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アクトチューン
感情が、濁流のように流れ込んでくる。
長くを知り、唯一知り得なかった夢が、走馬灯のように掠めては消えゆく。
それはきっと、とても傲慢で。
それはきっと、とても我が儘で。
それはきっと、尊く儚い希望。
望んでは手に入らず。さりとて諦められない執念。
誰よりも恋焦がれた、理解などされなかった感情。
そんな、消えかけていた灯火が、今再び燃え上がる。
こちらを見つめる彼の笑顔に、そうしてようやくの答えを知りながら。
たった一つの自由を、ようやくこの胸に抱き留める。
想い一筋、頤を撫でた。




