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美少女天使の話  作者: 美女天使の話
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一枚の壁紙から生まれた、妄想の物語

「瑠良!私瑠良と同じ大学合格したよ!」

「マジか!めっちゃすごいやん!あそこ結構高い大学なんに!」

「私すごくない!?これで瑠良と学校でもイチャイチャできるっ!やったぁぁ!」

「ちょやめろってぇ!」


これは僕が初めて彼女とであってから今に至るまでのまるで幻想のような話である。僕は夜更かしをするのが好きだ。だからよく三時四時くらいまで普通に夜更かしをする。一人暮らしである+彼女もいない+単純に寂しいと言う理由でつい毎日夜更かしをしてしまう。そんなある日の夜、珍しく満月であり、しかもスーパームーンの日であった。東京都内ではあれどそこまで高くない普通のマンションに住んでいた僕は、ベランダからその満月が見えるかどうかをここぞとバリに見渡し、それを発見して見惚れては「今年も彼女なしかぁ。はぁ…。」とため息をついていた。ベランダから家に戻り、いつも通り自分の部屋の椅子に座って宿題なりなんなりをこなす。今日は満月なのもあり夜の割に明るかったため、たまにはと思いあえて電気をつけなかった。窓から入る満月の薄暗い中の静かな光と涼しい風で勉強をしていて心地が良かった。ある程度勉強をして、休憩しようと思いベランダに行こうとするとベランダの入り口の奥に何やら白い羽根のようなものがある。というか、そもそも羽根なのかもわからない。でも明らかに言えることは、この世のものではないと言うこと。ここまでも綺麗に、そしてふわっとした優しげなものはないからである。僕はその羽根のようなものに向かってこう言った。「あの…だれですか?」すると、羽が引っ込んで、顔がチラリと見えてこちらを見つめている。

クリっとした目に綺麗な鼻筋、少し童顔に見えるがどこか大人のような表情、そしてまつ毛が長くなんと言っても顔や髪が全て白い。僕はそれを見た瞬間に女性だと気づき、同時に多分年齢的には高校生くらいだろうと察した。僕はその綺麗な女性に遠くから声をかけた。

「涼しいとはいえ外にずっといると寒いと思うので、中に入ってもいいですよ。」するとその女性は恐る恐るベランダから中にはいってきた。そこで彼女の全身が見えた。レースをあしらった少し長めの白一色のドレスから両肩と両腕をのぞかせ、太ももから下も何も履いていない状態だった。やはり全身が白色で、大きな羽が二つ、おそらく肩甲骨あたりから生えていた。髪は肩ほどまで伸びており、それもまた白一色、すらっとしているがほんのり曲線を描いた体。「綺麗…。」僕はあまりの整った見た目に思わず感想が口に出てしまった。とりあえず彼女をどうにかしなければ。そう言う思いで僕はゆっくり彼女に近づいていき「とりあえず座りましょう。話はそれからです。」そう言って彼女をリビングのソファーの上に座らせた。彼女の細い指と腕に見惚れそうになるが、話を続ける。「どうしてここにいるんですか?」僕がそう言うと彼女はこちらを向き小さく首を振った。どうやら彼女自身もどうしてここにきてしまったのかわからないらしい。

「もしかして、どこに行ったらいいのかわからないからしょうがなくここにきたと言う感じですか?」そう僕が言うといかにも言いたかった奴!と言わんばかりに小刻みに縦に首を振った。言語が伝わるのすごいが喋れないのか?そう思うと、彼女がリビングの机にあったノートとペンを持って書き始める。ごめんなさい。私男性と話すのあんまり慣れてなくて…。やっぱり日本人なのか?そう思っていると彼女は筆記を続ける。しばらく慣れるまでここに書くでいいですか?


「いいですよ。慣れてきたらで大丈夫です。」僕がそう言うとありがとうございます。と言う言葉と共に長々と連ねた文章を描いてきた。字、めっちゃ綺麗…。私は人間界で言うところのいわゆる天使です。年齢は17、高校2年生です。私はついさっきまで雲の上で休んでいましたが、気づいたら地上のこの家のベランダにいました。なのでとりあえず私はここに誰がいるかを見たくて少し顔を覗かせていました。そうだったのか。やっぱり、天使か。といっても天使なんてもんがこの世にいるんだなぁ。そう思っていると彼女の口から小さくそして可愛い声で「こん…ばん…はっ。」と言った。声の綺麗さに一瞬心をなくしたが「こんばんは。話せるようになったんだね。」と言った。「男性だから怖かったけど、優しい人だったからすごく安心しました。ありがとうございます。」そう言って彼女はソファーから立つとお辞儀をした。なんて礼儀正しい子なんだ。こんな可愛くて礼儀正しい高校生がいるのか?

「よければしばらく泊まります?僕一人暮らしなので。」

「良いんですか!?私まだ天国への戻り方を知らないので…しばらくそうさせてください。」

「大丈夫ですよ。それよりお腹空いてないです?冷蔵庫に食べ物ならあるけど…。」「お腹は空いてないです。でも体を洗いたいので、お風呂を貸していただけませんか?」彼女は風呂場まで行くとありがとうございます。の一言と共に扉を閉めた。扉の奥で彼女が服を脱ぐ音がうっすら聞こえた。そして風呂場の扉を閉めたであろう音がして、その直後にシャワーの音がした。使い方わかるのすごいな。もしかして人間界とそんなに設備は変わらないのか?と思いながらソファーで寝転んでいると彼女が「あのっ…!」と言ったので急いで扉を開け風呂場まで行くと、後ろ向きで彼女が僕のいつも使う風呂の椅子に座っていてそのままこう言った。「私の羽…洗ってくれませんか...?」僕は分かったと言う返事と共に彼女の羽を触る。感触は見た目通りのふわっとした感じでいかにももう少しでも強く扱ったら取れてしまいそうな柔らかさだった。「洗うのはシャンプーとリンスで大丈夫です。」彼女がそう言うので、僕はシャンプーとリンスで綺麗に洗った。リンスを流した後の羽はそれこそ濡れてはいたものの、すごくサラッとした感じだった。「ありがとうございます。毎回羽は友達に洗ってもらっているのでできなくて…助かりました。」後ろを見ながらもとても美しい体をした彼女に思わず

「綺麗です。天使さん。」と言ってしまった。すると彼女は

「そういえば私の名前を言ってませんでしたね。私はカルラって言います。」「カルラさん。いい名前ですね。カルラさんのビジュアルにぴったりです。」「そうですか?私あまり気にしたことありませんでしたよ?」「それよりもうお風呂から上がりましょう。風邪ひいちゃいますよ。」そう言って僕はバスタオルを差し出した。彼女はそれで一通り体を拭いた後、また「羽、拭いてもらえませんか?」と言ってきたので、さっきと同じような用量で羽を拭いた。少し湿っていた羽は拭くと共に一瞬でふわふわになった。シャンプーとリンスを今回だけイキったのが逆に功を奏した。「すごいふわふわ…ありがとうございます!こんなにふわふわになったの初めてかも…。」彼女はとても嬉しそうにしていた。ころっとした笑顔がなんとも可愛らしい。気づいたらここにいた。というのもあり、服と衣服がいまのこの服しかないため、代わりに自分の服と下着をわたすとそのままきてくれた。まぁ後ろの羽を守るためにも一枚後ろに穴を開けるという細工を施した上ではあるが…。でも彼女が自分よりも少し小さかったのもあり、彼シャツ感がすごい出てるのがなんとも誇らしかった。いかにも自分の彼女感が出てるのが最高だった。

時計を見るともう二時だったので

「とりあえずもう遅いから寝ようか。」そう言って僕は彼女が入浴中に出しておいた布団に招いた。すると彼女は

「もし、よければ…、一緒に寝て、もらえません、か?」「え?」

驚きの発言に思わず顔を真っ赤にさせてしまったが無理もない。だってこんな美女と出会って早々一夜を過ごすことを彼女側から提案しているからである。

「な、なんで?」

僕は驚きを隠せずすぐに理由を聞いた。すると

「私たち女性天使は女性天使同士で群がって過ごすことが多いです。大体少なくて2、3人、多くて10人ほどと一緒にいます。逆に男性天使は個々で過ごすことが多く、一人暮らししている人も少なくないです。だから私は1人で寝るということをしたことがなくて正直…怖いです…。」

「そうなんですね…。」

理由が割と明確なため少し寂しいところはあったが、美女と一夜を共にすることは変わりない。赤くなる顔を必死に抑えながら僕は彼女を僕の部屋に招いた。


僕の部屋はいかにも1人しか寝られないであろうベッドに反対側には木でできた机、そしてそこには赤本と参考書が並んでいる。また、MacBook と自分で作ったデスクトップのWindowsもあり、MacBookのほうはよく使うためスリープにしている。「お部屋、すごく整っていますね。」「そうですか?」「私の友達なんか散らかってばっかですよw。」そう言うと彼女僕のベッドにうつ伏せになるように飛び込む。「雲には劣りますがふかふかですねぇ。」そう言うと彼女は羽を縮ませた状態でゴロゴロした。僕は当然それどころではなく、ただただこの夢のような状況に唖然とし、幸福感に包まれていた。かわいすぎる。そう思って飛んだ意識を戻すと目の前にほっぺを膨らませた彼女の顔があり「寝ましょうよ。私も少し眠いしあなたが言ってきたんでしょ?あ、あとお名前はなんでいうんですか?私は話したのにあなたが話してないのは不公平です。」

「あ、えっと、ぼ、僕は瑠良!戸越瑠良です。そして、寝ましょう、か。」

「というか、なんか少し白みが増してるような?…?」

「メイク落としたんです。瑠良さんが全然気づかないから。」

「あ、あぁ…。」

彼女の上目遣いやほんのり香る甘い香りに自分がとろけてしまっていた。改めて女経験がないことの儚さをもろに知った。

そして僕と彼女は僕のベットに寝転がり布団を被る。するとすぐに彼女は僕の体に手を回してきた。

「ど、どうしました?」

「私は毎回友達のリンカとこうして寝てるので。人とハグしてないと落ち着いて眠れないんです。」

そういうと彼女はそのまま僕の背中に手を伸ばし僕をぎゅっと抱きしめた。

「女子とは違って男性は体が大きいから抱き心地がありますね。」

「さっき言ってたリンカさんってどんな方ですか?」

「結構しっかりした子ですよ。私を守ってくれるような強気な子です。ボブヘアがすごく顔とマッチしてて可愛いですよ。」

「そうなんですね。一度会ってみたいなぁ。」

「あ、そうだ。明日から敬語外しましょ。いつまでも敬語だと寂しいので。」

「わ、わかりました!」

そういうと彼女はすぐに寝てしまった。

体全身で感じる彼女の腕の細さ、僕の胸に触れる彼女の体はとても柔らかく、ふっくらした胸がぎゅっと自分の胸に当たっている。

寝ている彼女からはさっきと同じうっすら甘い匂いが漂い、自分の顔の目の前に彼女の美しい綺麗な寝顔が見えている。メイク落としてもこれだけ可愛いってよくよく考えれば最強すぎないか?

彼女の髪はどんな感じなんだろうという興味に駆られ、彼女の白い髪を触る。さっき彼女が言っていたようにとてもふわふわで、サラサラだった。彼女の髪質自体も良く、撫でていてとても心地が良かった。

すると突如小さく彼女が寝言を吐いた。

「る…ら……す…きっ…。」

こんな可愛い天使が僕のことを好きと言ってくれている。そんなことがあるのか?いや、ない。絶対ない。あるわけがない。でもそんな寝言を吐いた彼女に対して思う感情は一つ。

幸せだなぁ、こんなことになると思わなかったなぁ。


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