村にさようなら(第一章エピローグ)
本日より更新再開!!
更新は本日3/27(土)の昼過ぎとお伝えしましたが、昼過ぎに第二章を始めたいと思ったのでまず一本投稿します。
話のタイトルは削除前と変わりませんが内容は変わっていますので。
そして翌日。
「本当にありがとうございました。あなた様がいなければ今頃この村は盗賊の襲撃により甚大な被害が出ていました」
「いえいえ、気にしないでください。それより焼け焦げてしまった民家の方は大丈夫ですか?」
「大丈夫とは言えませんが火事に巻き込まれた者もいないことですし、また一から建てればいいことですよ」
盗賊集団が放って火で焼け焦げてしまった民家。
建て直しも大きさはそれほどではないので可能でしょうね。
壊すのは簡単。然れど作るのは困難。
一つの民家を建て直すのにもかなりの時間がかかります。
私もこの村に関わった身です。何か出来ることがあればいいのですが……。
「『聖女』様は何も気にしなくていいですぞ」
そう言われると尚のこと気にしてしまいますよ。
元はと言えば私が盗賊の襲撃に気付けなかったのが悪い。
私であれば盗賊の気配など感知できたでしょう。
盗賊集団に気付いて即行動に移っていれば未然に防ぐことも可能だったはずです。
──これは反省すべきですね。
私が悪かったと謝っても村の人たちのことです、「そんなことない」と全員が言うでしょう。
しかし、私が悪いと思っているのだから悪いのです。村の人たちの言葉など関係ありません。
まあ過ぎ去ってしまったことをいくら後悔しても変わらない。次同じことが起こらないように注意すればいいのです。
「ところで本当に【カルティエラ】まで馬車で送らなくて大丈夫なのですか?」
今朝村長さんに盗賊集団の処遇をどうするべきか相談したところ、ここ周辺で一番大きな街である【カルティエラ】の衛兵に任せるべきと言われました。
そして私自身も【カルティエラ】に用事がある。
ついでに乗せてもらおうとも考えたのですが、今【カルティエラ】には勇者一行が滞在しているとか。
おそらく【オルフェノク地下大迷宮】に一番近い街だから拠点として使っているのでしょう。
あの一件があったにもかかわらずまだ挑戦しようとしているのですね。まあ、レベルを上げるにはちょうど良い場所でもあります。
それで、私は【カルティエラ】に向かうことを止めました。
理由はアドルたちに会うのは時期尚早だからです。
アドルたちは、この間の一件で自分たちの無力さを実感したはずです。強くなるために、レベル上げを頑張ろうと決意しているのではないでしょうか。
となると、私が生きていたという事実は、復讐されるのではないかと不安を煽り、彼らが強くなるための妨げになるでしょう。
それに、私が真実を明かさずとも彼らにはとてつもない困難が待ち受けています。裏世界の人間に命を狙われているのですから。
だから、今はただ強くなることに専念してもらいましょう。
真実を明かすのは全てが終わってからでもいいかなとも思いました。その間に私の心境に変化が訪れるかもしれませんがその時はその時です。人間誰だって時間の経過で心境は変化しますのでね。
と、アドルたちのことはここまでにして──
村から【カルティエラ】に向かう馬車は全部で二つ。
10人程度が二列に並んで座れる大きさのものが一つ。これには氷塊から解放させて今はグルグル巻きに縛られている盗賊集団が乗っています。
今は逃げ出さないようにタルトに見張りをさせていますよ。
それに私たちが同行せずともあれだけグルグル巻きにされては身動きを取るのも困難。
持ち物検査も行いましたし村の中でも狩りに出られるほどの実力者が同行するようなので心配は無用かと。
もう一つは今説明したものより一回り小さな馬車ですね。
中には私が【オルフェノク地下大迷宮】で狩った魔物が荷台を埋め尽くすほど乗っています。
「本当に魔物の素材まで貰ってよろしいのですか?」
「ええ、まだまだありますので村復興への資金にしていただいて問題ないですよ。もしかすると大したお金にならないかもしれませんが是非使ってください」
「ありがとうございます……」
深々と頭を下げる村長に続いて他の村人たちも私に頭を下げます。
全員に感謝されるとなんだか恥ずかしいですね。私は復興の援助をしたいから譲っただけなのに。
「本当に気にしなくて結構ですので」
「はい。それで、あなた様は【カルティエラ】には行かないと仰いましたが次の目的地はお決まりですか?」
次の目的地……ですか。
言われてみれば全然決めていませんでした。
冒険者ライセンスは【カルティエラ】でなくとも他の冒険者ギルドで発行可能なので少し遅くても問題なし。
でも身分を証明するものが早めに持っておいた方がいいですよね。
「何処かおすすめの場所とかありますか?」
「そうですね……。あなた様ほどの御力があればあの場所がいいかもしれません……」
あの場所? 気になったので村長さんに聞いてみると──
「ここより南西にある港町──【セルビス】という町があります。そこから出る船に乗って海を渡ると【アルファモンス】という町に着きます。その町は別名『ダンジョン街』。街には多くのダンジョンが存在し、中でも【神々の塔】と呼ばれるダンジョンは未だ誰一人として攻略できていないと聞きます。旅の行く先が決まっていなければ行ってみては如何でしょうか」
街に多くのダンジョンが存在するのも気になりますが、未だ誰一人として攻略できていないダンジョン。
それは面白そうな話で凄く興味があります。試しに行ってみるのもアリです。
「教えていただきありがとうございます。興味深い話だったので行ってみますね」
「おお。では良い結果が来ることをお待ちしております」
「はい。それでは皆さん、またいつかお会いしましょう」
私は村の方々に別れを告げて、まずは【セルビス】という街に向かいます。
っと、その前に──
「念のためですがあなた方に弱体化の魔術を掛けました。持続時間は1日ありますからね。変な行動を起こしてもやられるのが目に見えていますよ」
それだけ盗賊集団に忠告を入れます。
では改めまして【セルビス】に向かって出発です。
これにて第一章【オルフェノク地下大迷宮】脱出編が終了。
本日は昼過ぎにもう一本投稿しますので楽しみにしていただけると嬉しいです。
それでは次回──
新章 最難関!?神々の塔攻略編
でお会いしましょう。
今後ともよろしくお願いいたします!!





