表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
名無しとカレンな転生デスペラードを  作者: 芝森 蛍
《天魔》と《魔堕》の境界線
64/84

プロローグ

「皇帝陛下っ!!」

「代理だ」


 窓から外を眺めていると、扉を蹴破らんばかりの勢いで断りもなく使用人が転がり込んで来た。

 彼は、失踪したセレスタイン帝国皇帝、ゼノ・セレスタインに代わりわたしが皇帝代理の座に就いてから補佐をしてくれている有能な人物。最悪彼に任せておけば国の体裁は保ってくれるだろうと安心して任せられる逸材だ。

 少々神経質で面倒臭さはあるが、右腕としては申し分ないだろう。

 そんな、いつもは沈着冷静に胃の痛い事を遠慮なく言ってくれる腹心が血相を変え、息を乱して声を上げる。


「さ、先程の揺れは一体……!?」

「……………………」

「陛下…………?」


 答えない事に(いぶか)しんで、ようやく少しだけ冷静さを取り戻してくれた彼に短く告げる。


「至急各国と連絡を取ってくれ。ベディヴィア・セミスの名前で説明は事足りる」

「……用向きは、どうなされますか?」

「《波旬皇(マクスウェル)》」

「ぇ…………?」


 一瞬何を言われているのか分からないと言う風に(とぼ)けた声を出した背後の彼。

 そんな彼を叱咤(しった)するように言葉を重ねた。


「かの災厄の封印が解けた。セレスタイン帝国は全土と全勢力を()ってこれの対処に当たる」

「……………………っ!! わ、分かりましたっ!!」


 ここへきた時とは真逆の雰囲気を纏って彼が部屋を飛び出していく。

 気配と足音が遠ざかっても尚、窓の外へ向けた視線を外す事はできなかった。


「今度こそ」


 その呟きが、希望を夢見ての事なのか。それとも絶望を想像しての事なのか。

 自分でも分からないままに、拳を握る。

 そこにいない、誰かの温もりを探すように。

 過去を、慈しむように。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ