第8話「不穏」
⚠️ご注意⚠️
冒頭はダッツ視点で話が進みます。
途中からデバス視点に切り替わります、
分かりにくかったらすみません。
どうしたんだ?
僕の腕が震えている…というより、
僕と繋がっている天使が震えている…?
「―――ダッツ…。」
『リルエル』?君から話しかけてくるなんて珍しいね。
どうしたの?震えているようだけど…。
「―――この尋常ならざる魔力……。
『破壊の観察者』だ……。」
破壊の観察者…?
デバスの事?リルエル、どういう意味?
「―――壊れる……。」
リルエル…?
―――バキッ!!
「あっ…!」
―――ボロボロボロ…
「盾が壊れた…。」
―――まだ魔力が残っていたか。少々込めすぎたな。
それに、天使の干渉を感じた。
ダッツ・ノレイジアが使役している天使か。
「跡形もないわね…。
…盾の断片を見てみて、ダッツ君。
まるで空気が入ったみたいに、空洞が無数に出来ているわ。」
「ほ、本当だ、これがデバス君の破壊の魔法…。
それにリルエルも…。」
「ダッツ君?どうしたの?」
「いや…、なんでもないよ。」
「…少し力の調整を誤ってしまったみたいだ、
申し訳ない、ダッツ。」
「大丈夫だよ、怪我をしたわけじゃないしね。
力の使い方は、これから覚えていこう。その為の魔法専門学校なんだし。」
天使は機敏だ。
放置しておくと厄介な存在。どうしたものか。
「みんなそこまでだ。
30分が経過した。実技演習はこれにて終了する。
各自教室に戻るように。」
「じゃあ教室に戻ろうか。
良かったらこのあと3人で食堂にお昼ご飯を食べに行かない?
デバスのこと、もっと知りたいしさ!」
「賛成よ。デバス君はどうかしら?」
食堂があるのか。
朝食も食べ損ねた事だ。食べに行くか。
「食堂があるんだね。ぜひ、一緒に食べよう。」
「知らなかったの?じゃあ朝ご飯も食べてない感じ?
たしかに朝見なかったけど...。」
「そうなんだ、だから腹が空いてしょうがなくてね。」
「なになにー?3人でご飯食べに行くの?ならあたしも行きたい!!」
「もちろんさ。」
ソフィア・ノクティブ。
やたらと俺に絡んでくる。怪しまれているのか。
「全員席に着いたな。
トラキニオンは登校初日だ、今日の授業はここまでにする。
寮に帰るなり、食堂に行くなり、好きにしてくれ。
ノレイジアは教室に残ること。話がある。」
「え、何だろう...。
ごめんみんな、今日は僕抜きで食堂に行ってくれないかな。」
「分かったわ。また明日行きましょう。」
「じゃあ行こう!」
「ああ。ところで1つ気になっていたんだけど、聞いてもいいかい?」
「ええ、どうしたの?」
「クラスなのだが、この学年は俺たちのクラスしかないのかい?
他の教室も見かけないし、居ないのかなと思って。」
「そうよ。3年生以外にも、基本的に全学年、クラスは1クラスしかないわ。」
「毎年入学者数が10人くらいだからね!」
「そういうことだったんだね。
じゃあみんな、3年間同じクラスという訳だ。」
「そうなんだよね。流石にもうあの顔ぶれも見飽きたんだー。
だから、デバスみたいなイケメンが入ってきてくれて嬉しい!」
「ソフィアちゃん、かっこいい人が好きだものね。良かったわね。」
「あたしはイケメンと美女が好きだから、プッシェルちゃんのことも好きだよ!」
「あら、ソフィアちゃんにそう言われると、なんだか照れるわ。」
人間の女は外見を褒め合って親睦を深めるのか。
なら、俺もこの流れに乗った方が良いな。
「俺も2人の事、とっても綺麗な女性だと思っていたよ。
最初にクラスに入った時に見てから、ずっとね。」
「ええ!?あ、ありがとう...。」
「デ、デバス君は褒め上手ね。」
ソフィア・ノクティブは、炎に照らされたように顔が赤くなっている。
プッシェル・フレイディは、俺から顔を背けて髪の毛をいじっている。
この反応をどう受け取れば良いのか、分からない。
しばらく沈黙が続いた。
「あ、あそこが食堂よ。毎日違うメニューが出てきて、とっても美味しいの。」
「それも、朝昼晩ね!その日のメニューを予想してる時間が一番楽しいんだ!」
「豪華だね、どんな料理が出てくるのか楽しみだよ。」
食堂には既に10人程が居た。
高い天井には大きなシャンデリアが吊るされている。
長細いテーブルが4つ、椅子が約40個、等間隔に並んでおり、
奥の方では、調理をする料理人が数人見える。
「今日はオムライスだ!あたしが好きなやつ!」
オムライス...。聞いた事が無い。
食べ物についても、学ぶ事がたくさんありそうだ。
席に着くと、ソフィア・ノクティブは獣のごとく速さで料理を完食した。
「そういえばさ、デバスは髪の毛が白いよね!
白髪の人、初めて見たかも!」
「たしかにそうね。破壊属性といい、白髪といい、
デバス君はもしかして、名家のご子息なのかしら。」
「そんなんじゃないさ、たまたまだよ。
それに、白髪の知り合いが他にも3人居るしね、珍しいものじゃないよ。」
俺も食べ終わったことだし、公園に迎えに行くか。
「それじゃあ俺はお先に失礼するよ。」
「うん!また明日ね。」
「―――ノレイジア、呼び止めて悪かったな。」
「いえ、大丈夫ですよ。話って何ですか?」
「...トラキニオンについてだ。
お前も奴の魔法を目の前で見て、体感しただろう。
率直な感想を聞きたい。」




