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あべこべ勇者  作者: τελαδοηβυλι
人は意外な一面が見えるとギャップ萌えする生き物。ほら、不良がたまに良い事するとほっこりするでしょ。コレジャナイ?
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神社や寺といったら巫女さんだよね。と思いきや、巫女カフェだとぉ!?

陰陽巨大ロボが爆発四散し、

俺たちは各々付近の塀の上に着地する。


「河童共はどうなった!?」


俺は付近を確認すると爆発に巻き込まれ、

河童たちは気絶していた。


「今がチャンスでおじゃるね!」


碑古麻呂が札を取り出し何かを念じると

札が飛び、気絶している河童共に次々と札が貼られる


「ハァッーーーーー!!」


碑古麻呂が手で五芒星を空に描くと

札が発光し、同時に河童共が次々と何かに変わっていく


「やや・・・あれは・・・・」


そこには河童の絵巻物や置物などありとあらゆる河童グッズが道端に転がっていた。


「やはり、あの河童共の正体は西遊寺からいなくなった河童達だったのか・・・」


「いやぁー・・・なんとかなったでおじゃるね、ご協力感謝感激の極みでおじゃるよ」


碑古麻呂が俺たちに礼を言う。


「この河童達は西遊寺に返すんだろう?俺たちも手伝うか?」


「その心配には及ばないでおじゃる、まろの方で送っておくでおじゃるよ」


碑古麻呂が懐から風呂敷を取り出すと風呂敷は瞬く間に河童グッズに覆いかぶさるように広がり、

あっという間に全てを包んでしまった。


「さてさて、こうなると他のグッズや人形も化けてる可能性があるのでおじゃるが、

そちらの件はまた明日の調査とさせてもらうでおじゃるよ」


「大丈夫なのか?すぐに暴れだす恐れはないのか?」


「多分、あの人形達がそれぞれの猿や豚、河童を統率しているのでおじゃるよ。

今迂闊に刺激を与える方が返って危険でおじゃるよ」


「なるほど・・・」


碑古麻呂は山になった風呂敷を背負うと帰っていく。

俺たちもその日は宮代家に引き上げることにする。




翌日、俺達は町の東側の山側にある西遊寺も向かう。

入り口の大門をくぐり中門を抜けると小さな五重塔や本堂があった。


「なんていうか新鮮だな」


「折角来たのだから御籤(みくじ)でも引いていくか、

まぁ一種の占いのようなものだ」


ジャキガンは境内の受付に案内する

そこには巫女服の女性がいた。


「おー、変わった服ですね」


「巫女さんだな、

元来巫女という文化は我が国古来の神道の神に使える女性を指すのだが、

神仏習合といってな、神道と渡来してきた仏教の文化はしばしば融合している。

というわけで寺院の方にもいるわけだ」


「おみくじ引いていきますか?」


俺たちは御籤筒をジャラジャラ振ると籤を取り出す。


「お兄ちゃんはどうだった・・・?

私はなんか吉って書いてあるのだけど・・・」


俺はくじの中身を捲ると

大凶と書かれた文字が最初に目につく


・願い事:来年に期待しましょう

・待ち人:来るのは難しいでしょう

・失せ物:徒労に終わります、探すだけ時間の無駄です

・旅行:止めておいたほうが良いでしょう

・商売:大損する恐れあり、諦めましょう

・学問:三歩歩くと忘れます、頑張っても成就しません


ズーン・・・

良いところなし


「まぁまぁ、占いだし気にしない方がいいでござるよ」


ハカセは大吉の籤をひらひらと俺に見せつけながら

まさに今どんな気持ちと言わんくらいの勢いでゲス顔を晒す

うん、普通に凹むわ


「もしよかったら茶屋でもいかがでしょうか、

実は最近この町の界隈で流行っているのですよ、住職様のアイディアでございまして」


俺たちは中門を出て敷地の東にある茶屋に案内される。

そこには多数の脇が露出している巫女たちが接客していた。


「いらっしゃいませ、ご主人さま、お嬢様」


「え、は?」


思わず俺は聞き返してしまった。


「ああ、初めてのお客様でしたか、

ここでは、お客様をそう呼ぶ決まりとなっているのですよ」


「ああ、そうなのか・・・?」


茶屋の方は満員御礼のようだった。

ここの住職はなかなかやり手のようだな・・・


「はーい、ここでミーちゃんが美味しくなるおまじないを掛けちゃいまーす。

おいしくなーれ、おいしくなーれ、萌え萌えきゅん。

はい、皆さんもご一緒に」


「モエモエキュン」


野太い男性の声が復唱するのが聞こえてくる。

くっ、なんだこの店は恥ずかしすぎる。

俺含めサグメとジャキガンはドン引きし、ハカセは眼鏡をキラキラ輝かせていた。

うん、なんだろこの気持ち、帰りたい。

ん、でも今の女性店員の声どこかで聞き覚えのあるような・・・


そうこうしているうちに俺たちは席に案内される

くっ、これで退路は断たれてしまったか・・・

俺はメニューを見ると

お茶などの他におしるこ、カステラなど

スイーツが並んでいる。


「ご注文いかがで・・・」


「えっ!」


そこには巫女服姿の霙さんがいた。

霙さんの動きがゼロコンマ一秒止まった後、

俺たちが驚いているのをスルーして

何事もなかったかのようにそのまま隣の席にいく


「しょうか、ご主人さま(きゃぴるん」


「退魔パワー注入特製セットお願いします」


「はい、承りました、ご主人さま(はぁと」


注文を承ると霙さんが俺たちの席に戻ってくる


「ご主人さま、お嬢様、ご注文はお決まりでしょうか?」


笑顔だけど、目だけ笑ってない、怖い・・・

これは殺気!ワイルドベアすらも視線だけで殺せるような殺気だ!

注文に困った俺は先ほどの客が頼んだメニューを注文する。


「ええと、退魔パワー注入特製セットを・・・」


ガタッ!

霙さんの手がテーブルにぶつかる。

俺の側にあったお冷を零し、少し机が濡れる


「いっけなーい、申し訳ございません。

ご主人さま、直ちにお拭きいたしますね」


霙さんが紙ナフキンを使い拭き終わると

拭き終わった紙ナフキンの裏には次のように書かれていた。


『さっさと帰れ』


ひぃ!激おこぷんぷん丸だ。

俺たちが注文すると霙さんは去っていった。



少しの間の後、茶屋にまた誰か入店してきた。


「ちょっと、休憩がてら失礼するでおじゃるよ。みんな元気でおじゃるか」


なんとそこに現れたのは碑古麻呂だった。


「はい、今日も皆も店も盛況でございますよ。

住職様もお元気そうで、これからどこかに行かれるのですか?」


「門松家の人形の呪いの調査中での、いやぁ副業も中々しんどいでおじゃるよ」


住職お前かよ!陰陽師は副業なのか・・・

碑古麻呂は俺たちのすぐ後ろの席で従業員と会話しているようだ。

どうやら俺たちに気づいていないようだ。


「何かあったのですか?」


「これは他言無用にしてほしいのでおじゃるが、

どうも先月()()()()我が寺の猿、豚、河童の品々が町で暴れているでおじゃる。

昨日は河童を捕まえたでおじゃるが猿と豚もおそらく同様でおじゃる。

こんなとき、師匠が、()()薫様がご存命だったらどうしたでおじゃろうか・・・」


「その話詳しく!」


思わず俺とジャキガンは立ち上がり、碑古麻呂の方を見る


「おりょ・・・」

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