■ 第二部 あらすじ・登場人物・用語
注意
第二部の内容を含みますので、本編を読まれてからの閲覧をお勧めします。
【第二部 血塗られた楽園編 あらすじ】
エヴァが、片翼の天使であり、天使一族の長たる万象の天使・エヴァンシェッドの翼に戻り、世界から消え、そして、黒の一族だと名乗る男に重症を負わされたヒロは、心身ともに深い傷を負った。そんなヒロを看病したのが、リリアナという名の女性天使。
彼女はヒロの看病をエヴァンシェッドに頼まれたと話し、ヒロはそれに疑問を覚える。
そんなヒロの元に慌てて転がり込んだは天空騎士団の天使エンリッヒ。彼はヒロに重症を負わせた黒の一族が牢屋の中で殺されたことを告げる。
(第二十五〜二十六話)
エンリッヒがヒロを心配したのは、三大天使の一人サンタマリアの命令があったからであるのだが、その話をしていた時に丁度エヴァンシェッドが登場。
彼はエンリッヒを不思議な力で魅了してサンタマリアがヒロを欲している話を聞き出す。
一方、ヒロがどうして自分を助けたのだという問いには何も答えない。ヒロはエヴァンシェッドに不気味な力を感じとる。
(第二十七話)
不浄の大地に帰りたいというヒロを、エヴァンシェッドは天近き城内の自宮に半ば軟禁。
一か月ほど時間がたった頃、ヒロは不穏な噂(ヒロがエヴァンシェッドの男の愛人だという噂)にブチ切れて、愛人といちゃいちゃしていたエヴァンシェッドに殴りこみ、エヴァンシェッドの力に屈することなく、彼に喧嘩を売ると、そのまま天近き城から逃走する。
しかし、その際に道も何もわからないヒロは、高層都市である白き神の御許の最高層部分である・天近き城層から落下してしまう。
(第二十八〜三十話)
一方、ヒロに逃げられたエヴァンシェッドは、何者かがヒロを殺そうとしている影を感じ取り、またサンタマリアからはヒロが天近き城層から落ち、且、落ちた先が偶然昨晩火事があった場所だったらしいという事から、彼は死んだのではないかという推測を聞かされて意気消沈する。
しかし、翼との契約の指輪が効力を失っていないことから、ヒロが生きていることを確信する。
(第三十一話)
エヴァンシェッドがヒロを探しに行こうとした矢先、エヴァンシェッドは元天使一族の貴族、尊き血の天使の議会である世界の円卓に召喚される。
世界の円卓はエヴァンシェッドに魔人の軍事的利用を迫る。
(第三十二話)
魔人の軍事利用を良しとしないエヴァンシェッドは、世界の円卓の追撃をかわし、三大天使たちとの話し合いを急ぐが、そんな彼を尊き血の天使の一人であるケインが引き止める。
彼はエヴァンシェッドに天使の中に天使の領域にテロを仕掛ける黒の雷に力を貸す裏切り者がおり、自分はその人物を知っていると話す。
そして、三大天使との話合いは白き議会(天使一族の総意を決める議会)で魔人の軍事利用を却下させるために力を尽くすということで話がつく。
(第三十三〜三十四話)
天近き城層から燃え盛る火事の現場に落ちたヒロであるが、実はその火事は黒の雷の強襲によるものであり、ヒロは彼らに捕縛されていた。
牢屋に捕らわれたヒロを三人の客人が訪れる。
一人目のアラシは、ヒロに黒の武器の使い方を聞いた。彼は黒の一族だった。
二人目のハクアリティスは、ヒロを「男の愛人」だと罵った。(誤解は解けたが)そして、三人目の女はヒロを殺そうと襲いかかり、失敗に終わるものの、ヒロに黒の雷が天使たちを襲う作戦があることを告げて去る。
(第三十五〜三十八話)
黒の武器を使うためには、大切な人の命を捧げなくてはならない。
アラシにそう告げていたヒロの元に、アラシは自分はそんな力はいらないときっぱりと言い切り、代わりにヒロの力を貸してくれと願いでる。ヒロはそれを受け入れる。
そして、謎の女が言っていた天使の領域を強襲する作戦に参加するヒロ。
その作戦の中で彼は自分の前に立ちはだかる天空騎士団のエンリッヒと再会する。
(第三十九〜四十話)
ヒロをこれ以上先には進ませないというエンリッヒ。
しかし、贖罪の街の事実を知っているヒロはそれに断固として応じない。
贖罪の街とは、アラシ達黒の雷のアーシアンたちが住まう街であり、天使たちに囚われ続け天使の領域の豊かさを保つために、聖櫃と呼ばれる箱の中で、命を奪うための牢獄だったのだ。
アラシの嘆きにも似たその告白を聞いたヒロは、それまでやる気半分で彼らに力を貸そうとしていたが、アーシアンのために本気になって戦うことを約束するのであった。
そして、その約束を胸にヒロはエンリッヒを打ち破る。
(第四十一〜四十三話)
しかし、黒の雷の作戦とは、とある天使に持ちかけられたもので、生体兵器研究所を強襲してDRパルマドールを殺すことと引き換えに贖罪の街に住まうアーシアンたちの解放を約束したものであった。
そのためヒロをはじめ、アラシなど主力は生体兵器研究所に向かっていたのだが、エンリッヒなどの妨害にあいヒロは一人遅れて研究所にたどりつく。
しかし、そこには倒れたアーシアンたちの姿と、ヒロを殺そうとした女性・ティアの姿があった。
彼女の案内により、Drパルマドールに実験されそうになっていたアラシとハクアリティスを助けるヒロ。
しかし、その場所に黒の雷に力を貸していたという三大天使・サンタマリアとリンズが現れる。
そして、万象の天使・エヴァンシェッドが登場する。
(第四十四話)
一方、数日前、エヴァンシェッドは天使を裏切っていたのが、三大天使・サンタマリアであることをエンディミアンの長・エンシッダから聞いていた。
エンシッダは、エヴァンシェッドに嫌がらせをするといって、黒の雷を使い彼女がDrパルマドールを殺すのを手伝っているというのだ。
その影に見え隠れする、サンタマリアのDrパルマドールへの憎悪。
エヴァンシェッドはそれに一人で立ち向かおうとする。
そして、それを止めるために、生体科学研究所に現れたのであった。
(第四十五〜四十六話)
サンタマリアは自分の子供が殺されたことを恨みに思いDrパルマドールを殺そうとしていたのだが、エヴァンシェッドの言葉により魂が抜けたようになる。
そんな時、爆音と振動が一同を襲ったかと思えば突如、ティアがDrパルマドールを殺害。
そして、エンシッダが姿を現す。
彼は白き神を天使から奪取して、天使たちに宣戦布告をするためにサンタマリアの復讐を利用したのだと高らかに宣言すると、ヒロやアラシ達を伴って天使たちの前から姿を消すのであった。
(第四十七〜四十八話)
【登場人物】
・人間(エンディミアン・アーシアン・黒の一族のごった煮)
ヒロ(黒の一族)
黒の剣を持つ黒の一族。
強いが気は弱く、いつも流されるように戦っている。しかし、贖罪の街で天使たちの悪行を知ってからは自発的に戦いに参加している。
主人公にありがちな不幸体質だが、他の主人公と違うのは彼の不幸はいつも報われないということ(笑)
容姿は平凡だが、よく見ると味がある顔をしているらしい。
アラシ(黒の一族)
黒の雷を持つ黒の一族。
黒の武器の力を求めていたが、誰かの命を犠牲にしないと力を得られないと知り、それを拒否する。
レジスタンス黒の雷をまとめるリーダーで、贖罪の街から仲間を解放するために天使・サンタマリアの思惑に乗るが、それはエンシッダの作戦の一部だった。(アラシはそれについては何も知らなかった)
ヒロとエヴァに熊男と称されるような、眼を見張る大男で毛むくじゃら。
ハクアリティス(エンディミアン)
万象の天使・エヴァンシェッドの妻。
彼から逃げ出すために天使の領域を逃げ出したかと思われたが、どうやらエヴァンシェッドのことは愛しているらしい。彼の愛を確かめるために黒の雷に捕まっていたが、その言動には矛盾が目立つ。
美人だが、わがままで気性が荒い。
第二部ではあまり活躍の場がなかったが、結局エヴァンシェッドの元に帰れなかった彼女が今後どういった行動に出るかは未知数。
エンシッダ(エンディミアン)
エンディミアンの長。
天使の領域でも確固たる地位を持っていた人物であるが、黒の雷に力を貸し、この度、サンタマリアの復讐を利用した大規模な作戦を決行。白き神を奪取し、天使たちに宣戦布告をする。
ヒロを殺すことをティアに命じた人物であり、エヴァを天使の元に連れていったり、エヴァンシェッドに嫌がらせをし続けているにも関わらず、エヴァンシェッドが強く出られなかったりと、まだまだ謎が残る人物。
好青年風の容貌をしているが、ヒロはそれを芝居がかっていると称する。
ティア(?)
エンシッダに従う謎の女性。
ヒロを殺そうとしたり、Drパルマドールをその手に掛けたりと、女性にしては攻撃的といっていい。
血のように赤い瞳が印象的。
リンズ(エンディミアン)
サンタマリアに従う人間。
無口で無表情、サンタマリアのためだけに動く。
いつも黒尽くめの服装をしている。
Drパルマドール(エンディミアン)
魔人研究をする狂った科学者。
ティアの手によって殺害される。
黒い影(黒の一族)
黒の槍を持つ黒の一族。
ヒロを襲い天使に捕まっていたが、何も語らぬままに何者かに殺害される。
その死については、謎が多く残る。
・天使
エヴァンシェッド(万象の天使)
天使一族の長。
純白の翼をもつ絶世の美男子。その美貌で妻ハクアリティスをはじめとして、たくさんの愛人を虜にしている模様。
かつては平民だったらしいが、天使一族の王国を解体し、今のような白き議会を中心とする民主主義を作り出した。
サンタマリア(明海の天使)
緑の翼をもつ三大天使の一人。
盲目だが、人の心を読むことができる。
かつては人間を愛していたが、数年前、息子・ハインを失って以来、人間を憎み、ずっとDrパルマドールへの復讐を願っていたところを、エンシッダに利用された。
平凡だが、どこか特別な雰囲気を持つ女性。
ラインディルト(大地の天使)
赤い翼をもつ三大天使の一人。
実は解体された王国の王子だったが、今はエヴァンシェッドに忠実な臣下。
魔人研究の監視を命じられていたが、それに失敗し、サンタマリアの策に嵌り、天使を裏切った罪人として疑われるが、彼は無実。
どうやら、エンシッダに弱みを握られているらしいが、それはまだ明らかにされていない。
真面目一徹な性格。
シェルシドラ(蒼穹の天使)
青い翼をもつ三大天使の一人。
金髪、碧眼と神と契約せし天使の中では一番軟派で派手な容姿をしている。
エンリッヒ
天空騎士団の第一師団副師団長を務める、青みがかった翼をもつ天使。
実はサンタマリアの孫で、彼女の亡き息子・ハイン(エンリッヒにとっては伯父)によく似ており、彼女を慰めるために、ハインの喋り方を真似、同じような服装をして、サンタマリアの復讐に手を貸している。
本当は引っ込み思案で、口数が少ない暗い性格だが、伯父に自分を似せているためにそれとは正反対の自分を演じている。
ハイン
サンタマリアの実子。
彼女に溺愛されたため結婚もできなかった。
ある日、突然魔人の暴走に遭遇し、エンディミアンを守るために死亡。
ケイン
尊き血の天使。
エンシッダに利用され、エヴァンシェッドにラインディルトの目撃証言をつげ口、次期三大天使の座を目論むも、エヴァンシェッドにはあまり相手にはされていない。
テリド公爵
世界の円卓の中心的人物で、王国解体後も、未だに地位に拘る頑固爺。
リリアナ
エヴァンシェッドの自宮にいる唯一のメイド。
隠しているが、エヴァンシェッドの愛人でもある。
・神
白き神 イヌア・ニルヴァーナ
東方の楽園最後の女神。
普段は天近き城の上空に浮かぶ、神の揺りかごにいる。
【地名・用語】
・地名
東方の楽園<サフィラ・アイリス>
荒地・不浄の大地が広がる死の世界。白き神と天使が支配している。
天使の領域<フィリアラディアス>
東方の楽園の最後の楽園。
守護天使の白壁に囲まれ、他の侵入を許さない天使たちの世界。しかし、その豊かさは数多くのアーシアンの命の上に成り立っている。
白き神の御許<イア・ルマンヌ>
天使の領域内にある、超高層都市。
天近き城<フェデス・ジグロア>
白き神の御許の最上部にある、天使の居城。
万象の天使や三大天使が住まう。
神の揺りかご<ビシェリス>
天近き城の上空に浮かぶといわれる、白き神がいる場所。
生体兵器研究所
Drパルマドールが館長を務める、魔人研究がされている場所。
喜びの天使の街<カイラーク>
白き神の御許の上層部に位置する、天使の中でも高位な天使たちが住まう街。世界の円卓など政治的な場所も多くある。
不浄の大地<ディス・エンガッド>
生命が生きるには、ちと厳しい死の荒地。アーシアンが生きることが許された領域。
懺悔の街
天使の領域のすぐそばにある、天使が統治しているアーシアンの街。
贖罪の街
懺悔の街とは天使の領域を挟んだ向かい側にある、|
天使の領域の豊かさを保つための生贄であるアーシアンたちを捕えておくための街。
街は魔法の塀で囲まれており、天使たちが警備に当たっている。
街の住人全てがレジスタンス・黒の雷であり、彼らは繋がりのある天使の手引きによりテロ活動をするにあたって、出入りはできていたがアーシアン全てが助かるにはいたっていない。
西方の魔境<シェストリア>
世界の果てによって、東方の楽園とは区切られた別世界。
・用語
神と契約せし天使<ファギュラド>
万象の天使であるエヴァンシェッドと、三大天使のサンタマリア・ラインディルト・シェルシドラの総称。かつて天使一族の王政を解体した天使たちの中で中心的な人物であり、白き神の寵愛を受けている天使らしい。
尊き血の天使<ビットゥ・ラ>
かつて、天使一族が王政だった時代、貴族として権勢を振るってい天使の総称。
世界の円卓<アディス・ジア・ヴァッハ>
尊き血の天使がつくった天使一族の議会の一つであるが、その権力はさほどあるわけではない。
エヴァンシェッドなどは、呼び出されるたびに小言を言われてうんざりしているらしい。
白き議会<イピシデュア・カルヴァ>
天使一族の民政の象徴。
身分も力も関係なく、天使一族であれば誰しもが参加できるという、天使一族の総意を決定する議会。
何人たりともここでの決定を覆すことはできないとされている。
天空騎士団<アイッシュグランド>
天使の武装集団。
第零師団〜第五師団まで、大きく六つの師団に分かれており、それぞれ命令系統が違っている。
第零師団は万象の天使・エヴァンシェッド。
第一師団は明海の天使・サンタマリアを主とし、師団長・ジグラッド、副師団長・エンリッヒ。
第二師団は蒼穹の天使・シェルシドラが主と師団長を兼任。副師団長はディアスオーレとマリアーナの二人。
第三師団は大地の天使・ラインディルト。
第四・第五師団は、主に警察みたいに天使の領域の治安維持を目的としている。
黒の雷<オルヴァラ>
贖罪の街のアーシアンたちが天使に反旗を翻すためにつくったレジスタンスの名称。
その名は、アラシが持つ黒の武器から命名されている。
黒の武器<カシュケルノ>
世界に七つある、黒き神ウ・ダイが残した神の力を宿した武器といわれている。
しかし、黒の一族しか使えず、その力を引き出すためには使用者の大切な人の命を差し出さなければならないらしい。
謎が多くある武器。
聖櫃
贖罪の街にある石造りの箱。アーシアンたちの命を吸い上げて、天使の領域にそのエネルギーを送り続けているらしいが、詳しいことはよく分からない。
魔人<ベルトゥール>
Drパルマドールが、多くの人間を人体実験した末に作り出した人間のなれの果てだが、改良が進んでいるらしい。
しかし、まだまだその存在には謎が残る。
最後に、こんな所まで読んでくれた方だけに、当てにならない第三部予告です(笑)
報われない不幸体質の主人公・ヒロは、天使と人間の戦いに巻きこれた・・・・はずだったが、第三部で彼に舞い降りる不幸はーーーーーーー『女難』(笑)
「私ね、あの人が好きなの。嫌われていないか心配で。」
ある時は、恋の悩みの相談を受け。
「ちょっと、しっかりしてよね?」
ある時は、背中をつっつかれ。
「触らないでっ!誰もあたしに触るんじゃないわよ!」
ある時は、ヒステリーに直面する。
「さあ、ヒロ。君は誰を選ぶ?」
嫌がらせの君・エンシッダがヒロに用意したヒロインは三人(?)。
男一人に、女三人の愛と憎悪がドロドロに絡み合う物語が、今・・・・・・・・
始まるわけもなく(笑)
「何で私が・・・・。」
「私は厄介事請負人じゃないんだが?」
ヒロは、やっぱり報われることもなく、苦労ばかりを背負い続けるのであった(笑)
↑でも、いつもより女性率3割増くらいでお送りする予定です。(予定は未定なので、あんまり気にしないでください)