2 やけにリアル
目が覚めた時、やけに心臓の音が大きく聞こえる。
周りを見てホッとした
「リアルな夢だったなぁ」
ただの独り言、そのはずが妙に心がざわついた。
夢のはずなのに頭から全然離れない。
「はぁ」、疲れてんのかなぁと今度はため息。
…とにかく仕事行かなきゃ。
仕事は配達と配送の仕事をしている。職場の近くのアパートを借りてるため、チャリで10分くらいだ。
朝から妙にだるいなぁと思いながら出社して、タイムカードを切る。
「おはよー、太一!朝からだるそうな顔してんな!飲み過ぎか?」
そう話しかけてきたのは同期の 横田龍太郎 だ。
龍太郎とは高校からの仲でまさかの就職した会社まで同じ!
控えめに言っても親友と呼べる仲の友達だ。
「ちがうわ〜、なんかやる気が出なくてね〜」
「なんだ、いつもの事じゃんか!心配して損したわ」
そう言いながら、ケラケラ笑ってた。
まぁただ仕事を手伝って欲しいだけなんだろうけど。
軽口を叩きながら今日も仕事を始めた。
…あー今日も疲れたぁ
体も重いし、早く帰って寝よ
そう思っていたら、
「おつー!今日も呑もうぜ!」
龍太郎に飲みに誘われた
龍太郎は酒好きだ、その後のキャバクラで綺麗なおねーさんを口説くのが楽しみの一つらしい。
「わりぃ、今日は疲れたから帰るわぁ、また誘ってくれや」
「いいじゃねーかたまにはさぁ!」
「昨日も一緒に呑んだじゃねーかよ」
「忘れたわぁ、なぁなぁ一杯だけ!なっ!」
「ったく〜一杯だけな!」
「さっすが!」
押しに弱いんだよなぁと自陣自身を反省。
まぁ明日は休みだし、いいか
そのあとは結局一杯で終わらず、龍太郎とキャバクラまで行って楽しくお喋りして帰宅。
口説く勇気も話術もない俺では当然である。
龍太郎はたまに成功するらしく、味を占めて何度もチャレンジしている。そして今回は成功していた。…正直羨ましい。
とりあえずもう寝よ、風呂は明日でいーや
そう思ってベットにダイブするのであった。
そして目が覚めた時には見知らぬ若い男女に抱きかかえられていた。