表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【Web版】奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた  作者: tani
第一章 オルフェノク地下大迷宮脱出編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/190

【オルフェノク地下大迷宮】390階層

 デスサイズと戦闘を行ってから約3時間が経過しました。


 私は今【オルフェノク地下大迷宮】390階層フロアボスの扉前に立っています。


 おそらく私の予想ではフロアボスは10階層ごとに存在しますね。

 何故そう思ったのかは他の階層とは違って一つだけ大きな鉄扉しかない大部屋だからです。

 こういう大部屋に鉄扉しかない場所は決まってフロアボスの部屋の前なのです。

 私の場合はフロアボスを倒した先の部屋にいますが。


 本来であれば入る場所が違うと思うんですけどね。

 このまま入ると私はフロアボスの正面ではなく背中を見ることになります。


 フロアボスも後ろから挑戦者が来るとは思わないでしょう。

 しかもこのフロアボスが【オルフェノク地下大迷宮】の最終ボスです。私が落ちた場所から下へ続く道は三年間探し続けて無かったから間違いないです。


 そんな大舞台で後ろから不意を突くのはアリかと言うと……私はアリだと思いますね。

 チャンスがあればドンドン攻撃していくべきだと私は三年間で学びました。


 攻撃系統の魔術を使用できるようになって私は自分のレベル上げをしようと試みました。

 ですが最下層付近に生息する魔物に覚えたばかりの攻撃系統の魔術は通用しないことは端からわかってます。


 そこで私が取った行動。


 それは魔物の縄張り争いを影で見守り、負けて虫の息の魔物をちまちまと攻撃系統の魔術で攻撃し続けたことです。


 ズルい行動? いいえ、これは賢い行動ですよ。


 こちらも生きるのに必死なのです。

 利用できるものは利用しなければ強すぎる魔物が蔓延るダンジョンで生きていけません。

 まあ当然のことながら当時の私のレベルではステータスも低すぎますし、魔術で与えられるダメージも、たかが知れています。


 他の魔物に盗られるわけにはいかないので土魔術で壁を作って隔離。あとは魔力にも限度があるので毒や麻痺などの状態異常にさせて休みつつもダメージを与えてましたね。


 それでも魔物の回復速度が速く失敗することもありました。

 その時は仕方ない。切り替えて次の魔物を探します。


 初めて魔物を倒した時の所要時間は大体1週間ぐらい。

 遂に約200近くレベルの差がある魔物を倒した私が得た経験値は莫大な量でした。レベルは120ぐらいまで到達して一気に強くなったのです。


 そこからは楽になりました。


 魔術を使うために必要な魔力も、走り回るために消費する持久力も魔物から逃げ切れるまでに増えたお陰でレベル上げは苦労しません。


 ただ、これ以上強くなってどうするのか、と聞かれてしまえば特に意味はないと答えると思いますが、備えあれば憂いなしという言葉もあるようにレベルを上げることに越したことはないでしょう。

 

 さて、いつまでもここに居ても進展はありませんのでフロアボスがいる部屋に向かうとしましょう。


 大きな鉄扉に手を触れると重々しい音が空間一帯に鳴り響き、少しずつ部屋の全貌が明らかになっています。


 構造はこれまで見てきたものと然程変わりありません。

 違うとすれば障害物が一つもない平地。

 広範囲の戦闘を想定したであろう広大な空間。


 そして、フロアボスの影も形もありません。


 例外はあるかもしれませんが、普通であればフロアボスが存在する部屋に入るとフロアボスが待ち構えているはずです。

 もしかすると既に討伐したと判断されたから出現していないのでしょうか。 


 フロアボスは討伐しても一定時間の経過で再出現します。そして、その間フロアボスが出現するまで扉は開くことはない。

 これがダンジョンのルールみたいなものです。

 なので他のパーティーと被ってしまったら譲り合い、酷い場合は揉め事に発展しますね。

 まあ、こんなところに来るパーティーなど居ないですし関係ないことです。


 フロアボスが居ないのであれば戦闘をせずに済みます。

 無駄な魔力も消費せずに済みましたので良かったです。


 ちなみにですが、扉から進んで私が今立っている場所。祭壇のような感じになっています。

 その祭壇の横には水晶のようなものが浮かんでいます。


 実はですね、冒険者になった時に発行してもらえる『冒険者ライセンス』なるものを水晶に翳すと記録され、記録した階層に一瞬で移動できる転移装置と呼ばれる便利な代物なのですよ。私の冒険者ライセンスは三年の月日を経て既にボロボロですけどね。


 記録は各階層のフロアボスを倒すとできます。

 転移先はフロアボスの部屋を抜けた場所。

 例を出すなら、390階層のフロアボスを倒し記録すればいつでもついさっきまで私が居た場所に転移できます。


 でも私にとってこれは特に意味の無いことです。

 だって私、【オルフェノク地下大迷宮】で転移先を一つも記録していないんですから。


 三年前は逃げて逃げて、奈落の底へ落ちて、たどり着いた場所は最下層なんですよ?

 記録する場面が何処にあるというのですか。

 なので私が初めて記録する階層は最初のフロアボスが10階層ではなく、最後のフロアボスが居る390階層になります。

 

 と、ここで一つ思い出しました。


 最初に記録できるのは10階層ではなくダンジョンの入り口付近にある水晶だということを。


 仕様はダンジョンによって異なりますが、オルフェノク地下大迷宮には転移先を登録できる水晶があります。

 また、フロアボスがいる部屋にも同じ水晶が存在し、フロアボスを討伐したら登録を済ませ、ここで一度帰還しても、フロアボスを討伐した先からスタート出来ます。


 三年前の自分に何故記録しなかったのか聞きたいですよ。

 記録していればすぐに地上に出れたのに。

 まあ、あの時の馬鹿な私は他のことで頭の中がいっぱいだったので責めても仕方ないですね。


 結論、私は自力で地上を目指す以外に道はありません。


 一応390階層の記録を終えて先に進むことにします。

 でも三年間過ごした【オルフェノク地下大迷宮】の最後のフロアボスはどのような魔物なのか気になります。


 ちょっとだけなら……。


 私は一度部屋を出て、今度は正式に正面から部屋に入ってみました。

 すると、大きな鉄扉はいきなり閉まり開けようとしても固く閉ざされてしまいました。


 私のちょっとした好奇心がどうやら良くなかったみたい。


 あぁ……フロアボスが出現したのか後ろから猛々しい咆哮が聞こえます……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
★書籍版公式ページはこちら!! 書籍、電子書籍と共に12月9日発売予定!

奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた4
― 新着の感想 ―
[気になる点] > 三年前の自分に何故記録しなかったのか聞きたいです。 > >  記録していればすぐに地上に出れたのに。 > >  まあ、あの時の馬鹿な私は他のことで頭の中がいっぱいだったので責め…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ