「11」
※この作品は「8番出口」二次創作小説です
先に原作をプレイ等する事をお勧めします
また、原作と大きく内容が異なります
何回か「10」にはたどり着いている。
その中で気がついた事。
それは必ず「10」に異変があるという事だ。
異変しかないなら戻るだけでいいので簡単なはずだと思うだろう。
戻るのが大変なのだ。
さっきのように停電が来て、いくら戻ってもたどり着けなかったり。
前には壁の奥に潜んでいた人間(ゲームプレイ中は壁ダッシュマンと呼んでいたが実際に目にすると恐ろしい)がものすごいスピードで迫ってきて身動きがとれず、首を絞められたり。
死んだかと思ってもまた「0」に戻っている。
永遠の命が欲しい人間は是非8番出口に迷い込んでみて欲しい。
「★☆もう寿命に悩まない☆★」というしょうもない宣伝文句を思いついたが意味はない。
そろそろ進もうと思い歩きだす。
曲がり角の先に見えたのはいつもの光景だと一瞬思ったが気のせいだった。
禁煙のポスターが多すぎる。
何故一瞬で気付かなかったのだろう。
ここに迷い込んできて初めて見る異変だ。
ゲーム内に出てくる異変よりもさらにポスターがある。
あれの何十倍も何百倍ある。
全ての壁が覆い尽くされている。
左に貼っていたポスターも全て禁煙に変わっている。
天井にも禁煙。地面にも禁煙。
点字ブロックが見えない。使いたい人が使えないだろ。
禁煙の量がふざけている。笑いだしたいくらいだ。
ここでタバコを吸ったら殺されそうだなと思いタバコを持っていないかポケットを探った。
喫煙者なので持っているかと思ったが迷い込んだ時、没収されていたのかもしれない。
こんな簡単な異変ならまた来て欲しい。
そう思い道を戻った。
緊張が解けてホッとしながら番号の看板を見る。
「禁煙」
目が疲れていたのか。
目を擦った。
「禁煙」
あ、これおかしいやつだ。
どれだけタバコ嫌いなんだよ。
あのポスターに変わっていた。
まだ通路だと確信して戻る。
「禁煙」
歩き続ける。
「禁煙」
ゲシュタルト崩壊しそうだ。
「禁煙」
ん?本当に合っている?
「禁煙」
不安になりだした。
そろそろだと思うが。
「禁煙」
おかしい。こんなに長いのか?
いや、ここまでも異変?
もう一度目を擦り見てみる。
「11」
一瞬禁煙かと思ったが戻っていた。
最後の禁煙は気のせいだったようだ。
無事で良かった。
無事帰れたらタバコなんか辞めようと思った。
あんなにタバコ嫌いがいるなら辞めよう。