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【コミカライズ1巻 3月27日発売】【Web版】奈落の底で生活して早三年、当時『白魔道士』だった私は『聖魔女』になっていた  作者: tani
第四章 シャルルフォーグ学院・新任教師編

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ユリウスvsアーデンハイド

『聖魔女』第三巻の発売まで、あと一週間となりました!!

来週10日の金曜日が発売日ですので、お手に取っていただけると嬉しいです!!

(第三巻発売を機に、第一巻、第二巻もお手に取っていただけると嬉しいなぁ、と思っていたり……)

 時は遡る。

 ユリウスは他の神聖帝国騎士団(ロイヤルナイツ)と共に街の警備を行っていた。

 彼らは今、屋台が並ぶ通りを歩いている。

 そして、ユリウスの部下の一人が屋台の前で足を止めた。

 そこは牛肉の串焼きの屋台で、匂いを嗅ぐだけで腹が空いてくる。ユリウスの部下もその匂いに我慢できなくて足を止めたのだ。


「おじさん、これ五本ください」

「あいよっ! ちょっと待っててな」

「それ、一人で食べるのか?」

「そうだよ。仕事をするにも、まずはお腹を満たさないとね。ユリウス聖騎士長もどうですか? すごく美味しそうですよ」

「いや、俺はいい」

「そんな遠慮しないでくださいよ。街の警備も大事ですけど、せっかくのお祭りなんだから楽しまないと」

 

 仕事でこの街に来たのだから、祭りで賑わっているとはいえ、羽目を外し過ぎるわけにはいかないとユリウスは思っていた。

 

「こいつの言うことも一理あるか。上司にこんなこと言うのもあれですが、最近のユリウス聖騎士長は頑張り過ぎです。ちょっとくらい息抜きした方がいいですよ」

「そうそう。ユリウス聖騎士、私たちよりも年下なのに、私たちよりも大人っぽいというか。常に気を張っているというか。息抜きしないといつか倒れますよ」

「そう、見えているのか……。わかった、気を付けることにする」

「うーん、本当にわかっているのか微妙だけど……あっ、そうだ。あとで学院の方にも行ってみませんか? ユリウス聖騎士のお姉さまがクラスの出し物を手伝っているみたいですし」

「……まあ、息抜きも大事と言われたところだし、様子を見に行くくらいなら」

「決まりですね。それじゃあ──」

「なんだ、あれ?」


 近くにいた住民の声を聞いたユリウス。

 見ている方向は上空。

 住民たちが次々に気付き、ユリウスも見上げて見るとそこにはメアリが発動した黒い穴が存在していた。

 

「あれってイベントか何かですか?」

「いや、俺も長くこの街に住んでいるが、あんなのは見たことねぇ。お偉いさんが用意した催し物……にしては、何だか気味が悪いな」


 ユリウスも屋台の主人と同感だった。

 何の前触れもなく突然上空に現れた黒い穴。

 ユリウスの本能が「あれは危険」だと告げていた。

 そして、笑い声や笑顔が溢れる祭りは終わりを迎え、地獄を呼ぶ。

 黒い穴から現れてたのは無数の魔物たち。腹を空かせた魔物たちは大量の獲物がいる街へと向かって降りてくる。


「ユリウス聖騎士長!!」

「住民の保護が優先だが、奴らを野放しにするわけにはいかない。少しでも被害を抑えるために、奴らの討伐も行うよう全ての神聖帝国騎士団(ロイヤルナイツ)に連絡を頼む」

「了解しました!」

「頼んだぞ。俺は先に行って奴らを狩る」


 ユリウスは部下と別れ、一体でも多く魔物を狩るために街を駆け回った。

 魔物を狩り続けながらもユリウスは考える。


 黒い穴から現れた魔物は知らない種類だった。

 神聖帝国マリアオベイルは他の国と比べて魔物を強く敵視している国ということもあり、魔物についての情報が充実している。

 ユリウスはそれらを全て頭の中に入れているが、ここまで狩ってきた魔物はその中にはない種類。

 

(まさか、こいつらは異界の魔物……)


 マリアオベイルも全ての魔物の情報を持っているわけではないだろうから断定はできないが、ここ最近で起きた出来事を考えると十分にあり得る。


 となると、魔物の出現はあくまでもオマケ。真の目的は『勇者』である自分やルクス、ノエルの殺害と考えられる。


 ノエルとの連絡手段はないため、生存確認は不可能だが、学院にはリリィがいるから大丈夫だろうと。

 ルクスには通信用の魔道具を持たせている。

 それを使ってルクスに連絡しようとしたが、一向に繋がる気配はない。


(何かしらの妨害か、それとも単に気づいていないだけか……)


 繋がらないのなら仕方ない。嫌でもこの非常事態は耳に入るし、ルクスは簡単にやられる奴ではないからとユリウスは魔物の討伐に専念することにした。


 そして、ユリウスは未だかつて遭遇したのことない強敵と出会うのである。


 離れていてもわかる、ぞっとするような気配ですぐにわかった。

 敵であることに間違いない。あれは確実に危険だ。


 だが、だからこそ、ユリウスはそこへ向かった。


 放置したままでは甚大な被害が出る恐れがある。そうなる前に誰かが向かわなければならない。

 そうして辿り着いたのは街の広場。

 周囲に一般市民は見当たらないが、まるでユリウスのことを待っていたかのような悠然と立つ橙色髪の青年の姿があった。

 

「■■■■■■■」

 

 青年はユリウスに声をかけたが、当のユリウスは青年が何と言ったのか理解できなかった。

 訳の分からない表情を見て、青年は気付いたのか、咳払いをして改めてユリウスに声をかける。


『ああ……どっちかがスキルを使わなきゃ通じないんだったな』

「そうか。お前が、異界人……」

『こっちからしたらこの街全員が異界人だけどな。まあいい。俺の名は“アーデンハイド・ウォーグル”。別に覚えなくてもいいが、一応名乗っておくぜ』

「敵とはいえ、名乗られた以上は俺も名乗らなくてはな。俺はユリウス・オーランド。この世界の『勇者』の一人だ」

『こりゃあご丁寧にどうも』


 目の前にいる人間が異界人とわかった以上、こうして喋っている間にも攻撃を仕掛けようとしたユリウスだった。

 しかし、一見隙だらけな素振りを見せるアーデンハイドだったが、対面してわかる。実際は付け入る隙がなく、不用意に近付けない。下手に動いてはやられる可能性もあった。

 

「……上空にある黒い穴もお前の仕業か?」

『いいや、あれは俺の部下が時間をかけて用意したものだ。けど、そんなことどうでもいいだろ。俺は強い奴と戦うのが好きだ。そして、『勇者』や『魔王』はかなり強いって聞いている。だから早く戦おうぜ』


 臨戦態勢に入ったアーデンハイドの闘気は、尋常ではなかった。

 ここでの戦闘は街への被害を考えると避けたいところ。


 しかし、それはユリウスの事情であって、異界人のアーデンハイドからしたらどうでもいいことだ。

 余計な思考で動きに支障をきたすわけにはいかないため、半ば諦めたユリウスだったが、アーデンハイドはユリウスの様子に疑問を抱いた。


『どうした? さっさとかかって──』


 言い切る前に何故ユリウスが仕掛けてこないのか気付くアーデンハイド。


『……ああ、なるほど。ここじゃあ、お前は本気で戦えないってわけか。仕方ねぇ、めんどくせぇけど場所変えるか』


 そう言ってアーデンハイドは魔術を発動させる。

 当然使うのは異界の魔術。故にユリウスは知らない。


 ユリウスの足元に魔法陣が浮かび上がり、次の瞬間には街からかなり離れた場所に移動していた。もちろん少し先にアーデンハイドもいる。

 このことからアーデンハイドが使用したのは転移系──『空間魔術』の一種だと推測できる。


 だが、正直そんなことは今考えることではない。

 それよりもアーデンハイドは何故わざわざ本気で戦える場所に移動させたのか。あのまま街にいた方がアーデンハイドが有利だというのに。


『ここならお前も本気で戦えるだろ。そんじゃあ、さっさと本気の勝負を──』

「待て。その前に聞きたいことがある」

『……ったく、空気読めよ。ここは話なんてせずに勝負を始めるところだろ? で、聞きたいことってなんだ?』


 好戦的なのは言動でわかっていたが、無視して向かってくることなく、話に応じるなんて意外だなと思いつつ、ユリウスはアーデンハイドに問うた。


「何故、有利な状況を捨ててまで、こんな場所に移動した? 俺が言うのも変だが、街中で戦った方がお前にとっては都合がいいだろ」

『んなもん、本気で戦いたいからに決まっているからだろうが』


 ユリウスの問いにアーデンハイドは一切迷うことなく答え、そのまま言葉を続ける。


『上に命じられているから従っているだけで、俺個人としては『勇者』や『魔王』の殺害なんて正直どうでもいい。俺はただ強い奴と戦いたいだけだからな』

「だったら、街の人間を巻き込む必要はなかったはずだ」

『そんなこと俺に言われてもなぁ。今回の件は全部部下に任せていたし。文句なら部下に言ってくれ。まあ、ここにいないから言いたくても言えないだろうが。って、話はもういいだろ。俺は早く戦いたいんだよ。話し足りないって言うなら、戦いながら話してやる。お前にそんな余裕があればの話だけどな』

 

 そして、アーデンハイドがユリウスの前から消えた。


 驚き、目を見開くも、ユリウスは自分の背後に気配を感じ取る。

 右足を一歩下げ、捻りを利用して勢いのある横薙ぎを繰り出すが、それは空振りに終わった。

 確実に気配はユリウスの背後にあった。しかし、アーデンハイドは視界の何処にもいない。


 そんなユリウスの背後に忍び寄る影。

 アーデンハイドだ。


 まず初めにユリウスの背後に回り、振り向くと同時に再び背後に回る。それが今の一瞬で行ったアーデンハイドの動き。

 鎧に守られているとはいえ、がら空きの背中は攻撃してくださいと言っているようなもの。


 アーデンハイドはユリウスが反応するよりも速く、鎧を砕く拳を振るおうとしたのだが──この攻撃も当たることはなかった。


 その拳は鎧に届く手前で、突如現れた魔法陣に吸い込まれていたのだ。

 直感が『引かなきゃ獲られる』と告げてたアーデンハイドはすぐさま魔法陣から腕を引く。

 すると、腕を引いたと同時に魔法陣はその場から姿を消した。

 

「……チッ」


 後ろにいるアーデンハイドを見ながら舌打ちをするユリウス。もう一度剣を振ってアーデンハイドを後退させる。


 再びアーデンハイドに背後を取られてもユリウスは冷静だった。

 振り返っても遅い。それなら振り返らずに対処できる方法を考えるまで。 


 攻撃系の魔術をぶつけようにも火力不足でアーデンハイドが怯まなければ意味がないし、火力が足りていても怯むかどうかわからない。


 一か八かの賭けはリスクがある。

 そこでユリウスはアーデンハイドの拳が当たる直前で『空間魔術』の【魔力門(マナゲート)】を使用し、攻撃を回避した。


 そして、【魔力門(マナゲート)】を中途半端に通っている腕は別の場所に存在しているのだ。

 今いる場所と向こう側。それを繋いでいる門を閉じれば障壁など関係なしにアーデンハイドの腕を切断できる。


 ユリウスはアーデンハイドの腕を切断する気満々だったが、結果はうまくいかなかった。

 ただ、腕の切断はあくまでも可能だったらの話。優先度的には攻撃の回避が高いのだから別に構わない。

 

『なかなか頭の回転が速いじゃねぇか。開始早々片腕になるところだったぜ。まあ、仮に片腕になっても治せるからいいんだけどな』


 と、賞賛するアーデンハイド。

 だが、ユリウスは敵に褒められても嬉しくなかった。それに、今の発言を聞くに半端な攻撃ではアーデンハイドを倒すことはできないとユリウスは認識する。

 ユリウスは剣を構え、アーデンハイドの動きを窺う。


『いいねぇ。戦う強い意思がこっちにも伝わってくる。今のは挨拶みたいなもんだ。次も同じように行くとは思うなよ!』


 アーデンハイドが動く。

 地面を抉れるほど強く蹴ってユリウスに迫り、目前にまで接近するとユリウスに向かって拳を振り下ろす。


 間合いを詰められても焦らない。

 ユリウスは剣柄を強く握り締め、アーデンハイドの攻撃を回避とカウンターを同時に行った。

 寸分の狂いもなく剣先はアーデンハイドの首へと向かっていた。


 異界人捕獲の任務を与えられているが、そんなものは二の次。そもそも手加減してどうこうできる相手ではない。


 とはいえ、こんな普通の攻撃でやられるわけないだろう、とユリウスは考えていた。

 事実、アーデンハイドはユリウスの剣を『魔力障壁』で防いだ。そして、そのまま腹部への攻撃に繋げる。

 

 無傷で済ませるには時間が足りなかった。

 そこでユリウスは少しでもダメージを抑えるために後ろへ飛ぶ。

 空いている左手を盾にして、更に『魔力障壁』でダメージを軽減したが、強い痛みが防いだ左手から全身に巡る。それでもまともに食らうよりかはマシだ。


 ふっ飛ばされたユリウスは、何とかして崩れた体勢を立て直そうと試みる。

 地面に手を着いて勢いを殺し、アーデンハイドに視線を戻したユリウス。


 だがこの時既にアーデンハイドはユリウスの上にいた。

 見上げたと同時に天から拳が振り下ろされる。

 抑えたとはいえ、先程のダメージが効いているのだろう。一瞬ユリウスの反応が遅れる。

 

「くっ……」


 辛うじて回避はできたが、ユリウスがわずか一秒であろうと宙に浮いているところを、アーデンハイドは見逃さない。


 着地する時間など与えるつもりはなく、本当に戦いを心から楽しんでいるかのように口角を上げ、ルクスに全力の蹴りを食らわせようとする。

 蹴りの到達時間を考慮すると、ユリウスに与えられた選択肢は全力で防ぐのみだった。


 わかりきっていたことだが、今度の一撃は先程とは比にならない。

 ユリウスは左腕を犠牲にする覚悟で、もう一度アーデンハイドの攻撃を受け止めようとするが、あらゆる防御手段を使っても、纏っていた鎧は凹み、肉を越して骨が砕ける。


『お前はこの程度なのかぁッ!? もっと本気でやれよッ!!』


 ユリウスの表情は激痛で歪んでいた。

 傷ついた身体を治そうとしても『治癒魔術』を使う暇がない。その前にアーデンハイドの攻撃が飛んでくる。


 それからもアーデンハイドの攻撃は続く。

 ここまで一方的にやられたのは初めてだった。


 久し振りにユリウスは恐怖を感じている。


 自分の立場や『職業』などに驕らず、強さを求めるために日々の鍛錬は怠らなかった。

 決してそれは無駄ではない。しかし、それでもアーデンハイドとは力の差が歴然だということは、この戦いが始まった僅かな時間でわかってしまった。


 負けたくない。

 こんなところで死ぬわけにはいかない。 


 その思いとは裏腹にアーデンハイドを相手に為す術なく、ユリウスは死にどんどん近付いている。










 どれくらい時間が経ったのだろうか。

 視界は霞み、身体は動かせないが、一応まだ生きている……はず。


『……おいおい。もう終わりなのか?』

「…………」


 喉は潰されていないが、声が出ない。

 勝負の末、地に伏したユリウスに向かってアーデンハイドは更に声をかける。


『最初の勢いはどこにいったんだよッ! 最初に見せたあれがお前の本気だったのか? 違うだろ、ユリウス!?』

「…………」

『はぁ……つまんねぇの……』


 返答がないユリウスを見て大きな溜め息を吐くアーデンハイド。そして、アーデンハイドはユリウスを見ながら言葉を続ける。


『ったく、クラウスやシスティーナがボロクソに負けたって言うから『勇者』や『魔王』がどんだけ強い奴なのか楽しみにしてたっていうのに、これじゃあ、その辺の雑魚と変わりねぇじゃねぇか』

「…………」

『ハズレ、だな。まあ、ごちゃごちゃ言ってもしょうがねぇ。さっさと殺して街の方にでも戻ってみるか。強い奴がいればいいんだが』


 それは……それだけは駄目だ。

 アーデンハイドが街に戻ったら更なる犠牲者が出る。次はルクスかノエルがアーデンハイドにやられるだろう。


 この身に刻まれた恐怖や絶望は消えない。

 だが、今ここで立ち上がらなければ、いつ立ち上がればいいのだ。


 気力を振り絞り、剣を地に刺して支えにし、動かなかったはずの身体をゆっくりと起こたユリウス。


 呼吸は酷く乱れ、既に満身創痍だったが、アーデンハイドを睨むユリウスの瞳はまだ死んでいない。その瞳には強い意思が宿っていた。

 もう無理だと決めつけていた相手が立ち上がったことに、とどめを刺そうとしていたアーデンハイドは足を止めて歓喜した。


「まだ……勝負は終わっていない。俺は、お前に勝つ……」

『ハハッ! ああそうだ! まだ勝負は終わってねぇ! もっとやろうぜッ!!』


 アーデンハイドは再びユリウスに迫る。

 立ち上がりはしたが、身体のボロボロのまま。


 霞んだ視界ではアーデンハイドをうまく捉えることはできない。自分に向かってきているのはわかるが、かなりぶれて見える。


 そして、不思議とゆっくりだ。今までも目で追えていたが、あれだけ速かったアーデンハイドの動きが今ではスローモーションのように見える。


 とはいえ、身体は思うように動かない。

 この場合だと、自分で動くよりカウンターを狙った方が、まだダメージを与えられる可能性がある。

 残る力を振り絞って剣柄を強く握り、アーデンハイドが間合いに入るまでユリウスは待った。


 たとえここで命を落とすことになっても──。

 

 覚悟を決めたユリウスだったが、気付いたときには視界が真っ白になっていた。


 見渡しても何もない。


 この時、視界がはっきりしていることに気付いた。

 自分の身体を見てみると、アーデンハイドの攻撃で傷ついた身体は綺麗になくなっている。痛みで動かすのも困難だった身体も問題なく動かせる。


 まさか死んだのか。


 アーデンハイドに殺されたのか、その前に意識を失って死んでしまったのか。

 もしかしてここは死後の世界──なんてことを考えていると、ユリウスの前に光が現れた。

 その光は暖かく、それでいて優しさを感じるものだった。


「あなたの覚悟はわかりました。ですが、自分の命を犠牲にしてでも勝つ。あなたは本当にそれでいいのですか?」


 聞こえたのは女性の声。

 光は大きくなり、それはやがて天使のような形となった。


「はじめまして、ユリウス・オーランド。私は“ミカエル”。私のことは共に戦うパートナーと思ってください」


 突如ユリウスの前に姿を現したのは、一対の天使の羽を持つ金髪赤眼の女性──ミカエルと名乗る者だった。

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