エピローグ 王女と勇者の未来
戦いから数か月後。
帝都は平穏を取り戻し、街角には笑顔が戻った。
塔の上から見下ろす景色は、戦いの傷跡を残しつつも、希望で満ちていた。
私は城の庭で、勇者と共に歩く。
手をつなぎ、互いに微笑み合いながら、日常の穏やかさを噛みしめる。
「セレナさん、街の人たち、ずいぶん元気になったね」
勇者が笑う。
戦いの後も、国民の笑顔は、私たちの努力の証だった。
「ええ、でもまだやることは山ほどありますわ。
国の再建、外交関係の整理、そして……私たちの未来も」
勇者が肩に手を回し、私の頭をそっと撫でる。
「未来も? ふふ、いいね。二人で作っていくってことだね」
私は小さく頷き、勇者の腕に顔を埋めた。
──心から、安心できる瞬間。
任務としての恋が、いつの間にか本物の愛になっていた。
庭では、兵士や宮廷スタッフたちが笑顔で働き、商人たちは活気を取り戻す。
帝国の未来は、少しずつ、確実に築かれていく。
そして、遠くの城壁の向こう。
まだ魔王復活の気配は残るが、私たちは恐れない。
二人でなら、どんな闇も光に変えられる──そう確信していた。
「勇者様、これからも共に歩んでくださいまし」
「もちろんさ、セレナさん。ずっと一緒に」
手を重ね、笑い合う二人。
夕陽が城を染め、世界は静かに輝く。
戦いと恋、任務と未来──すべてを越えた先に、
私たちの物語は、静かに、しかし確実に続いていく。




