■ 第三部 あらすじ・登場人物・用語
【注意】ここから先は第三部のネタバレを含みますので閲覧にはご注意ください。
◆第三部 あらすじ◆
天使の領域からエンシッダたちに銀月の都と呼ばれる過去の人間文明の空中都市に連れて来られたヒロは、そこでエンシッダと未来を予言できるというヴィ・ヴィスターチャから、一連の事象が彼らによって決められたことだったと知り愕然とし怒りを覚える。しかし、突如天使たちが人間の都・罪人の巡礼地を襲撃しているという情報が入ったために、ヒロは彼らから話をそれ以上聞くことができず、そこにいる人々を助けるためにティアたちとともに戦いの中に飛び込むこととなる。(第49〜56話)
そして、罪人の巡礼地でヒロはティアと女神の十字軍の少年ケルヴェロッカと共にエンシッダが天使の領域から攫ってきた白き神イヌア・ニルヴァーナを守りながら、天使たちの襲撃により炎上した都の中で封印された『灰色の花園』を訪れる。そこで白き神を奪い返すために待ち伏せをしていた万象の天使たちに襲われる。しかし、そんな中でヒロは過去の幻影に囚われ、一人忽然と姿を消す。(第57〜61話)
5年前、ヒロは病死した父親の意思を継いで罪人の処刑台という名の亡国の廃墟を訪れ、そこでユイアという名の娘と恋仲になった。しかし、『異端の扉』と呼ばれる手がかりを前にしてユイアを異次元に連れ去られ、彼女を助けるために自分の命すらも犠牲にしようとした。しかし、ユイアはヒロを守るために黒の剣で自らの胸を刺し、その力を解放することでヒロを助けた。そのことはヒロに大きな悲しみを残した。(第62〜68話)
そして、そのかつての恋人ユイアの幻影に導かれ一人、灰色の花園の奥に進んだヒロを迎えたのは黒き神ウ・ダイ。白き神によって封印されている彼は、ヒロがかつての自らの下僕であった悪魔ヴォルツィッタであると告げ、ヒロに自らの封印を解くことを要求した。しかし、ユイアの死が黒き神の策略によるものであることを知ったヒロは黒き神に襲いかかり、その中で灰色の魔力に目覚め次第にその魔力に飲まれ自我を失ってしまう。(第69〜73話)
一方、ヒロがいなくなった後にらみ合いを続けていた万象の天使エヴァンシェッドとティアたちであったが、突如として起こった灰色の魔力の暴走により混乱に陥る。ティアはエンシッダに命令されたいたとおり白き神を連れてすぐさま罪人の巡礼地を逃げるのだが、その最中三大天使の一人、蒼穹の天使シェルシドラたち天空騎士団に出くわし追われることとなる。しかし、ケルヴェロッカの力により逃げることに成功し、その報告を受けたエンシッダは急ぎ撤退を命令する。(第74〜77話)
そして、灰色の魔力の暴走の原因を探ろうと一人花園の奥に進んだ万象の天使であったが、彼はそこで自らが封印したはずの黒き神と悪魔に体をのっとられてしまったヒロに出くわし混乱する。しかし、悪魔により黒き神は消え、同時に彼は花園から弾き飛ばされる。悪魔の言うとおり天使たちを連れてすぐに罪人の巡礼地から逃げた万象の天使だったが、その直後、一瞬にして都が無に帰すという異常事態を目の当たりにすることとなる。(第78〜81話)
◆第三部 登場人物◆
【人間陣営】
ヒロ
過去に『異端の一族』と呼ばれていた黒き神の下僕とされる黒の一族の末裔。万象の天使エヴァンシェッドの片翼の封印を解いたことにより、様々なことに巻き込まれている。
しかし、第三部により彼がかつてエヴァンシェッドの翼を切り落とした悪魔ヴォルツィッタの生まれ変わりであることが発覚。ヒロは悪魔に体をのっとられたまま第三部を終了。今後、彼がどうなるのか作者もわからない状況である。ちなみに、その名前は『何一つ持たない者』という意味がある。
エンシッダ
『嫌がらせの君』で知られた(?)悪意と不敵に満ちたエンディミアンの長。現在は天使たちに反旗を翻し、空中都市銀月の都で人間たちの長として天使たちを敵対の意思を見せている。
白き神イヌア・ニルヴァーナに忠誠を誓い、未来を予知できる少女ヴィ・ヴィスターチャを使って自分の思い通りに世界を動かしているようだが、その目的やその行動の理由は未だに謎に包まれている。一見、好青年で人当たりはよさそうだが、それは全て演技。腹黒の性悪。
ティア
エンシッダの配下の人間。女性ながらに大きな剣を振り回し人間であるにも関わらず魔力を有しており、エンシッダからも一目を置かれていようだが、その正体は謎が多く残るところ。
赤い瞳が印象的で作者のイメージとしてはアジアンビューティーな感じだが、その中身は相当きつくてがさつ(笑)ただ、ケルヴェロッカに対する彼女の感情を見てもらうと分かるが、母性は強い。
ヴィ・ヴィスターチャ
エンシッダの傍らに立つ未来を見ることができる少女。造りもののように目を見張る美少女だが、感情の見えない冷たい印象しか誰にも与えない。
ケルヴェロッカ
まだ十代の前半であろう幼子だがエンシッダの配下の中でも女神の十字軍と呼ばれる軍事集団の一人。神の子と呼ばれる特殊な魔力をもつ人間だが、神の血の謎などその存在はよく分かっていない。
愛犬ロッソといつも一緒で戦闘においては彼を巨大化させている。子供ながらに白き神の護衛を任されるほどに強いが、中身はまだまだ子供である。
ハクアリティス
エンディミアンの女性。ヒロたちに対しては自身のことを『天使の花嫁』であると名乗り、エヴァンシェッドの妻であると主張している。しかし、第三部で彼女の死体が灰色の花園にあり、ラインディルトに異常に怯えている様子などが見られるなどの多くの謎を残す。美しい女性だが、非常に我儘で自分勝手。
ハレ
女神の十字軍の一員。
その中心的人物らしく、神の子たちの指揮や統率をエンシッダには任されている。
ヒノウ
エンシッダの配下であった黒の槍を有していた黒の一族。『であった』というのは、第二部で彼はすでにヒロ暗殺に失敗し天使に囚われたため、エンシッダによってすでに殺害されているから。しかし、彼の死の真実は伏せられ、名誉ある殉職扱いになっている。
ユイア
5年前に黒の剣の力を解放するためにその命を自ら絶ったヒロの恋人。詳しくは閑話『私は貴方のためだけに歌う』を参照してもらいたいが、彼女の決断によりヒロは黒き神と下僕関係を結ばされずにすみ、彼女は死してなおヒロを見守り続けている。しかし、ヒロは未だに彼女を思い悲しみに縛られ続けている。
ササラ
10年ほど前に亡くなっているヒロの母親。詳しくは閑話『何一つ持たない者』を参照して頂きたいが、悪魔と名指しされて生まれてきたヒロの行く末をとても憂いていた。ちなみに最後まで出てこなかった『旦那』ことヒロの父親の名前は「エンザ」という。
【天使陣営】
エヴァンシェッド
白き神の加護を受けた天使の長たる万象の天使。純白の翼を持つ、男にしておくには勿体無いほどの絶世の美男子で、そのためかはわからないがエンシッダや黒き神など厄介な人物たちから目の敵にされている。本当の名前は『ヨイ』というらしいが、その名前は捨てたらしい。
シェルシドラ
三大天使が一人蒼穹の天使。青い翼をもち、金髪に碧眼という派手な容姿をしているわりには割と親しみやすい人物。天空騎士団第二師団の団長であり、天使の中では最強と謳われるほどに強い。
ラインディルト
三大天使が一人 大地の天使。赤い翼をもつ、かつては天使族の王族であったが、現在はエヴァンシェッドに忠誠を誓っているとされている。しかし、現在は天使たちから離れ銀月の都におり、エンシッダと通じている模様でどうにも謎な部分が多い。
ジグラッド
赤味がかった翼をもつ、実は天空騎士団第一師団の団長。彼を見たティアに『デカ』と愛称が付けられるほど大きな体をしており、見るからに強そうな容貌をしてるがその強さは未だ未知数。
ディアス・オーレ
青味がかった翼をもった天空騎士団第二師団の副団長。シェルシドラの実弟で金髪の長い長髪が印象的。
マリアーナ
茶色っぽい翼をもつ天使。ディアス・オーレと同じく第二師団の副団長。シャオンとは犬猿の仲のようで喧嘩が絶えないらしい。ティアが愛称をつけたように、絵に書いたようなキツネ顔。(ちなみに実は名前だけはディアス・オーレとともに第一部あたりで出ていますが、お気づきでしたか?)
シャオン
赤味がかった翼をもつ第一師団の団員の一人。ヒロやティアが言っているように非常に露出をした服装をしており、子供の教育上あまりよろしくない姿をしてる妖艶な天使。
【その他】
白き神イヌア・ニルヴァーナ
生命を司る白き魔力の源である神。神殺しを行った黒き神を封じるために千年前、天使たちとともに彼を封印した後は神のゆりかごにいたが、エンシッダの誘いにより現在は人間たちの手の中。エヴァンシェッドに懸想している様子だが、行動には矛盾ばかりで何を考えているかいまいち分からない。
黒き神ウ・ダイ
死を司る黒き魔力の源である神。千年前に神殺しをしたことにより、白き神の名のもとに天使たちに封印された神。この世で唯一灰色の魔力を使うことができる異端の一族を従えており、彼の封印を解除するためにはその灰色の魔力が必要らしくヒロを付け狙っている。
神という割には姿はとてもみすぼらしく柄が悪い。言葉を汚く伸ばすようなしゃべり方をする。
悪魔ヴォルツィッタ
千年前にエヴァンシェッドの翼を切り落とした黒の一族。しかして、そのために白き神の逆鱗に触れ罪人の巡礼地にて処刑されたと言われている。その処刑は魂すらも破壊されるという処刑の中でも最も重い刑であり、その場所は未だ異端の扉により封印され巨人によって監視され続けているなど、あまりにその存在は特別視されており彼の存在については多くの謎が残る。
◆第三部 用語◆
魔力
神によって与えられた天使たちが有する特殊な力。人間は持ってないことが通常。源とする神によってその色は変化する。しかし、ヒロが持つ灰色の魔力だけはその源が何者なのか分かってない。故にその魔力は異端と呼ばれ、ヒロの先祖である一族は異端の一族と呼ばれいた。
異端の一族
千年前に灰色の魔力を有していた一族。しかし、灰色の魔力に体を蝕まれ痛みを抱えていた一族は黒の神に助けを乞い、神の下僕になることでその痛みから解放されたという。そんな経緯から黒の一族とも呼ばれ、それは現在の流離人につながっている。
黒の武器<カシュケルノ>
黒き神と異端の一族の契約の証。黒き神の力の結晶であり、その力を得ることで灰色の魔力の苦痛から解放され、また、それのためにその力を黒き神のためにしか使うことを許されなくなった。7つの黒の武器があり、それと契約するためには使用者の大切な人の命を捧げなくてはならない。
封印されし異端<エルヴァナンド>
異端の扉の先に広がっていた異次元。
異端の扉
罪人の処刑台の隠し部屋にあった悪魔ヴォルツィッタを処刑する際に使われたといわれている開かずの扉だったが、黒の武器に反応して5年前に開いた。
罪人の処刑台<ディッチ・ア・ヴァリス>
千年前に神と天使に逆らう人間を処刑するだった場所。
亡国の廃墟<ドルガバ・チェシエ>
千年目に滅びたかつては栄華を誇っていた人間の文明の残骸。現在はその残骸にアーシアンたちが住み着いているケースも多々ある。
銀月の都<ウィンザード・シエラ>
巨大なる空中都市。亡国の廃墟の一つ。現在はエンシッダらに占拠され、人間たちの天使たちと戦うための拠点となっている。その中央には月見の塔<ミュージ・アシェタ>と呼ばれる中央塔がある。
罪人の巡礼地<アークヴェル>
アーシアン最大の都。千年前は黒き神の都だったらしい。
灰色の花園
罪人の巡礼地に封印されていた全てが灰色という異常な花園。灰色の魔力が封印されていた場所らしいが、その一方エヴァンシェッドの妻の遺体が聖櫃に納められていたなど、謎が残る場所。
神の子<マイマール>
エンシッダの配下の中でも女神の十字軍<イヴィスタン・ディード>と呼ばれる集団に属している人々の総称。神の血<ニス・ドゥア>というものを有しており、その力は未知数。
ウァブーシュカ
悪魔曰く世界の理を守るためのドデカイ怪物。どうやらその力のために罪人の巡礼地は一瞬にして消滅した模様。
◆第四部 予告◆(注)非常にあてになりません。
この世界から跡形もなく消えた罪人の巡礼地。その後、人間と天使たちの間にはしばし沈黙の時が流れる。
しかして、それはすべてが嵐の前の静けさ。
『これが・・・天使の正体?』
明らかになる真実
『全ては我が愛し人のために』
愛が狂気に変わる瞬間
『獣の王に謁見を求める』
新たなる存在の予感
『あの始まりの場所へ!!!』
そして、世界はついに動き出す
はたしてヒロは生きているのか?
人間と天使の戦いの行方は?
さまざまに絡みつくそれぞれの思惑は、果たしてどこに向かおうとしているのか?
多くの謎を抱えたままその一端を明らかにする第四部(予定)は、そのうちお送りします!
これで本当の意味で第三部は終了しました。ここまでお付き合いいただいた読者の皆様お疲れ様でした!ありがとうございます。いくらか用語などにも注釈を付けてみましたが、まだほかに何か分からないものなどありましたらお気軽にご質問していただけると勉強になります!
さて、さんざん悩んできた今後ですが・・・、第四部をのんびり更新しながら、並行してのんびり加筆修正を進めていこうかな?と思っております。番外編も考えていたんですが、まあ、あまり色々と手を出して収集をつけれなくなるのも怖いので本編にめどが立ったら・・・ということで(果たしてそんな日が来るのかわかりませんが)なので第四部の更新などは今よりもかなり遅くなる可能性がありますが、頑張って更新していきますのでどうぞこの作品を見捨てずにいて頂けると嬉しいです!今後ともよろしくお願いいたします!!