2: 色
「食糧尽きて3ヵ月、結構耐えられるもんだな人の身体は。」
1人でぶつぶつ独り言を喋りながら真っ直ぐな一本道を歩っていた。
仲間はいない。というか捨てた。なんなら食った。
人間卒業ってやつだな。
この世界に来てから3000年程経った。
最初の頃は異世界転生ってやつか!と喜んでいたが、あいつらは俺を裏切りやがった。仲間。友達。恋人。
気づいた頃にはいなかった。
そろそろ寿命で死ぬのかと思ったその瞬間、どういうわけか身体が若くなった。それっきり年を取ることが無くなった。
その1550年後、世界的な使命手配をされた。
国を2個ほど潰した。意外とあっけなかった。
ただそれだけだ。
その後、唐突だが俺はおよそ1400年程寝た。
気持ちよく寝てるうちに爆発音らしき音で起こされた。
俺を起こしたのは男3人、女3人、精霊?1匹だった。
寝ぼけていたが確かそいつらだったと思う。
起こしたのはそっちなのに俺の顔見た途端に逃げやがった。
精霊意外は一瞬で逃げやがった。
イライラしてたんだ、しょうがねえよな。
逃げたやつは消滅させた。
精霊に聞いてみたんだ。
「おまえなに?」
って。
精霊は「白の賢者よ。」
と、震えた声で言った。
「白の賢者?知らねえな。おい、白ってなんだ?」
人?と喋るのがめちゃくちゃ久しぶりなので言葉遣いがおかしかったかな。
「ふぇ?そんなのも知らないんですかぁ?」
急に煽り出したぞ。なんだこいつ。
「よく聞きなさい下等な人よ!
色によってこの世はランク付けされてるのよ!」
なんかイラついたな。
「なぁ、.........死ね。」
「ふぇえ??」
パタッ。
精霊が地面に倒れた。ピクリとも動かない。
「記憶読み取った方が早いな。ハハッ。」
俺が寝てる間に色とか変なものが出現したのか。
えぇと、なんだっけ。
《赤、青、黄、緑、紫、黒、白》
この色を持ってるのが英雄というやつか。
それをそれぞれの種族が受け継いだ。
ふーん、楽しそうな世界になったじゃねえか。
ニヤニヤした俺は、荷物を持って歩き始めた。
歩いて歩いて歩きまわったが、国がひとつもねえ!
歩いてるうちに200年ぐらい経ったんじゃねえか?
って思うぐらい時間が経ったと思う。
あ。見えた。あれは壁だな。ということは検問所か。
こっそり検問所くらい抜けるか。
めんどくせーなぁ。