第11話:ニート、メイキング
ダンジョンとは、人工的に造り出された迷宮である。
周辺地域の環境からかけ離れた独自の生態系を構築することができ、ダンジョン内部で食糧事情もすべて完結した様子は、さながら小型の異世界であるとすら言ってもいい。俺の知っている自然公園などとは訳が違う。
かつての世界で例えるなら、恐竜が現存していて、なおかつ彼らが生活していた当時の地球環境が再現されている。それほどのレベルで、完全に外世界とは別物なのだ。
よって、人間の常識はダンジョンにおいて通用しない。ダンジョンの内部ではダンジョンの法こそが絶対であり、それらを読み解くことができなければ、生きて奥まで達することは困難である。世界という名の迷宮は、人々の足を止めるには充分すぎる。
かつての魔王が産み出した偉大な遺産のひとつ、それがダンジョンなのだ。
……ということを、俺はゼノビアさんに説明された。
「いいですか、魔王さま。しかしながら、それほどに異常な環境は簡単に作り出せるものではありません。
ダンジョン内部を異界化し続けるための莫大な魔素――それを放出するのが、この<マター・デュプリケーター>……人間たちの言葉でいえば<ダンジョン・クリスタル>です」
ゼノビアさんが示したのは、ダンジョン最深部の中央に存在する巨大な結晶体だった。
高さは、俺を追っていた頃のガルムに匹敵する。最大で5メートルといったところだろうか。それが地面に突き刺さっており、<マター・デュプリケーター>の刺さった地表周辺には亀裂が走り、そこからも無数の細かい結晶体が頭を覗かせている。地中に根付いているのだろう。
「このクリスタルは、人間にとってはダンジョンを維持するための魔素を放出する物体でしかありませんが……。魔王さま、クリスタルの表面に触れてみてください」
言われるがままに、クリスタルに触れてみた。掌が接触すると、氷に触れたかのように冷たい。
「そのクリスタルも<ドミネーション>することができます。それによって、名実ともにダンジョンの支配権は魔王さまのものになります」
俺はここでも<ドミネーション>を実行した。
少しの間だけ魔王の姿となり、クリスタルに向かって呪文を唱える。クリスタルは一瞬だけ発光したが、それはすぐに収まった。
モンスターに向かって唱えたのと同じように、ぱっと見なにも変化がない。
「で、これをすると、いったいなにが――」
クリスタルに手をついたまま振り返ろうとして、ずきんっ、と釘をねじ込まれるような痛みが脳に走った。
「いったたた……。……おお?」
視界内に、突如として幾つもの情報が濁流となって押し寄せてくる。目の前に無数の文字があらわれ、文字の上に文字が被さり、文字が文字として認識できなくなる。子供がクレヨンで無茶苦茶に線を書き殴り、やがて塗りつぶされて面としか認識できなくなったように、俺の視界の情報は意味を失っていき……。
「魔王さま、自身が最も情報を扱いやすいと思う画面構成を思い浮かべてください」
最も……。
言われるがままに、俺はいつも情報を整理するときに使っていたUIを思い浮かべる。それは誰しも一度は見たことがあるのではないかと思うほどにポピュラーなものだ。
視界内の文字列/情報が小型のウィンドウの内部に収められる。ウィンドウは情報の種別ごとに別れており、レイヤーとなって幾つも折り重なって表示された。単純に言うと、パソコンのオペレーション・システムのUIそのものになった。
「魔王さま、それがダンジョンの管理者ツールです。魔王とモンスターだけが管理者権限を持ってアクセスできる、深層領域です。たったいま、管理者がガルムから魔王さまに移りました。これでダンジョンの増築、メンテナンスができるようになりましたね」
視界内のウィンドウには、様々な情報が表示されている。中でも目を惹くのが、ダンジョン内の全体マップだ。光点がいくつも点在し、どこにどんなモンスターがいて、どんなトラップがしかけられているのか判別することができるのだ。
「……おお、これすごいな。クリスタルに触れている間だけ全体マップが見られるのか」
「それは伺ったことがありません。その能力も、魔王さま固有のものでしょう。私が知っているものは、ダンジョンの管理、成長に関するものだけでしたので。
魔王さま、あなた様は今後、この<ダンジョン・クリスタル>に触れ、代償を支払うことでダンジョン内環境を整えることができます。
例えば、構造を変えたい……といった時も、そこから設定を選択することで行うことができるでしょう」
「へえ。ところで代償って?」
「お金です」
「ここでもか!」
地獄の沙汰もなんとやらである。
「自然環境に意図的な変化をくわえるには、やはり魔素を消費するしかないですから。とはいえ、クリスタル自体も魔素を自動生成することができますので、多少はそちらからまかなえるとは思いますが……」
「なるほど、魔素を自家発電できるのか」
説明を受けていて、段々とわかってきた。
ダンジョンのルールは、大まかに言えば、これだ。
その一、ダンジョンは大幅な改築はおこなえない。理由は技術的にできないというより、現在ではダンジョンが国によって管理されているからだ。ここからここまでの土地を使っていいですよ、と規程されているので、勝手に拡大してはいけないし、規模が大きくなりすぎれば管理しきれないのではないか、と懸念されるからである。
人間に反旗を翻す俺ならば、まあ国が定めた法律にしたがう必要もないのだが、動きを気取られては本末転倒だ。気をつけよう。
その二、ダンジョンは資金を支払い魔素を使用することで、成長させることができる。植物を成長させれば新たな生態系が産まれるし、それによってモンスターたちも新たな進化を遂げるだろう。ただし、ゼノビアさんに釘を刺された。
「強いモンスターが発生した場合、それまでいたモンスターが駆逐される可能性があります。リトル・ボアなどはその最たる例ですよ」
その三、ダンジョンの外壁や地形は破壊できない。この森も、火を燃やすことができない。ただし、地形が変化しない範囲――枝を燃やすとか、折るとか――は可能である。これはクリスタルによって保護されているらしい。
まあ、そうしないとこの森なんて焼き討ちされたら終わりだ。
その四、トラップの設置。これも資金を支払うことで購入することができる。この世界では、人間が販売しているということだ。
「なんで、人間の娯楽として使われてるダンジョンに、トラップなんて設置する文化があるんだ?」
「怪我をして逃げ帰ってくれた方が、乱獲も防げて入場料もまきあげられるではないですか」
うわ、商売の闇だ。
その五、ダンジョン・クリスタルが破壊された場合、ダンジョンは維持できなくなる。
ダンジョンは、クリスタルから発せられる魔素によって外界の法則から遮断され、その形態を維持しているらしい。よって、それが破壊されると、その構造を維持できない。自壊していき、内部のモンスターも世に解き放たれる。
「……まあ、人間はダンジョンからモンスターが溢れるのは危惧していますが、短期的に被害は出しますが大きな被害にはなりません。生態系に適応できず、大概は死にます」
「人里に降りたクマみたいなもんだな」
あと、そもそも、ダンジョン・クリスタルの破壊は人間には不可能であるらしかった。でなければ、ダンジョンが一般に開放されたりはしない。
「基本的に、大地に根付いたものですからね。むしろ、人間はダンジョンのまわりに村を作るといっても過言ではありません。もっとも、魔王さまでしたら、クリスタルを産み出すこともできるのですが――。
まあ、魔王としてもっとレベルを上げなければ不可能でしょう」
「具体的に言うと」
「1000くらい」
「無理!」
ともあれ、基本的に人間にとって、クリスタルはブラックボックスだ。
よって、ダンジョン管理士が周辺環境を管理することになる。それでも管理業が専門職であり、参入の敷居が高いのは、俺の世界を思い出すだけでも理解できる。
自分以外の意志が介在する存在を管理、維持するというのは、それだけで大変なのだ。でなければ、子育てでの苦労や悲鳴も聞こえてくるはずもない。
「ですが、魔王さま。魔王さまでしたら、いまの人間がおこなっている自然界のルールに則った、手作業でのダンジョン管理とは違い、魔素の消費で個別にダンジョンをリフォームすることが可能なわけです。これは大きなアドバンテージですよ」
「でも……お金は必要だと」
「はい、財政係の取り立て天使はや強情ですから。見逃してはくれないでしょう」
あっ、この口座からの自動天引きって天使がやってるんだ。どこにいるんだ、天使。
困った。ともかく、お金が必要であるという問題はなにも解決していない。異世界といえど、行動をおこすにもまず資金源が必要不可欠なのである。
「ふつうなら、宣伝して入場料でも徴収すればいいのですが」
ゼノビアさんの提案も、どこか遠慮がちだ。それもそうだろう。俺は前に言われたことを思い返していた。
「この村にはいないんだよね、そもそも冒険する人が」
「はい。別に、冒険者ではなく村人を招くのもいいのですが……」
「こないよなぁ」
そこいらを歩いている一般人に武器を持たして「ハンティングしない?」といっても、しないだろう。しかも相手は余裕で反撃してきて死ぬ危険もあるとなったら尚更だ。まあ、とんでもなく弱いモンスターしかいないけれど……。
「定石としては、宣伝をうってみるといいですが。このダンジョンのウリとはなんでしょうか」
「……自然が綺麗」
なんの役にもたたんな。
「もうさ、いまのままでダンジョンに引きこもってもいいんじゃないかなぁ。きっと隠れてたらバレないよ、うん……」
「魔王さま、ふつうに見つかって殺されるのがオチですよ。そもそも、敷金礼金だって未払いなのに」
「家賃だけかと思った!」
「温情で遅らせてもらっただけですよ」
じゃあ可及的速やかにお金稼がなきゃダメじゃん!
「やっぱり金は大事なんだなぁ。密かに強くなろうと決心してた気分が萎える……」
「いつそんな殊勝な決心してたんですか」
「そういう気分になるときだってある」
間違ってもお前のせいだとは言えない。恥ずかしい。
……へっくし。
「ううっ、冷える……」
気づけば、もう夕日は沈む直前だった。急に森の中が冷え込んできて、俺の躯はどんどん冷たくなっていた。
「いまから帰っても宿泊費すらありませんし……野宿でもしますか。焚き火をしましょう」
枯れ枝を集めてきたゼノビアさんが、クリスタルの近くで枝の山をつくって呪文を唱え始めた。
「火よ、この指は蝋燭。ランタンに座す燭台なり。ファイア」
人差し指の先に、ライターほどの小さな火が灯る。枝に火をつけると、ゼノビアさんはそれを吹き消した。
俺は焚き火の前に体育座りすると、手を擦りあわせた。うう、躯に染みる。
「ちなみに今ので魔素代は50Jです」
「どんどん身銭がなくなっていく……」
前世では、ストーブのツマミをひねるだけで暖が取れたのになぁ。
幸せとは、失ってから気づくのだ。
「ところで、魔王さま。スライムとガルムの行方を知りませんか?」
「ん?」さっきから気配がないな。と思ってミニマップを見る。「通路に引き返してたみたいだ。こっちに戻ってくるぞ」
「バウワウウ!」
ガルムの鳴き声に振り返ると、スライムとガルムが一緒になってイモを持ってきていた。スライムは頭(?)の上に載せていて、ガルムは複数のイモの葉を口にくわえている。
二匹が焚き火の前に、たぶん掘り当ててきたらしいイモを置いた。ガルムが尻尾をぱたぱたと振っている。
「ま、まさか……おまえら、俺たちのために掘ってきてくれたのか。イモを……」
感動。ああ、人に食べ物をもらうというのは、これほどまでに感動的なことだったのか。たしかにこれは喜んでしまう。感涙しそうになりながら、俺はイモに手を伸ばした。
ガルムに手を叩かれた。
「ガルルル!」
「なんで!?」
「バウ!」
ガルムがゼノビアさんの方を向いてバタバタと尻尾を振っている。こいつ、媚びる対象を選んでやがるな!
ちょんちょん。スライムに足をつつかれた。うねうねと動いて躯の一部が伸びてイモを指している。ああ、おまえは俺にくれるのか。
「もうおまえだけが俺の拠り所だスライム……いや、今日からお前はスライムの『ライム』だ。決定。おまえの名前はライムちゃん!」
「安直ですね……。
いっそ、二文字にした方がいいですよ。ラムちゃんとか」
「いや、それはマズい」
色々とマズい。
次にガルムの方を見下ろした。
「おまえの名前は……ゴン太でいいよ。おまえ今日からゴン太な」
「ガルルル!!」
うわっ、めっちゃ歯茎剥き出しにして睨んでくるんだけど! 怖いわ!!
「ゼノビアさん、リピートアフタミー!」
「ゴン太」
「ワン」
「よし」
ガッツポーズ。一瞬の出来事だった。
さて、名付けも終わったところで、イモに目を戻す。
「ふぅーむ、しかし今日のメシはイモかぁ」
「えっ」
「えっ」
「食べるんですか、イモ」
「食べないの、イモ!?」
ゼノビアさんが露骨に顔をしかめた。なに、この世界だとそこまでイモに忌避感あるの!?
「地域によっては食べるかもしれませんが。基本的に放置されたダンジョンに根付く邪魔なものですからね……雑草と同じ扱いですよ」
もしかして、根菜を食べる文化がないのだろうか。カルチャーショックだ。
「それに、ダンジョンのものはモンスターが食べていることが多いですから、特に不浄なものだと忌み嫌われていますね。ダンジョンに根付いたイモは、俗にクズイモと呼ばれる始末ですよ。つまり魔王さまのお仲間です」
「おまえ! イモに向かってなんだその口の利き方は!!」
「そっちなんですか」
当たり前である。今にイモ神さまのバチが当たるぞ。
「イモはな、その豊富な栄養価と育てやすさで人類を救ってきた由緒正しい野菜でな……」
「そんな歴史はありませんが」
「俺の世界には! あったの! イモを見くびった罪は重い。今にごめんなさいさせてくれるわ!」
*
そんなわけで。
魔王さまの簡単野外クッキング。
道具。ゼノビアさんが宿で貰ってきたフライパンと包丁、まな板。
材料。ゼノビアさんが宿で貰っていた分の干し肉。クズイモ。
まず、クズイモの皮についた土を服の裾で擦って落とす。
あらかた落としたら、葉を切り落とした後、皮むきに移る。左手にイモを持ち、右手で包丁をいれていく。親指で皮を押さえながらイモをまわしてパパッと剥いた。
次にクズイモの芽を取り除くため、その周囲に切り込みをいれておく。初めて扱うイモなので、念のため深く入れておく。包丁の付け根の角を亀裂にねじ込んで、そのまま芽を抉りとった。
焚き火の前でイモを見回して皮も芽も残っていないことを確認したら、これを乱切りにしていく。包丁で真っ二つにすると、さらにまた半分に切る。そこから斜めに包丁をいれていって一口大の大きさにしたらオッケー。
フライパンに油……はなかったので、刻んだ干し肉をいれて、焚き火にかける。フライパンの温度があがるにつれて、肉がジュウウウと音を立て始めた。油が染みだして、熱した鉄の上で油が次々に気泡を弾けさせる。
肉に火が通っていく香ばしくも食欲を誘う臭いに満足する。うん、これは俺が親しんでたベーコンみたいな感じだ。この調子なら肉から出てくる油分でもなんとかなるだろう。
途中、干し肉だけ陶器の皿に除けて、残った油でクズイモを炒める。そしてイモが柔らかくなってきたら肉を戻してサッと炒めて……。
「まあ、こんなもんだろう」
調味料もなにもない、単なるジャーマンポテトもどきが完成した。
「これ、食べられるんですか? 本当に?」
皿に盛りつけたイモと肉を見ながら胡乱そうに聞かれた。失敬な。
「大丈夫だよ。こんな簡単な料理で失敗するわけないだろ。ほら食べてみろ」
「まずは魔王さまが毒味を」
「毒じゃないから!」
あと俺が毒味役っておかしくない?
ゼノビアさんが凄まじく疑わしげな目で俺を見ていたが、やがて観念したかのようにフォークをイモと肉に伸ばした。突き刺して口に運ぶ。
ぱくり。
「…………」
沈黙。
もう一度ぱくり。
「……私は錯乱でもしたのでしょうか。ふつうに美味しいです」
「うん、一言余計だよね」
最初の言葉いらないよね。
「でも、これは……ええ。舌の上にほのかな甘いイモの風味と肉からしみ出した塩味が広がって、良い組み合わせになっています。この甘辛さと暖かさが肌寒い夜にはありがたいですね。
これはアルコールが欲しくなってくる味付けですが、いま手持ちになにもないのが悔やまれます」
ぱくぱくぱく。
うわぁ、なんかすごい食いっぷりだぞ。見てるこっちが関心して見入ってしまう。
「……はっ」
ゼノビアさんが手を止めた。
「失礼しました。魔王さまの分まで食べてしまうところでした」
「いや、いいよ別に。最初から一枚の皿に盛りつけちゃったのは俺だし。俺は自分の干し肉を食べたからもう充分なの」
そういうことなら……、とゼノビアさんは残りも口に運び始める。
「バウウウウ!!」
ゼノビアさんの側でゴン太が尻尾をフリフリしている。ふはは、ワンコ。貴様の分など元よりない! ……あ、ライムも物欲しそうにうろうろしている。しまった、アイツの分は作ってやるべきだった。
そうこうしているうちに、ゼノビアさんが食べ終えて、ふう、と一息ついていた。
「ごちそうさまでした。世の中には良いクズもあるものですね」
「お粗末様でした。あとほんと口減らなくない?」
そこで皮肉がでてくるのおかしいよね?
「そういう意味ではないのですが」
「ん?」
「なんでもありません。では、片付けをしておきますので、魔王さまは寝る支度でもしておいてください。私の荷物の中に敷物がありますから」
「いよいよもってアウトドアだなぁ。……でも、やっぱり寝る前に風呂入りたい」
あと、服は焚き火に当たってたから乾いてきたけども。
「そうはいわれましても、この辺りに水場はありません、し……」
そこでゼノビアさんの目が泳いだ。俺も視線の先を追ってみる。
スライムが、ぬるぬるとフロアの端に移動していた。すると、その足元の地面が開く。ショクシュカズラが口を開けたのだ。スライムはそのまま、ぬるりと植物モンスターの中に入っていった。
………………ああ、そういえば。
「ねえ、ゼノビアさん」
「なんでしょうか、魔王さま」
「……ショクシュカズラの中って、暖かそうだよね」
「…………なにも聞かなかったことにします」
「汚れとか、落としてくれるんだよね」
「存じ上げません」
「男は度胸だ!」
「いつものふぬけに戻りなさい!」
「魔王には! 無謀と思っても挑むべき試練があるんだよ!!」
――そう。俺は普段はインドアだが。
修学旅行にいけば無闇に弾けて木刀とか買ってしまう。そういうタイプなのだ。
ただし最後には引率の先生に止められてしまう。そういうタイプなのだ。
ゼノビアさんに抑えつけられて必死に抵抗する俺の方を見て、ゴン太は地面に座り込んで一声吠えた。
「バウ……」
そして一足先にヤツは寝た。
ダンジョンの夜はふける……。
【リザルト】
■[魔王] 根城・鹿馬 LevelUp!
ジョブ『魔王』レベル:0→1 総合レベル:0→1
■[メイド] ゼノビア
ジョブ『メイド』 ジョブレベル内訳:不明 総合レベル:4774
■[スライム]ライム LevelUp!
ジョブ『スライム』レベル:3→10 総合レベル:3→10
■[ガルム] ゴン太 LevelDown……
ジョブ『ガルム』レベル:212→38 総合レベル:38
■所持金:9000億8056万J → 796J
■戦利品
・若草森林ダンジョン <マター・デュプリケーター>確保!
→翌日に進む。




