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プロローグ
共に歩む。その本当の意味を、ようやく今知る。
言葉のない繋がりが命の重さを預け合い、同じ方を見て呼吸を合わせる。
長く時が経ったのに、変わらない。
そのことに安堵のようなものを覚えながら、腰に差した相棒に手を掛ける。
目を閉じれば、昔と同じ空気がそこにあった。
衰えただろう。擦れ違うだろう。
それでも今なお描く未来はたった一つ。それだけを頼りに自分に問う。
答えは自然と納得に代わっていた。
前を歩く背中を見つめて思う。
わたしは彼を信じられるだろうか。
わたしは彼を、庇えるだろうか。




