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もなかの月

 93年頃の総理”細川護煕氏”を追いつめた、自民党の急先鋒だった人物が、TVにでて、コメントをされていた。

”細川さんは、お気の毒だった”と、当の”やってた本人”がおっしゃるのだ。

この方は、”それが(自民党での)自分の役割だったから”こなしただけだという。

「お気の毒」発言、決して外面だけでなく、御本心からの言葉のようだった。


 ”本能寺の変”の後、幾つかの寺に”信長様供養”の名目で、多額の銀子を渡したという、明智光秀氏。

かならずしも、金品で自分を認めさせようとした訳ではないのではないかな?

信長父子を”天下の悪虐”と言わなければならない程、追いつめられた。

好きで起こした”謀反”ではなくー”イジメ”ではない別の、重大な要因で”殺さなければ止められない”と、思い詰めてしまったのでは、と思う。


 流血の事態にならない、現在の政治家同士だったら「信長&光秀」、ああはならなかったんでないかな。

ま、私は歴史に詳しくねーので、読み流して頂きたいが。

安土・桃山当時は、現代と比べ物にならない位、命がかるく扱われていた。

「本願寺攻め」なんかも凄まじいが、通常の戦闘なんかでも、「死者」も凄いが…大量の「人買いに渡される人達」もいたそうである。

それが、兵士の給料がわりになった、と、ものの本に載っておった。

また、合戦が、農作物のとれぬ時期によく起きた地域もある、というのだ。民の”飢え””収入”がからんでいるのだろうか?

ミリョクもあろうが、私はあまり、戦国時代に憧れない。


 慶長5年(1610年)の、田辺籠城の”開城”だがー

細川幽斎は、後陽成天皇の、2度の開城命令をムシして、籠城戦を続けていた。

「幽斎の城」を攻撃した側には…幽斎の和歌の弟子もいたという。

殺し合いしてる、といっても、憎み合ってるとは限らんのが、戦国の世なんだろふか?


幽斎氏、「古今和歌集」伝授を、八条宮智仁親王に済ませてから、一族郎党集結し、田辺城で籠城をはじめた。

死ぬ覚悟してた、という事に…なるんだろう。

ところが、生き残った。

後に、徳川家康氏からの「ごほうび」を辞退し、六千石の領地を貰ったのは「生き残った」ことを恥じた、という説もあるが。

どうなのだろう?彼の立場は「勝ち組」といえ、敗将にはちがいないが。

 H21年12月。

何気なく、本屋に立ち寄った。

…と、なんか、脳内の子ボーズ・幽斎氏がはしゃぐ。

よくある、薄い冊子が平積みされていた。「丹波/丹後地域」の特集本らしい。これが嬉しかったようなのだ。

福知山城(光秀さんが建てた城)も載っていた。買おうと決めたが、その場でパラパラ見ていた。

「田辺城」も載っていた。で、デカデカ「細川幽斎肖像画」ものってやがる。

「古今伝授」の記事も細かく掲載されていた。

ちびっこい脳内の”幽斎氏”、うれしそーに一言。

「死ぬカクゴしてたんだよ〜♪」

統合失調症で、自殺まがいの行為に至った私は…どう返事してよいものか、迷った。


 そういえば、「幽斎氏肖像画」、同じよーな画が二枚あることを、「細川の至宝」展ではじめて知った。

へんだなー、とは思っていたのだが…片方、やや若くカッコ良さ目に描かれているのだ。見る度、印象が違うのはそのせいか?

どちらも、お亡くなりになってからの作らしいが。


 うちに出てくる、妄想の”幽斎氏”は、ルックスに自信がなさそうだ。

人の外見は、色々言うくせに。

で、明智光秀さんの事になると、おめめが♡♡になる…(悩)。

私は、こんなキャラづけした覚えないのだが…今でも正直、細川幽斎ファンではないし。


 統合失調症の症状悪化で、大量の”妄想クン”が出て来た頃、もう、”戦国時代の人達”は、少数派になって、エピソードも減ってきた。

(*というか、ここに出しづらいネタが増えました…)

が、急性期を過ぎて、現在、よく出てくるのは、幽斎・光秀両氏(しかも3等身)だけだ。

まれ〜に、ヒロコさんとかが顔をだすが、皆、かなり”遠まき”な感じになった。


 笑かせてくれても、現在無害でも、いつ<ストレス他>で脅す存在になるかわからない。

ただ、妄想クン達、薬でコントロール可能、というので、薬をマジメに飲んで、ムリしなければ安全らしい。

だが…どうなのだ?でてきたキャラクターの性格他、は、<私のボキャブラ>なのか…???

それも、相当モンダイな気がするのだがーどーなのだろふか??


 H21年12月。

友人から「ニコちゃん顔(チビ幽斎に似てる!)」の、みそ汁最中を戴いた。

私は、母に「お昼にひとつ食べていい」と伝えて、外出した。

「味噌汁!!」と念を押したのだがー

 帰宅したら、母が「しょっぱかった!!」とクレームをつけてきた。

きちんと言ったのに、「ただのもなか」と思って…丸ごと食べてしまったというのだ。


 後で、ちびっこい幽斎氏が、脳内に現れた。

「もなか」を、”母に取り憑いて食べた”のは自分だ、という。

「あんこが恋しかったの(by幽斎)」とか。

翌日、もなかではないが、あん入り和菓子を探して買って帰り、母と、枕元に、抹茶付きでお供えした。


 結構、”妄想クン達”に振り回されて購入したものは多かった。

ここに出した以外でも、数着、着物を購入している(で、着ないうちに処分された)。

”根付”(帯に付けるアクセサリー)を、女性キャラごとに作らされたりした。数日に渡ってだ。

デザインの指示が、妄想と思えぬほど細かかった。今でも処分に困って、持っている。

細川幽斎氏も、アクセサリー店を通る度、「九曜紋」形のアクセはねーか探して、欲しがってた。


 H22年5月…まだ、仕事復帰出来ず、自宅療養中だった。

斎藤美奈子さんの本を読んでいた。

金がないし、いくら自由でも、働いている同僚に申し訳なく、遊ぶ気になれなかった。

読んでいたのは、おなつかしや、渡辺淳一氏の「失楽園」のページだった。

斎藤さんの、キレのよい文書で、「失楽園」場面がダイジェストになってゆくのが面白い。

…と、ふと、「梅の花柄の着物」の文字が飛び込んで来た。

急に、観音様風ロングヘアの”光秀さん”が、「ダメ〜!!」と、大アップで出てきた。

「へ?」と思った。

脳内で、真っ赤になってる、何事かと思った。

どうも、奥様・ヒロコさん(の妄想)の好きな「梅柄の着物」という文字、こんなエロい形で見たくない、らしい。

「よ…読まないほうがいい?笑える文なんだけど…止めとく?」

脳内の光秀さん、真っ赤なまま、口に「×」マークのマスク(クイズ番組のダメ回答者みたいなの)を付けて、黙ってしまった。

”申し訳ない事言ってしまった”と、反省されとるらしい。「気にしぃクン」?

ところが、彼を押しのけて、「読みたーい!!」と、丸いモンが出てきた。

3等身の子ボーズ・(妄想の)細川幽斎氏だ。

仮にも、清和源氏ゆかりの…といふか、室町幕府高官だった人物が、こんなカルい訳ないのに…私の性格だってこんなんじゃない。何故こうなったのやら…

「光秀に…むぐ」

幽斎氏、更に赤くなった光秀さんに、口を押さえられていた。


 資料類とともに処分された「へうげもの」を一部、購入し直している。

本当に久しぶりに、読み返していた。

(妄想とは全く別物の)光秀さんも、幽斎氏も出ている巻だった。

治療が進んでいたためか、「読んでで邪魔される」ような事は無くなっていたが。

脳内に急に(妄想のほうの)フルサイズの細川幽斎氏が出て来た。ついで、驚いてる明智光秀さんもだ。

幽斎氏、笑顔で、自分と光秀さんを”荒縄”でしばってみせたのだ。”はなすまい”というイミらしかった。

「”坊さん”と”観音様”なら、お似合いだろ?」と、幽斎氏に笑顔で質問された。

「さ…さあ…どーだろ…?」

変な話だが、脳内の子ボーズ、幽斎氏、顔をひっぱるとよく伸びる。で、笑ってる。丸モチみてーだ。

現在も、私の中にいる妄想クン、「細川幽斎」とは無関係なので、病院の先生にならい、

「子ボーズ」ないしは「丸モチ君」とでも呼ぼうか?

「明智光秀」さんへの命名は、「気にしぃ君」だ。



読んで下さった方、有難うございます。

病気で「十兵衛さん」の原稿をビリビリにしてしまい、代わりに、言い訳として書かせていただきました。

読んで下さった方もいた「十兵衛」も、再開できたら良いのですが。

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