表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

13/17

第十三話 迫る魔王

 帝都の空に、異様な赤い雲が広がっていた。

 城壁の上から眺めると、街全体が不気味な光に包まれている。

 深く息を吸い込み、私は勇者の手を握った。


「セレナさん……ついに来ましたね」


 勇者の声は平静を装っているが、私にはその背筋の緊張が伝わる。

 ──ついに、魔王復活の時が近づいたのだ。


「ええ、でも怖くありませんわ。あなたと一緒なら、きっと」


 二人で城門を出ると、既に兵士たちが集まり、防衛の準備を整えていた。

 空からは魔族が降り立ち、帝国に迫る。

 しかし、その影の中に、一際大きな魔力の渦が渦巻いていた。


「……あれが、魔王……」


 勇者の目が一瞬、恐怖に揺れたが、すぐに強い意志に変わる。

 私は剣を握り、勇者の肩に手を置いた。


「勇者様、共に立ち向かいましょう!

 恋も任務も、すべて守るのですわ!」


「うん! セレナさん、俺も全力で行く!」


 二人で前に進むと、魔王の力が城を揺るがす。

 魔法と剣光が交錯し、帝国の防衛線は限界まで押される。


 勇者は無邪気に笑いながら、しかし正確に魔族を撃退する。

 私は王女としての威厳を保ちつつ、剣を振るい、兵士たちに指示を飛ばす。


「ここで負ければ、帝国も、勇者も、私たちの未来も失われる」


 心の奥で誓う。

 恋も国も、どちらも守る──その決意が、私を強くする。


 魔王は徐々に実体を現し、巨大な影が城を覆う。

 その圧倒的な力に、兵士たちが一瞬たじろぐ。

 しかし、勇者は笑顔で私に言った。


「セレナさん、怖くても俺たちなら大丈夫だ!

 一緒に、最後まで戦おう!」


 ──その言葉に、私は心から頷く。

 手を握り返し、二人で魔王に立ち向かう。


 光と闇がぶつかり合う戦場。

 帝国と勇者、そして王女の絆が試される瞬間だった。


 恋も任務も、すべてを賭けた戦いが、今、始まる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ