表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Fake and imperfect us.  作者: 神代 夏望
1/1

身を滅ぼす○※△✕〜……。

 もう……これで何度目の○※△×〜だろう……。

 良く晴れたある日。苔や蔦等で装飾された廃墟神殿の前に、1人の少年の姿があった。彼の名は、G-1025。美しい響きの物に、日々憧れを懐いている。そして、彼の手には95式のアサルトライフル、背には同種のM4A1。腰にはリボルバー式の拳銃がホルスターに収められていた。

 耳元に装着された通信機と思われる物からは、なんの音も聞こえない。もう何年もの間、ずっと沈黙を貫いたままである。

 それでも、彼の真一文字に結ばれた口からは何も発するものは無い。言葉は愚か、息すらも出ていない。それが、彼が人間では無い何よりの証拠だった。

 彼は躊躇うこと無く、廃墟神殿へと足を踏み入れた。廃れたその場所は、石などの瓦礫が沢山散らばっていた。しかし、かつて神殿と呼ばれたその場所は、作りは重厚で、ある程度古ぼけても荘厳さを保ち続けている。それは、間違いなく”美しい”だった。

 それでも、彼の鼓動が速くなる事も、頬を紅潮させることもなかった。この神殿と同じで、彼の心は長年に及ぶ戦いのせいで、すっかり冷えきっていた。

 「僕と同じだ。」

 徐ろに少年が呟く。ほぼ何も無い空間に、ただただ、少年の声が響き渡った……。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ