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破壊の観察者  作者: 紫 緋色
王立魔法専門学校編
7/8

第7話「実技演習・その2」

「[夢幻再現(むげんさいげん)]」


―――ボンッ


 桃色の煙?


「―――ワンッ!」


 プッシェル・フレイディがそう唱えると、

煙の中から武装をした二足歩行の犬が3匹現れた。


「すごいね、この犬は本物なのかい?幻?」


「本物でもあるし、幻でもあるわ。

このワンちゃん達は、私の中で想像したワンちゃんを具現化したものなの。

触れれば毛並みの質を感じられるし、懐きもする。

他にこんな事も出来るわ。」


―――ボンッ


―――パラパラパラ…


 今度は飴玉が雨のように空から降り注いでいる。

たしかに、希少な魔法属性と言われるだけの力だ。


「飴玉の雨!実用性に関係なく、なんでも具現化出来るのだね。実に強力な魔法だ。」


「ありがとう、そう言ってもらえて嬉しいわ。」


「かわいー!!

だからあたしもプッシェルちゃんと同じチームがよかったのにぃーーー。」


「でも、万能って訳じゃないのよ?

同時再現出来る数には上限があるし、

この子達の強さは、私の精神力と想像力によって決まってしまうの。

それに、一定の衝撃を受けると消えてしまうし…。」


「ワンッ!ワンッ!」


「この世に万能な力なんて無いさ。

それよりも、可能性が無限大ということに意味がある。もっと自信を持って良い力だと、俺は思うよ。」


「…ええ、そうよね。ありがとう。」


 武装をした犬が俺に向かってずっと吠えている。

敵意を向けられているのだろうか。

動物の本能は侮れない。


「ワンッ!」


「デバス!危ない!!」


「ワンちゃん…!?ダメよ止まって!!」


 推測通り、3匹が俺に飛びかかって来た。

どうするか―――


「[樛木操(まわるもくそう)]!!」


 ダッツ・ノレイジアの魔法か。

縄のように変形した樹木が犬の胴体に巻き付き、

動きを止めた。

何も無い所から樹木を生み出せるとは。


「ダッツ君!良かった…。」


「危なかったね。デバス、怪我は無い?」


「大丈夫。ダッツのおかげさ、ありがとう。」


「なんであんな事を…。

デバス君、本当にごめんなさい。」


―――ボンッ


 犬が消えた。

プッシェル・フレイディ。力は強いが、精神力はやや劣るか。

完全には制御出来ないのか、まだ観察する必要がある。


「気にしないで。動物にはよく嫌われるから、こういうのは慣れているよ。

それにしても、ダッツの瞬発力には驚かされたよ。」


「て、照れるな...。

[樛木操(まわるもくそう)]は、僕の魔力を変換、生成した樹木を粘土みたいに変形出来る魔法なんだ。

基本、何でも作れるよ。」


「自分の魔力を樹木に変換して生成しているのか、とても汎用性の高そうな魔法だね。」


「でも結局、僕の身体能力次第になる事が多いんだ。僕自身はとてもじゃないけどトロいから、

このクラスでは実技最下位なんだよね...。

いつも天使やゴーレムに助けてもらっているし...。」


 天使?悪魔はともかく、天使も使役しているのか。

木属性で天使...。関連性が見い出せない。


「天使も使役しているんだね!基本3大属性といっても、奥が深いんだね。」


「そうだね、僕が契約しているのは下位天使だから戦闘向きではないんだけど、

サポート役として、とっても優秀なんだ。

 僕達の魔法は見せたことだし、デバスの魔法も見せてよ!

魔力量は測定不能だったし、多分相当強い魔法なんでしょ?」


 ここは力を制御しすぎても、逆に出しすぎても怪しまれるだろう。

難しい局面だ。


「魔力測定に関しては、俺の魔力の質がたまたま特殊だっただけさ。

先生も言っていただろう?

でもチームメイトだし、俺だけ魔法を見せない訳にはいかないよね。」


「うんうん!見たい!」


「俺はこの片手剣に、破壊の魔法を付与して戦うスタイルさ。

そうだな、ダッツ、[樛木操(まわるもくそう)]で盾を作ってくれないかな?」


「分かった。」


 剣で盾に切り傷を付ける。

そして切り傷を起点に小さな亀裂が入る。

このくらいか。


「す、すごい…!剣で少し切っただけなのに亀裂が入った…!」


「それも、表面上の傷というより、盾の内部から表面に向かって崩れて、その影響で亀裂が入っているみたい…。

本当にあなたが言った通り、ただ破壊する魔法なのね。

とても希少で、強力だわ。」


「ありがとう、でもまだこの魔法に慣れていなくてね、こういう使い方しか出来ないんだ。」


「これだけでも十分強力だよ!

これは提案なんだけど、

斬撃を飛ばすみたいに、剣を振り下ろす瞬間に破壊の魔法を飛ばす、っていうのはどうかな?

それが出来れば近接戦も遠距離戦も対応出来るようになる!まさに最強だ!」


「そうね、普通の魔法と違ってデバス君の破壊魔法は可視化出来ないようだし、

敵は何が起こっているのか分からないでしょうね。」


 飛ばす破壊魔法か。

片手剣を媒介した方が力を制御しやすいのだが、

この提案は受け入れないと不自然か。


「なるほど、練習してみる価値はありそうだね。」


―――ガクガクガク…


「…あれ、どうしたんだろう。

盾を持っている方の腕が震えている…?」

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