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破壊の観察者  作者: 紫 緋色
王立魔法専門学校編
4/8

第4話「編入」

 学生寮に着いた。

レンガ調の外壁、屋根は本棟と同じく青い。

窓の数は40前後、生徒数に比例して部屋数も少ないのだろう。

規模は、本棟と比べて3分の1ほどの大きさしかない。

なんの因果か、俺の部屋は『851号室』らしい。


「今日からこの部屋で一緒に住むんだよ。

明日からは、俺が学校に行ってる間はそばに居てあげられない。

近くに公園があったから、そこで遊んでいるといいよ、お友達もできるだろうしね。

学校が終わったらすぐに迎えに行くよ。」


「わかった。こうえんであそぶ。まってる。」


 部屋は至ってシンプル。

木製の勉強机、椅子、本棚、時計、ベッドがあるのみ。

天井には魔法灯が赤く灯っている。

気に入った。


「さ、夜ももう遅いし、お風呂に入ろうか。

1階に大浴場があるらしいんだ。」


 部屋を出ようとしたその時、背後から覚えのある魔力を感じた。


「――今日は楽しかった?どう?ジク。」


 振り返ると、開けた覚えのない窓際に白髪の悪魔が座っている。


「コズか。あまり俺に干渉するな。」


「俺は楽しかったよ?一緒に楽しもう。」


 そう言いながら不敵な笑みを浮かべた悪魔は、

俺が瞬きをすると、もうそこには居なかった。

全く、自己中心的な奴だ。さっさと風呂を済ませて明日を迎えよう。


――翌朝――


「おはよう。今日もいい朝だね。」


「おはよう。まぶしい。」


 一緒に歯を磨き、顔を洗う。

毎朝のルーティン。

腹が空いたが、金がない以上我慢するしかない。

食堂のような制度があれば良いのだが。

 それに、昨日からずっとこの部屋からも魔力を感じていた。

天井の魔法灯か考えたが、制服だったとは。

魔力が一緒に編み込んであるようだ。

防御系の魔法も付与されている。

サイズも、着る人間によって自動で変化するらしい。


「準備も済んだし、公園に行こうか。」


「うん。」


 公園は学校から5分ほど歩いた場所にあり、遠くはない。

恐らく本棟から視認出来るだろう。

子供らしい遊具が複数。何の変哲もない公園。


「じゃあ俺は学校に行かなきゃだから、ここで遊んで待ってるんだよ。行ってくるね。」


 この距離ならば魔力で位置等は把握出来るし、

何かあったらすぐ戻れる。問題は無いだろう。


「うん。まってる。」


 公園に預けたあとに向かうのは魔法学校本棟。

学生寮と違い、縦長く尖った屋根の頂上からは青い炎が吹き出ている。

雰囲気作りのための、一種の演出だろうか。

 俺の教室は地上4階にあるらしい。3年1組だ。

もうすぐ朝礼が始まる時間。

教師の紹介を待って入った方が良いのか、最初から教室に入っていた方が良いのか分からない。

扉の前で立ち尽くしていた。


「来たか、デバス・トラキニオンだな。

昨日ぶりだが、改めて自己紹介させてもらう。

私は『カイダ・オーダー』。このクラスの担当教師だ。知っているだろうが、編入試験の試験官も担当している。1年間、よろしく頼む。」


 昨日の男が担任教師か。

この男は観察価値が高い。都合が良いな。


「オーダー試験官殿ではないか、これは良い。

こちらこそよろしく頼むよ、先生。」


「私が今日の朝礼で編入生を紹介する流れになっている。入って来て良い、と言われたら教室に入れ。」


「了解した。」


 正解は前者だったか。立ち尽くしていたのは正解だったな。


「昨日も伝えていた通り、今日から編入生がこのクラスに1人来る。紹介しよう、入って来て良いぞ。」


 人間社会では初対面の印象が最も大事だと聞く。

良い印象を残せれば良いが。


「初めまして、デバス・トラキニオンだ。

ふつつか者だが、今日からよろしく頼むよ。」

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