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【コミカライズ1巻 3月27日発売】【Web版】奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた  作者: tani
第二章 最難関!? 神々の塔攻略編

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第15階層 フロアボス

 朝早くということで冒険者ギルドには多くの人が集まっています。

 パーティーの募集をしていたり、ダンジョンの攻略に向けて作戦会議をしている冒険者がほとんどですね。

 そんな冒険者ギルドのなかを歩いていくとエルトリアさんたちを見つけました。

 

 エルトリアさんは冒険者ギルドの休憩スペースにある椅子に座ってティーカップに口をつけて何かを飲んでいました。

 おそらくあれはロザリーさんが用意した紅茶ですね。空になったティーカップにロザリーさんはおかわりの紅茶を注いでいます。


 それにしてもあそこだけ場の雰囲気が違いますね。

 周りの冒険者も遠巻きに二人を見ているのがわかります。

 ひそひそと冒険者の話が聞こえてきましたが、話しかけようにもどうやら声をかける勇気がないそうです。

 パーティーの勧誘も目的でしょうがエルトリアさんやロザリーさんは綺麗ですからね、男性なんかは遊びの勧誘をするつもりだったかもしれません。


 まあ、エルトリアさんがそのような誘いに乗るわけありませんけどね。

 

 私は周りの視線を意識しつつもエルトリアさんたちのもとへ向かいます。

 ここでもまたひそひそ話が聞こえましたが、私とエルトリアさんたちは知り合いなので特に気にすることもないです。


「おはようございます」

「むっ、時間ぴったりじゃな。妾はタルトが目覚めずに少しだけ集合に遅れると思っておったぞ」

「タルトはちゃんと時間前に起きましたよ」

「そうか。それは偉いのう」


 エルトリアさんは褒めながらタルトの頭を撫でます。

 その様子を見ていたロザリーさんもタルトに触りたそうにしていましたが、触るのを我慢していました。

 タルトも喜びますし触っても何も問題はないんですけどね。エルトリアさんが触っているから遠慮しているのでしょうか。


「こほん。リリィ様、タルト様、おはようございます。昨日の疲れも取れ、体調も優れているようで何よりです」

「はい、おかげさまで体調は万全です。それよりロザリーさんもどうです? タルトも朝の挨拶をしたがっていますよ」

「よ、よろしいのですか? では……お言葉に甘えて」


 ロザリーさんにタルトを渡すと幸せな表情をしながら頭を撫でていました。

 

「さて、それでは今日の攻略について話すか。御主もずっと立ってないで座れ」


 私はエルトリアさんに言われるがまま、対面するように椅子に座ります。

 ロザリーさんはタルトと触れ合いつつも自分の仕事は忘れずにと私の分の紅茶を用意してくれました。

 いつ飲んでもロザリーさんが淹れてくれた紅茶は美味しいですね。


「今日は第15階層からじゃったな。この階層は今までと違いフロアボスと呼ばれる魔物のみがいる階層じゃ。ちなみにフロアボスは15階層ごとに存在し、100階層ある『獣神の塔』で第90階層以降からは毎回各階層でフロアボスと戦うことになる。ただ、序盤のフロアボスは大した脅威にもならんから心配する必要はない」


 それからも話を聞くと、過去に訪れた階層と違ってフロアボスがいる階層は他の冒険者と共有されないみたいです。

 なので別々のパーティーが協力して同じフロアボスを討伐するなんてことはありません。


 しかも出現するフロアボスはランダム──といっても種類はそこまで多くないです。これはエルトリアさんが昨晩調べてくれました──なので階層に入ってからでないとフロアボスがどんな魔物なのか出現するかわかりません。

 一部を除いてとも言ってました。おそらく最上階にいるフロアボスだけは一種類だけと決まっているのでしょう。


 どのフロアボスが出現するかわからない以上、それぞれの対策と作戦は念入りに練ったほうがいいと思いますが、エルトリアさん曰くそこまで重要視することはないと。

 もともとが強いのでフロアボス相手でも簡単に倒せてしまうのでしょう。強いて言えば『獣神の塔』最上階にいる最後のボスに苦戦するぐらいですかね。

 それも実際どうなるかわかりませんが。案外呆気なく倒してしまうかもしれませんよ。

 

 あとはそうですね……フロアボスのレベルが統一されていないことが気になりました。


【アルファモンス】のダンジョンに共通している仕組みとして、フロアボスがいる階層の手前までは全ての冒険者が同じ空間に存在します。

 そこから枝分かれしてそれぞれに用意された階層に転移してフロアボスを討伐。それ以降も同じようになっているようです。

 第15階層に変わりないですが、その第15階層は一つだけではなく複数存在するという表現が合っているかもしれませんね。

 

 で、私が気になったレベルが統一されていない件について。

 

 フロアボスのレベルは挑戦する冒険者のレベルによって変化するようです。なので高いレベルで構成したパーティーで挑むとフロアボスも自ずと強くなります。

 しかしながらそれにも上限があって、最初のフロアボスは最大でも150レベルだそうです。エルトリアさんが今朝冒険者ギルドの受付に聞いたそうなので間違いなさそうですね。

  

 それで私たちの場合はレベルの平均を出しても2000はあるので最初のフロアボスのレベルは150で確定ですね。

 まあそれぐらいであれば苦戦することはないでしょう。【オルフェノク地下大迷宮】ではレベルが150の魔物なんて弱い部類に入ってましたから。


「大体はこんな感じじゃな。今日から御主を鍛えることになるから無理のないペースで攻略を進めいていくつもりじゃが、とりあえずの目標は第25階層辺りにしておくかのう」

  

 そして私たちは『獣神の塔』へ向かい第15階層へと転移します。

 


 第15階層に転移して視界に映ったのは赤黒い毛並みを持った狼。

 大きさは5メートル近くはあると思います。相手を委縮させるような目つきでこちらを睨み、硬い肉をも引き千切れるような鋭い牙を剝き出しにし、いつ襲い掛かってきてもおかしくない状況です。

 確認のため鑑定でステータスを見てみましたがやはりレベルは上限である150。ステータスもなかなかに高いですね。

 

 まずは先手必勝。襲い掛かってこられる前にこちらから攻撃を仕掛け──


 そう思ったのも束の間、目の前にいたフロアボスは紅蓮の炎に包まれて声を上げることなく一瞬にして討伐されました。誰がやったのかは考えずともわかりますよ。


「ああ、すまん。この程度の魔物、戦っても御主が得られるものはないからと早々に倒してしまったが、妾が倒してしまっては御主に経験値が入らんな」

  

 私は別に気にしていないので「大丈夫ですよ」とエルトリアさんに伝えます。レベルなんて上げようと思えばいつでも上げられますからね。

 予想通りでしたがフロアボスだというのに簡単に倒してしまいました。私の出番なんてありませんよ。

 しかし、この先もこう上手くいくとは限りません。エルトリアさんやロザリーさんがいるとはいえ、油断せずに気を引き締めていきましょう。

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奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた4
― 新着の感想 ―
[一言] 奈落から出てーの最強小説家と思ったら… なんのフリもなく全然最強じゃないの発覚して草
[一言] しばらくは、楽そう
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