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悪役令嬢のお茶会

学校の食堂で女子4人楽しく昼食…などという空気ではなく、(わたくし)たちはヒソヒソと怪しげに会話をしながら食事とをっています。

「つまり、ダルムシュタット様は夢で未来を見たと?」

「えぇ、馬鹿らしいと思われるかもしれませんが、それはあまりにもリアルな夢でしたの。

 そして、夢の中で”そんなくだらない男よりも国の役にたて”と語りかけられたのです」

「まぁ~それは何方ですの?」

「お名前が分かれば苦労しませんわ…もしかしたら神様かもしれないと思うほどで…

 でもその夢を見た私は、婚約者を愛していたという感情がどこかに行ってしまったんですの」

「それで婚約破棄をされたわけですのね」

「とってもスッキリいたしましたわ。いまは心が晴れ晴れとしておりますの」


私が事のいきさつを皆に話したところ、3人ともとても興味を引いてくださいました。

流石に神様なのかもという発言には苦笑を禁じえなかったようですが、妙なリアリティがあったあの夢の話は、3人にもなにか思い当たる節があったようです。


「そういえば、夏休暇の間に変な夢を見た気がしますわね」

「あら、アルセロール様もですの?」

「そういえば、ニーナも~似たような夢を見た気がいたしますわ」

なにやら3人とも私と同じような夢を見ていたようなのです。

ただし、”戦車の本”については知らないようです。

「いっそ皆さまも婚約破棄をしてみませんこと?」

それぞれが、頷いたり一考しましょうと答えてくださいました。

例の女を虐めさえしなければ、あんな未来は訪れないはずですものね。


「ところで、お三方にご相談がありますの」

「まぁ、なにかしら?」

ここにいる三人は鉄鋼、発動機、砲が専門のご令嬢、きっと戦車開発に役立つはずですわ。

「私と一緒にこの国のために”戦車”を開発いたしませんか?卒業制作の一つとして」

「ダルムシュタット様から卒業制作のお誘いですか~しかも何やらテーマが決まっている様子ですが?」

「昨年の授業から、我が国では戦車は不要と思いますが…何かお考えがあるのかしら?」

「えぇ、この夏休みの間に父からも話を聞いて色々考えてみたのです。

 敵戦車が攻めてきたとき、それを倒すのもまた戦車である必要があるのではと閃きました。

 皆様方の専門知識があれば、きっと国に役立つ戦車ができると思いますの」

この学校において今年と来年の間で研究成果の発表も必要です。

その研究の内容は学科に関係していれば内容に制限はありません。

何人で行ってもよい為、多くの生徒はグループを作って卒業テーマに挑みます。

私の発言にお三方の目が光りました。

家の商売につながるかもしれない事柄ですからね。

「もう少し詳しくお話を伺えるかしら?」

「もちろんですアルセロール様」

「あたくしも、興味がありますわ」

「ニーナにも詳しく聞かせてほしいですわ~」

私は持論を展開いたしました。

敵戦車の出現に対して早急に駆けつけ相手を撃破するためのカウンター戦車により祖国の防衛を行うという考え方です。

そのための戦車を開発するにあたり、今もてる技術でどんなものが作れるのか?ということを研究したいわけです。

「いかがでしょう?戦術や戦略にまでかかわってくる内容ですが、採用されればかなり大きな動きになるかと思うのです」

「私はぜひ参加したいと思います。

「卒業研究についてまだ考えておりませんでしたので~是非参加いたしますわ~」

「あたくしも協力いたしましょう」

「ありがとうございます、皆さま。それと私のことはぜひユーディとお呼びくださいな」

「では、私のこともローザと」

「ニーナのことも、ニーナでよいですわよ~」

「あたくしのことは、是非シルビアとお呼びくださいな」


こうして、私達4人の”戦車研究会”が設立しました。

この時私は、この戦車研究会のメンバーが増え、最終的に国の戦略をひっくり返し次大戦において多大な影響を及ぼすことになるなど夢にも思いませんでしたわね。

本日はここまで、後は定期で更新できればなぁと思っとります。

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