私は買い物に行く!
「柊...瑞希...その顔と相まって本当に女の子みたいだね、お姉さんはとっても好きよ」
「うぅ...恥ずかしいしあんまり好きじゃないんですよぉ!」
軽く赤面しているのが自分でも分かる...こんなんで高校でもやっていけるのかなぁ...
「じゃあお隣に住んでいるお姉さんからアドバイスね、自分に自信を持って...かな?」
「自信を持つ...自分に...」
身に染みる言葉だ 現在進行形で出来てない事だから 自分に自信を持つって事は自分にとって何か一つの得意分野があったり胸を張れる何かがある証拠だ、私には何もないけど
「...頑張ってみます」
「応援しているよ...瑞希ちゃん」
「ちゃん呼びはやめてください!!」
さっそくからかってきた!信じてたのに!! 私はショックを受けながら部屋に戻る
「..あーお昼ご飯作る材料ないなー...よし..!何事も挑戦だ!今日から料理に挑戦しよう!..取りあえずスーパーに行けば材料あるかな?」
昨日越してきたばっかなので何処に何があるかも分からないまま外に行くわけには行かない スマホで調べなければ
「..このスマホとかいう機械やっぱり便利だなぁ...中学までは持たせて貰えなかったし..高校生だし一人ぐらしだしで買ってもらったんだけど..便利すぎて機能が多いせいであんまり使えないや」
と言っても何の機能があるかぐらいは分かるのでG〇〇gleマップ先生にスーパーの位置を出して貰おう
「ここから歩いて10分かぁ...よし、着替えて行ってくるぞっ!」
一人暮らしだとつい独り言が増えてしまうのは仕方がない事だと思う 初めて歩く場所だし何があるか分からないので中学のジャージに着替えて歩き始める あんまり服も無いから買い足さないと
「ここがスーパーかぁ...人が多いなぁ..本とかで見た主婦達の戦争って本当にあるのかな...恐ろしい..私はあまりものでいいや」
何を作るかを決めてる訳でもないので軽く中を散策 ついでにスマホを使って検索してみよう
「料理・初心者・おすすめっと...豚汁...肉と野菜の炒め物..うーん、取りあえずこの2種類作ってみようかな」
自分で調べた通りに材料を買っていく といっても豚汁は簡単な奴だけど
「げっ..こんなにするのか、世の中のお母さんってすごいんだな...」
食材って高いんだね、私初めて知ったよ
「はぁ..10分って余裕だと思ってたけど荷物持ちながらだときついなぁ~..次から自転車先生をよう検討しよう」
そう愚痴りながら家に戻っていると左隣の部屋から音がする 帰ってきたのかな? 挨拶に行かないと
「あー..袋を持って挨拶ってやだなぁ..一回部屋に戻ってからあのお菓子を持って挨拶に行こう」
思ったことを口から垂れ流しながら一度部屋に戻り例の菓子折りを持って隣の部屋へ向かう
「..すいませーん..隣に引っ越してきましたー..柊と申しますー!」
物音がするのに返事はない 何かしているのだろうか
「すいませーん!開けても大丈夫ですかー!」
それでも返事はない その後に大きな物音が倒れるような音がした まさか倒れた!?
「!...入りますね!失礼します!」
そうして部屋に入る、音がしたのは奥の部屋みたいだ そうして奥の部屋に向かうとそこには死体と真っ黒な恰好をした人が...
「え...え?」
「..見られたならしょうがない..お前もだ、死ね」
みられたついでに殺そうとしているのかまっすぐ私に向かって真っ黒な人が歩き出す 私はというと
「逃げっ..逃げないと..通報しないと...あ、足が...」
腰が抜け足がガクガクと震えながら地面に座り込んでしまった どんどんと近づいてくる真っ黒な人 その人のナイフがゆっくりと私に向かう
そして、ナイフはゆっくりと私の胸に突き刺さった 暗転していく視界 刺さった刃物がとても熱い まるで熱の棒が体に刺さるように熱い
「すまないね..見られたからには消さないと」
「まだ...何もしてないのに..明日から..沢山楽しい事が..」
こうして私は高校デビューをする前に死んでしまった