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あべこべ勇者  作者: τελαδοηβυλι
人は意外な一面が見えるとギャップ萌えする生き物。ほら、不良がたまに良い事するとほっこりするでしょ。コレジャナイ?
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ドーマンセーマンは五芒星模様の海女さんの魔除けです。シラナカッタナー

俺たちは創一朗がいる書斎へと足を運ぶ


「いるか?創一朗」


「む・・・誰かと思えば、奏でではないか?

そうか帰ってきていたのだな」


書斎の影から色白い青年が現れる。


「それを言われるのももう何度目かわからん」


「はは、相変わらず元気そうだな」


ジャキガンと創一朗は腕を合わせて挨拶する


「そうゆうお前は顔色が悪そうだ、書斎などに籠もりきりではなく

日光を浴びろと前々から言っていたであろうに」


「うっ、中々に鋭いな・・・

そうだ、ここ最近は特にな・・・」


「どうした?何かあったのか?」


「いや、それよりもそちらこそ、ここに来たのは唯の挨拶だけではあるまい。

おっと、そちらの方々は?」


創一朗は後ろで様子を伺っていた俺たちに気づく。


「ああ、僕の仲間の勇者達だ。

勇者になるのは変な奴らばっかだが頼りになる仲間たちだ」


その筆頭株であるお前には言われたくはないぞ?


「話を戻そう、昨日門松家に回収された人形の件なのだが、

創一朗もその場にいたと聞いた。

その時のことを詳しく教えてくれないか?」


「昨日、僕たちは門松家と宮代家の法事に行っていたんだ。」


「父上、母上の・・・」


「午前中は僕は宮代家で蓮と時雨の相手をしていた、

週数回は僕が勉学を教えることになっている。

午後に西遊寺に僕たちは法事に行っていた。

特段珍しくもないこの時期は毎年行っている通例行事だ。

ただ、今年はいつもと様子が違った」


「どうゆうことだ?」


「元々西遊寺は特殊な寺でな、神仏を祀っているのではなく、

猿、豚、河童のあやかしを祀っている。

このあやかしたちはある高名な坊主の家来という話だ。

故に祀られているわけなのだが、

今年は西遊寺に祀られていたこの3匹のあやかしの像や絵画など纏わるものが全て消えるという事件が起きている。

法事自体はこのことと関係なくつつがなく事を終えたのだが、

帰り道に出くわしたのが、宮代家に寄贈したはずの人形共が暴れていたことだ。

寺院のことと関係あるかはわからないがな」


「僕の留守の間、蓮と時雨の面倒をみてくれて済まない」


「気にするな、いつも謝るのは君の悪い癖だ奏。こうゆうときは・・・」


「ああ、ありがとうだな」


「覚えているのであればよろしい」


「俺たちは居間の方に戻っている、一区切りついたらお前も来いよ?

どうやら陰陽師を呼ぶらしい。」


俺たちはジャキガンと共に書斎を後にする。


「これで良かったんだよな・・・?」


皆が去った後、創一朗は独り言を呟く。

その体からは黒い瘴気が漏れ出していた。




俺たちは先程の居間へと戻っていた。


「ワカ✕ジャキガンも良かったでござるが、

ジャキガン✕創一郎も至高なかほりがするでござるな、

どっちを受け、攻めにしようか・・・ぐへへ」


ハカセが腐った妄想をダダ流しにする

おい、やめろ、お前の想像で俺を勝手に汚すんじゃない。


黒の神主帽を被った狩衣の男が肩に烏を乗せて現れる


「まろの名前は阿倍野碑古麻呂(ぴこまろ)と申すでおじゃる」


「なんだ、でっけぇ屋敷に連れて行かれたと思ったらブサイク面な人間どもだな」


烏が毒舌を吐く。カラスが喋った!?


「そいつは、まろの式神の烏丸でおじゃるよ」


随分と口が悪いカラスだな・・・


「時間も勿体ないから、

早速始めるでおじゃるよ」


「あ、はい、お願いします。」


辰己が陰陽師に頭を下げる。


「悪霊退散悪霊退散、ドーマンセーマンセーマンドーマン、

六根清浄(ろっこんしょうじょう)急急如律令きゅうきゅうにょじつりょう

キエエエエェェ」


碑古麻呂が五芒星の術を人形にかける


「ええと・・・なんて?」


「ドーマンセーマンは海女が身につける五芒星の魔除けのことだ。

六根とは眼・耳・鼻・舌・身・意を指すのだ、

急急如律令は今すぐにという意味、

つまりすぐに全て清め給えという解釈だな。

そんなことも知らぬのか」


烏丸がしたり顔で話す。

いや、知らんし・・・


「うぐぅ・・・」


人形のうち、侍の人形がまるで生きているかのように途端に苦しみだす。

その後、事切れたかのように倒れると河童へと姿をかえる


「えっ・・・本当に物の怪の類だったのか・・・!?」


と同時に背後で辰己が倒れた。


「辰己叔父さん!」


「一体何故・・・?」


「これはもしや、写し身の術でおじゃるか!?」


「写し身の術とは、物の怪と人を繋ぐパスのようなものだぜ、

写し身の対象となった人と物の怪の精神が連動しているんだ」


烏丸が解説する。


「待て!そうなると残り二体も誰かと連動していることにならないか!?」


「これはなかなか厄介でおじゃるねぇ・・・」


「そんなことよりも辰己叔父さんを何とかしてくれ!」


碑古麻呂は河童に水をかけると河童は意識を取り戻す。

と思いきや一目散に居間から逃げ出す。


「あ、おい。追わなくて良いのか?」


「あ、まずいでおじゃる。続きはまた後日ということで!」


碑古麻呂は烏丸と共に飛び出していく


「う、うーん・・・一体どうなったんだ?」


辰己が意識を取り戻す。

そこへ門左衛門が駆け込んでくる。


「た、大変大変大変、変態じゃー」


「誰が変態でござるか!?」


ハカセが突っ込む。いや、お前が言うな


「そんなことよりも創一朗が書斎で倒れたんじゃ、

何やら黒い痣が体中にできてな!」


「なんだと!?」

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