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【コミカライズ1巻 3月27日発売】【Web版】奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた  作者: tani
第五章 幼馴染再会編

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次の階層へ

一から書き直したりして予定より一日遅れました。申し訳ありません。

 転移先のことや魔術のことなど、開始早々いろいろと謎はありましたが、何事もなく第1階層を突破した私たち。

 第2階層に続く転移用魔法陣を使い、次の階層へ。

 またしても同じことが起きないか不安ではありましたが、今回は話に聞いていた通り、周りを見ると建物内にいることがわかります。

 

 でも、初回の転移であんなことがあったということは、今回の転移では誰かいない、なんてことも考えられます。

 全員来ているか確認しておきます。

 タルトにバエル、デオンザールにグラ。アモン、サフィー、そしてアルゴ。


「よし、ちゃんと全員いますね」

「ふむ。魔術も使えますし、転移に関しては何事もなかったようですね」


 バエルは自分の右手人差し指の先に小さな炎を生み出し、魔術が使えることを確認します。

 私も同じように確認しましたが、普通に使えました。

 一時的とはいえ、第1階層で魔術が使えなかったのはなんだったのか。謎は深まる一方です。


「もしかしたら今度も予想外のことが起こるかもしれないので、油断せずにいきましょう」


 そして、私たちは建物の外に出ます。

 出るとそこには確かに街の景観がありました。

 飲食店や武器屋。アイテム売り場に宿屋まで。

 それ以外にもいろいろな店があり、ダンジョンの中とは思えないほど充実しています。地上に出ずとも、ここで生活できそう。


「それにしても、第1階層と第2階層でここまで違うとは……」


 空を見上げると、第1階層の真っ青な晴天とは打って変わって、どんよりとした濃紫色の空が広がっています。


 第2階層は“亡者の楽園”と呼ばれているそうです。

 出現する魔物は、ゴースト系、スケルトン系、ゾンビ系と階層名に相応しいものばかり。空の色が更に雰囲気を出していますね。

 ただ、こういう類の魔物は苦手と思う人もいるので、知らずに来た冒険者の中には挫折してやめる人がいるかも。

 

 ちなみに、私は怖いとは思いません。

 今でも怖いと思っていたら『聖魔女の楽園』にいるゴースト系の魔物であり、私の従魔でもあるマナフィールと、まともに話せませんよ。

 いや、もし怖いと思っていても、彼女はゴースト系でも可愛い要素しかないので、大丈夫だったかもしれませんね。


 しかし、今はこんなでも昔は怖いと思っていました。

 変わったのはオルフェノク地下大迷宮での生活があったからでしょう。


 あそこにもゴースト系などの魔物はいましたが、魔物の種類なんて関係ないです。当時の私は全てが恐ろしい魔物に見えていたんですから。

 そんな場所で生活した結果、気が付けばゴースト系等の魔物にも慣れてしまって、怖いと感じなくなったわけです。強くなって余裕で勝てるようになったのも理由としてありますね。


 そういえば、今の話で思い出しましたが、私の知る幼馴染パーティーにもこういう類の魔物が苦手な子がいます。

 前に『聖魔女の楽園』で修行していたら、たまたまマナフィールが私のところ来て、その姿を見るなり顔が青褪めていました。

 あの様子から察するに克服は出来ていないのでしょう。まあ、怖いものは克服も難しいですよね。


 ちょっと心配だなと思いつつ、第3階層に続く転移用魔法陣を見つけるために早速探索を始めようと街の外へ向かう私たち。

 すると、そこで見慣れたパーティーと出会います。


「リリィか? もう第1階層を突破したのか」


 アドルたちは一足先にダンジョンへ向かっていました。

 私たちが説明会に参加している時にはシュナーベルを出発していたみたいなので、ダンジョンに来てから一日以上は経過しているでしょう。

 

「まあ、いろいろありまして……。そうだ、アドルたちに聞きたいことがあるんですけど」


 アドルたちは何度もここに来ている。

 私たちが第1階層で体験した出来事。それを同じように体験した冒険者がいる話を耳にしたことがあるかもしれない。 

 そう思ったのでアドルたちに話してみました。

 しかし、全員そのような話は聞いたことないようで──。


「転移先がずれるなんて、初めて聞く話だな。受付からもそんな話は聞いたことない。一応地上に戻った時に受付に伝えた方がいいかもな」

「そうですね。ところで……クオリア、大丈夫ですか?」


 私の視線の先にはクオリアがいます。

 しかし、私が話をしている時もずっと杖を強く握り締めて、キョロキョロと周囲を警戒している様子を見せていました。

 多分私の話はほとんど聞いていないと思います。

 でも、これは決してわざとではなく、ちゃんとした理由があります。だいたい察せると思いますけど。


「まあ……いつものことだ。まだ安全地帯なんだから肩の力を抜けって言っても、第3階層に着くまであんな感じだ」

「し、仕方ないでしょ! ゴースト系の魔物なんて突然現れるような魔物だし! 油断したところを背後から突いてくるかもしれないじゃない!」

「いや、安全地帯に魔物は入ってこないってお前も知っているだ──」

「そんなのわかんないでしょっ!?」


 冷静に指摘するアドルでしたが、いつになく気迫あるクオリアに気圧されます。

 クオリアは昔から幽霊とかが苦手です。あとは虫も。

 ちなみに、クオリア以外でゴースト系などの魔物に苦手意識がある人はいません。アドルもゼペットもカリアも平気です。

 シャルさんはどうなのか聞いてみましたが、レベルを上げる時に弱点を突けることから、よく倒していたそうで、彼女も全然平気みたいです。


「……ふぅ。落ち着くのよ、クオリア。スケルトンなんてただの骨。ゾンビもただの死肉。私の魔術で塵一つ残らないように焼き尽くせばいい。ゴーストだって……ゴ、ゴーストはいつものようにシャルに任せましょう。私はそれ以外で足を引っ張らないように頑張ればいい」


 クオリアがぶつぶつと自分に言い聞かせるように独り言を言っています。

 そんな彼女の姿を見た後にアドルを見ると「これも出発前にやっていることだから、終わるまで見守っているんだ」と私に言います。


「それじゃあみんな! こんな場所、一分一秒たりとも長居したくないから、いつものように最短距離で行くわよ! アドルとカリアは先頭。その次にシャル、私、最後尾はゼペット。全員周囲の警戒は怠らないように!」


 どうやらこの時だけパーティーのリーダーはアドルからクオリアに変わるみたいですね。

 しかし、クオリアはシャルさんの背中にほぼぴったりと言えるほど近付いています。さっきの気迫はどこへ行ったのやら……。

 

 アドルたちはもう出発するようなので、私たちもご一緒することにします。

 クオリアが最短距離で行くと言っていましたからね。

 長々とどこにあるかわからない転移用魔法陣を探すよりも、場所を知っている人たちと一緒に行動した方が良いに決まっています。

 

 そして、私たちは第3階層に向かいますが、素材集め組とはここで別れます。

 理由はサフィーのレベル上げ。

 現時点のサフィーのステータスは──


───────────────

《個体名》 サフィー 《性別》メス

《称号》 〝聖魔女の従魔〟〝第二十五の最上級悪魔の弟子〟


《ステータス》 《基礎±補正》

 レベル 92 

 生命力 3万121《1万121+2万》

 魔 力 4万5268《1万268+3万5000》

 持久力 3万1912《1万1912+2万》

 攻撃力 3万7391《1万891+2万6500》       

 防御力 3万2745《8,245+2万4500》     

 精神力 4万7699《8,199+3万9500》

    

 スキル

『生命力・魔力・持久力自動回復』『消費魔力半減』

『物理・魔術威力上昇』『多重障壁自動発動』『獄炎魔術』

『氷獄魔術』『暴風魔術』『地烈魔術』『神雷魔術』

『聖光魔術』『暗黒魔術』『召喚魔術』『空間魔術』

『治癒魔術』『状態異常耐性』『魔力感知』『鑑定』

『隠密』『隠蔽』『悪食』『魔闘法』『五感強化』『魂喰らい』『状態異常付与成功・思考加速・治癒効果上昇』

『聖魔女の加護(弱体化無効)』『白亜の魔道』

『漆黒の魔道』『最上級悪魔の加護』

───────────────


 グラと師弟関係になって一年ちょっと。

 サフィーもだいぶ成長しました。

 サフィーの基礎ステータス値は防御力と精神力以外が伸びやすい傾向です。

 そして、私の従魔になったことで『聖魔女の加護』を。グラの弟子になったことがきっかけなのか、サフィーは『最上級悪魔の加護』を手にしています。

 私の加護で魔力、精神力にプラス1万5000。グラの加護で全ステータスに2万もの補正数値がつきますので、その合計だけで基礎以上の補正数値を持っているといるわけです。


 でも、これだけのステータスでも『聖魔女の楽園』のなかでは中堅辺りなんですよね。私を含めた上位陣が異常なだけとも言えますが。

 サフィーにはいつか上位陣に入り込めるくらい強くなってほしいものです。まあ、本人に強くなりたいという硬い意志があるので、遠くないうちに現実になるでしょうけど。


 第2階層の魔物を相手にすればレベルもまだまだ上がるでしょうし、様子を見て、第3階層にも行くことも考えているようので、次に会う時にどれだけ強くなったのか楽しみですね。


「それじゃあ気をつけて頑張ってくださいね」

「はい。リリィ様たちもお気をつけて」


 グラたちに見送られて私たちはアドルたちと共に第3階層に続く転移用魔法陣へと向かいます。









 亡者の楽園は蒼穹の植物園と比べて非常に殺風景です。

 周りはサラサラの砂で埋め尽くされた白い砂漠。そこに墓標のような十字架があちこちに刺さっています。

 そして、この階層はゴースト系以外の魔物は目視では確認できません。ゴースト系は普通にその辺に漂っています。

 というのも、スケルトン系とゾンビ系は下からゆっくりと這い上がるように出現するんですよ。

 気づかずに足元にいて、足首を急に掴まれたら誰でも叫び声をあげます。クオリアなんてトラウマになりそう。


 そんな亡者の楽園を歩くこと3時間。

 転移用魔法陣まではまだまだ距離があるそうです。

 ここまで休まず歩き続け、当然ながら魔物とも遭遇しているので、今は30分ほど休憩を取っています。

 休憩場所は安全地帯ではない。場合によっては魔物が襲撃してくる可能性もあるため、警戒は怠っていません。


「あとどれくらいで着くんですか? あっ、これ良かったら」


 小腹が空いたので、前もって【異次元収納箱(アイテムボックス)】に入れていた軽食のサンドイッチを食べながらアドルに問います。

 一人で食べるのも悪いかなと思い、サンドイッチはまだ余っているので、アドルも食べるか聞くと、バスケットからサンドイッチを一個取りました。


「ありがとう。そうだな。隅々まで探索しているわけでもないし、魔物の邪魔がなければ、転移用魔法陣まで4時間はかからないと思う」


 4時間。最短距離でその時間ということは、場所もわからずにさまよっていたら、もっと時間がかかる。やはり各階層が広大だとわかりますね。


「じゃあクオリアもあと4時間頑張れば解放されるんですね。クオリアもそれまで持てばいいんですけど」

「毎回毎回精神的に疲弊している状態にはなるが、第3階層には行けているから大丈夫だろう。まあ、慣れるのが一番手っ取り早いが……そう簡単にはいかないよな」

「ああいう類の魔物は苦手を克服しづらいですからね。だからクオリアはすごいです。苦手でも頑張っているんですから」 

 

 私はバスケットを持ってクオリアの方へ行きます。

 クオリアは休憩時間だというのに落ち着きがありません。気持ちはわかりますが、私としてはもう少しリラックスしてほしいところ。


「クオリアも良かったら食べます? まだ歩きますし、少しでもお腹に入れておいた方がいいですよ」

「い、いや。遠慮しておくわ。今はそういう気分じゃ──」


 その言葉とは裏腹にクオリアのお腹からは低い音がなります。

 それを聞かれたことでクオリアは顔を赤くします。


「ちょっとくらい肩の力を抜いても大丈夫ですよ。アドルたちもいますし、今は私が側にいます。今この瞬間に、クオリアを怖がらせる魔物が出てきたら、怖がる暇を与えずに私が速攻で倒しますから」


 二ッと笑って言うと、クオリアは少し緊張が解けたのか、若干口角を上げます。


「……わかったわ。サンドイッチ、一個貰っていい?」

「はい。どうぞ」


 バスケットからサンドイッチを取ったクオリアはゆっくりと食べ始めます。

 

「ほんと、ビクビク怯えて自分でも情けないって思うわ……。度々騒いでアドルたちにも迷惑かけているだろうし」

「クオリアはゴースト系以外の魔物は積極的に倒しているじゃないですか。アドルたちだってクオリアのおかげで負担が減っているはずです」

「まあ、せめてそれくらいはしないといけないから……」

「これからもそれでいいと思いますよ。苦手なものは苦手です。克服が厳しいなら、それ以外で自分にできることを全力でやればいいんです」

「全員戦闘準備!!」


 クオリアとそんなやり取りをしていると、アドルが急に声を上げました。

 突然私たちを囲むように魔物が出現したのです。

 出現したのはスケルトン系の魔物。

 数は結構いますね。だいたい40~50体ほど。

 ただし、次々と砂の下から出てきているので、数は更に増えているでしょう。

 

 とはいえ、緊急事態というほどでもない。

 すぐ側に出現したわけではないので、準備する時間は余裕である。

 魔物のレベルを『鑑定』で確認しましたが、個体差はあれど平均110レベルくらい。聞いていた通りのレベルです。

 ちなみにアドルたちのレベルは前に教えてもらいましたが、このダンジョンのおかげで全員レベル260前後になったらしいです。

 

 それに加えてレベル1000オーバーの私たちがいます。

 油断はしませんが、数が多くても問題ない。

 しかし、そう思っている時に限って良くないことが起こるんですよね。


「ねえ、あれ何?」


 カリアが指差す方向を見る私たち。

 ゆっくりと巨大な何かが出てきています。

 完全に姿を現したそれ。


 先端が鋭く伸びた太い肋骨。

 背中には骨の翼が三対。

 丸太のような骨の腕が二対。

 そして、龍の頭骨。 


 全身が骨で出来ているそれは、スケルトンドラゴンと呼ばれる魔物です。そういう魔物がいると聞いたことあります。

 うちのタルトとはえらい違い。あれは可愛くありません。


 しかし、骨とはいえ、あれでもドラゴン。

 ドラゴンは基本的に強い魔物です。

 もしかしたら強敵と思い、周りのスケルトンと同様に『鑑定』にて確認します。

 

「……レベル532……」


 私と同じように『鑑定』で確認したのでしょう。

 シャルさんが絶望したような声で言葉を漏らします。

 レベル532の魔物。

 確認されていない高レベルの魔物も出る可能性があると説明会で聞きましたが、これはいくら何でも常軌を逸しているといいますか。おそらく第5階層でもこんな魔物は出ませんよ。


 ダンジョン内に転移した際の位置ズレ。

 一時的とはいえ、魔術の使用不可。

 そして、第2階層では異常なレベルの魔物。


 何か、私たちにだけ良くないことが集まっているような気がします。この先も困難が待ち構えているのか。

 いや、それを考えるのは後でいいでしょう。今はあれをどうにかしなければ。

 スケルトンドラゴンが咆哮を上げると同時に私たちを囲んでいたスケルトンが動き始めます。ということは、あれが親玉と考えていいですね。


「私たちであの魔物を倒すので、アドルたちは他の魔物の相手をしてください」

「わかった! 頼む!」

「行きますよ。タルト、バエル、デオンザール!」

「キュイ!」

「かしこまりました」

「おうよ!」


 前方にいる魔物を倒して私たちは走り出します。

 全部やらなかったのは、アドルたちに少しでも経験値を獲得した方がいいと思ったから。私のレベルなら、彼らが倒した方がレベルが上がる可能性は高いです。


 私たちが接近すると同時にスケルトンドラゴンの口が大きく開き、口元に魔法陣が浮かび上がります。

 ブレスではなく魔術ですね。骨だけでブレスを吐く器官がないからなのでしょうか。


 スケルトンドラゴンの口から放たれる高熱の魔術。

 それを見たタルトが前に出ます。

 タルトは身体の大きさを変えずに、私たちに迫るスケルトンドラゴンの魔術を本物のドラゴンブレスで掻き消します。

 ブレスを吐き終わったタルトは「これが本物のドラゴンブレスだ!」って感じで、誇らしげな顔をしていますね。


 その間にデオンザールがスケルトンドラゴンに接近。

 それに気づいたスケルトンドラゴンは二本の腕でデオンザールを叩き潰そうとします。

 あの巨大な腕に潰されたら一溜りもない。

 でも、デオンザールなら心配無用です。


「ハッハッハ! この程度で俺を潰せると思うな!!」


 スケルトンドラゴンの一撃を両腕で受け止めたデオンザールは、透かさず殴打で骨の腕を破壊します。

 デオンザールの一撃を受け、危険と感じたのかスケルトンドラゴンは骨の翼を羽ばたかせ、空へ逃げようとします。

 肉も皮もないにもかかわらず、浮き始める巨体。

 しかし、スケルトンドラゴンは空へ逃げることはできませんでした。

 完全に飛び立つ前にスケルトンドラゴンの背中からポロポロと何かが落ち、その巨体も落下します。


「空中に逃げても構いませんが、それはそれで面倒なので大人しく地上に居てください」


 ポロポロと落ちたのは切り刻まれた骨の翼。

 バエルが先に上空へ行って剣で斬ったのです。

 逃げ場を失ったスケルトンドラゴンは叫びながら一直線に私に向かって走り出します。

 私がこの中で一番弱いと思われたのでしょうか。まあ、元々も能力値で考えるなら正解ですけど。


 戦いを長引させる意味もないので、ここで終わらせます。

 私は杖をスケルトンドラゴンへ向けます。


「【崩天聖魔滅焔龍砲ドラグマナ・ディ・カタストロフ】」


 杖先から放たれた渾身の魔術がスケルトンドラゴンを襲います。

 正直これを使わなくてもよかったですが、スケルトン系の魔物は中途半端に倒すと時間で復活すると言われています。

 同じ系統ですし、おそらくスケルトンドラゴンも該当するでしょう。

 他のスケルトン系の魔物なら大した脅威にもならないでしょうけど、このスケルトンドラゴンが復活するなんてことになると、冒険者たちは成す術なく殺されるでしょう。

 だから、ここで塵一つ残さず倒さないと駄目なんです。


 私の魔術に飲まれたスケルトンドラゴンは姿を消します。

 これで戦闘終了です。意外とあっさり終わりました。

 スキル『魂喰らい』により、獲得できた経験値も増加しましたが、ギリギリレベルは上がらなかったみたいです。


 さて、アドルたちの方はどうなったか。

 戦闘が終わらなさそうだったら加勢しようと考えていましたが、その必要はなさそうです。

 まだ続いていますが、スケルトンドラゴンを倒したのか関係しているのか、新しく魔物は出現していません。残りもあとわずかです。

 

 そして、アドルたちも戦闘を終えたところで合流。

 少しだけ休憩時間を延ばした後、第3階層に向けて再び歩き始めます。









 その者は引き続きリリィたちを観察していた。

 

(適当に『召喚魔術』で呼び出した奴だけど、タルトたちの助力があったとはいえ、難なく倒されちゃったな。あの魔術もなかなかにいいものだったし、少しは認めてあげてもいいかな)


 次のいたずらは何にしようか。

 楽しそうにそんなことを考えていたが、急にその者の顔つきが変わる。


(……なんだ? 物凄く嫌な気配が突然現れた。しかも一つだけ。場所は第6階層か。でも、冒険者たちはまだ転移用魔法陣を見つけていないはず。仮に見つけたとしても、気配が一つだけというのは少し変だ)


 その者は気配について考える。

 しかし、再び顔つきが変わる。今度は苦しそうな表情を浮かべていた。


(……チッ。暇だからレベルでも上げようと配置していた分身体の一つがやられた。完全に気配を消していたのに、それでも気づくなんてかなりヤバい奴かもしれないな。どうする? 転移用魔法陣なしで現れたってことは、他の階層にもそれで行けるって考えた方がいいよな……。少し早いけど、あれと遭遇する前に彼女たちに伝えるか?)


 そう悩みつつもその者はリリィたちの後を追うのであった。

次回更新は早くて11月30日(水)の午後8時にしたい。


下の方に第四巻の書影が載っているはずです。

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奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた4
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