




「革命軍か。かつては別の名前だったらしいが……」

「私と貴方はその時は別の場所で働いてたものねぇ」

「ヘルボルト……とやらは詳しくは知らんが、この小娘を置いておけば来るだろう」

「ふふふ、これでヘルボルトを捕らえれば私達は……」

「神の信徒として、また格を上げる。神の役に立てるのであれば……来たか」





 二人がそこで話を止めた。祈りを捧げていた他の信徒達も施設の入り口に目を向ける。




「──今日の晩餐会はここでいいか?」

「来たか、ヘルボルト」

「ヒュース、油断しないで」

「分かっている」





 ヘルボルトだ、全身鎧姿の男が彼等の前に現れる。軽快な声音と余裕ある構え、脱力感がある強者の貫禄を感じさせる。



「なるほど、強いな」

「他の信徒じゃ、相手にならないわね」




【ヒュース】と【ネロ】はそう判断する。他の信徒はヘルボルトに襲いかかるが、予想通り、ヘルボルトの体術に蹂躙される。



一つの拳で一人の人間を攻撃する。ヘルボルトの動きは非常にシンプルだった。



「シンプルなやつだ、本当に単純な体術を使っている」

「そうね」

「だが、恐ろしく洗礼されている。あんな虚像達では相手にならんな」




 単純な殴る行為を僅か50回ほど繰り返したら、信徒は全て地に伏せた。そのタイミングで『タルミラ』が目を覚ます。



「……ヘル、ボルト!! ヘルボルト!! あ、会いたかった!!」

「【ネロ】行け」

「はぁい」




 ダン、と壁を蹴る【ネロ】。彼女は銃を持っており、それを抜き銃口を向ける。この銃は特殊な加工がされており、魔法を弾丸としてこめることができる。


 単純に威力向上、魔法を加速させることができる。常人であれば一瞬で消し去ることができる。



──だが、そんなのは意味をなさない





「は? 弾丸避けるってなに?」

「軽いぜ。銃口向けたらダメだろ」

「とんでもない……死ね死ね!!」

「さっさと消えな。お前じゃ力不足だぞ? 嬢ちゃん」




 銃を取り上げ、手刀一発にて【ネロ】を気絶させた。



「ふむ、やるな。なら次は俺が行くか」



【ヒュース】は単純な剣使い。しかし、その実力はオーズドルルの中でも指折りの実力者でもある。


その二人が激突する瞬間、








「少し、待ってもらえますかな」






アルカナ幹部【星】ジーンがその場に参戦した。老人だが神速の剣戟を持ち合わせる。ゼロを除けば世界で二番目の剣士だ。





「……アルカナ幹部、老剣士か」

「ほほほ、私を知っていただけるとは」

「ヘルボルト、老剣士、三つ巴か。いや待て、国に放った悪魔様はどうした?」

「ほほほ、既に我々が切り刻んでおきましたとも」

「貴様!! 眷属様を!!!!」




 激昂し、ジーンに激突しに行く。しかし、キンと鞘に剣を収める音が響いた。その瞬間、ヒュースは切られて地に沈んだ。




「あ、が、な、なに? なんて言う速さ……う、美しい」

「ふむ、悪くない剣捌きでありましたが……さて」




 そう言ってヘルボルトの方をジーンは向いた。ヘルボルトは仮面をかぶっておりその真意は読み取れない。


 しかし、【星】のジーンは言葉に表すことができない違和感を感じていた。





(……強い、しかも相当の猛者。これほどの圧力は団長殿に匹敵する……しかし、ここまでの実力者が存在するのかッ?)




(空の先にある宇宙より飛来した、星の覇者。宇宙人……あながち間違いではないのかもしれませんな……)





 ヘルボルトは倒れている少女を拾い上げ、背負っていた。ジーンほどの剣士を目の前にしても何食わぬ顔をしている。




「ほほ、これほどまでに侮られるとは……」

「悪いな。今日は帰らせてもらうぜ」

「ヘルボルト! おんぶ嬉しい!!」




 タルミラは語弊力を失っており、ニコニコ笑顔でおんぶされている。しかし、そんなのはどうでもいいくらいジーンは緊張をしていた。





「少し待ってもらえますかな……ここで貴方のような危険分子を野放しには出来ませんので」

「悪いが帰るぜ?」

「──ッ!!!」




 神速の抜刀、先程のヒュースに対してのとは比べ物にならないほどの剣撃であったが……




気づくと、ヘルボルトはジーンの背後に居た




「じゃあな。凄腕の剣士」

「……くっ!!」





 そのまま、彼は風のように消えた。残されたのはジーンのみ。






◾️◾️






 いやー、なんとか躱したぜ!! 過激派の拠点は他にもあったけど、全部潰しておいた。



 悪徳貴族とかもこれから解体されるんじゃないか? 一応、犯罪証拠とか押さえて、王国に置いておいた。これでどうにもならんなら、あの国は終わりだよ。





「ヘルボルト!! 久しぶり!! 嬉しい!!」




 この子、こんなキャラだったけ? もっと根暗なイメージだったんだけど。




「兜、の下、めっちゃイケメンでタイプ……か、かっこいい」

「あ、そうかい」




 なんか、どうしても顔が見たいってずっと言うから根負けして見せてしまった。



 さて、この子どうしようか。




「一緒に、居たい。もうこの国はきっと大丈夫だから」

「……あぁ、じゃ、メイドにでもなる?」

「え? いいの?」

「あ、うん。俺の家、金持ちだし。働くなら」

「やった!」




 この子放っておくと死ぬとか言いそうだしな。しょうがないな。基本家で掃除とかパパンとかママンの手伝いやらせておけば良いしな。



「ゼロ様、メイドを雇うとか……この私が居ると言うのに」

「お前はメイド長就任だ、よかったな」

「おお!! メイド長!! 嬉しいですね!!」




 単純なメイドで助かる。




「でも、美少女を家に呼ぶなんて破廉恥です! 下半身が反応してそんな女の子に優しくしてるんですか!」

「下品だろ! お前、変な言い方するな!!」





 これがメイド長で大丈夫だろうか?




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