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アクトチューン
今の居場所に戻って行った彼女を見送って小さく息を吐く。
無事である事を祈りながら踵を返せば、そこには見慣れた塊が蠢いていた。
「みんなが揃ったみたいだね」
会話には満たない。しかし言葉無き言葉で感情を交わす。
「約40年。互いに長かった。けど、その天秤も今日で終わり……始まりだ」
本当はもっと長い。……気の遠くなるような時間を経てきた。
だからこそ理解を超えた納得がこの胸の奥にある。
「さぁ、あの時に見失った決着を、今一度。わたしが勝つか、君が勝つか。勝負だ────《波旬皇》」




