「10」
※この作品は「8番出口」二次創作小説です
先に原作をプレイ等する事をお勧めします
また、原作と大きく内容が異なります
「9」
まただ。
また9番に着いた。
8回、正解できれば階段が現れるはず。
この「9」は存在しないはず。
どうして。
ここまでが異変なのかと戻ろうとした事もあった。
ただ、ここは本当にある道の一つだった。
この先に進んでもまたあの光景がある。
広告のポスターが貼っていて。
ドアがあって。
吊り下げ看板が見えて。
点字ブロックがあって。
通行人が歩いてきて。
ゲーム中にはあの通行人も「通行ハゲ」と呼んでふざけていたが、実際に目の当たりにするととても不気味だ。
あの光景がトラウマになりそうだった。
それでもまだ出られない。
正解できるまで出られない。
逃げられない。
ここに迷い込みどれくらい経ったか思い浮かべる。
普通なら既に餓死かもしれないのに、まだ彷徨っている。
ここは異空間なんだ。そんな事を考えても仕方ない。
道を進む。
あの通路に着く。
周りをしっかりと確認しながら歩く。
異変がないかと考えると、急に明かりが消えた。
異変の一つだ、と引き返す事にした。
壁に触れながら真っ直ぐ戻る。
…
おかしい。
もう道は終わったはずだ。
それなのに曲がり角の壁にぶつからない。
方向を間違えた?いや、そんな筈がない。
不安になって走り出す。
走っても走っても着かない。
もう30mは走っている。
やはりなにかおかしい。
息が苦しくなってきた。
でも恐ろしい何かに追われているような気がして走り続ける。
ドシッ!
壁に直撃した。
ようやく道が終わっている。
怖くて仕方がないので慌てて曲がった。
すると電気が付く。
「10」
よかった、正解だったと胸を撫で下ろした。
次話は来週投稿予定。