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あべこべ勇者  作者: τελαδοηβυλι
人は意外な一面が見えるとギャップ萌えする生き物。ほら、不良がたまに良い事するとほっこりするでしょ。コレジャナイ?
38/65

あなたの記憶のスキマをお埋めしますって黒幕感しかしないんだが、それは・・・

サンドラの迷宮が無くなったことで

要塞獣の呪いは解け、俺達は港町ポルトスへと向かう。

俺はミザリーに尋ねる。


「なあ、魔王連合ってそもそも一体なんなんだ?

何の目的で魔王が集まっている?」


「魔王連合の魔王は人間の煩悩、六随眠(ろくずいめん)になぞらえて称号をもらってるっす。

貪の魔王はむさぼり、人の貪欲。

瞋の魔王はいかり、人の憤怒。

痴の魔王はおろかさ、人の無知。

慢の魔王はおもいあがり、人の傲慢。

見の魔王は間違った見方、人の誤解。

疑の魔王はうたがい、人の疑心。

をそれぞれ体現してるっす。

各々の魔王は各々が望む世界を作り上げようとしてるっす。」


「なるほど・・・煩悩ねぇ・・・

他の魔王の姿とか名前とかわからないのか?」


「知らないっす、仲悪いんで面識ないっす」


「ちっ、使えねぇ・・・(ボソッ」


「あ”?何か言ったっすか?」


「いや、今()()()()()()()()()といったな、

誰がそもそも称号を与えているんだ?」


「あべこべの魔王様っす。

あ、いけね、これ超極秘事項だったっす・・・

でも、今更っすね」


「なんだと・・・!?」


俺は我を忘れてミザリーに掴みかかる。


「そいつが、俺にあべこべの呪いをかけた張本人だ。

教えろ!知ってることを全て!

魔王連合を取り仕切っているのがあべこべの魔王なのか?」


「あーなるほど、なんか合点がいったっす。

おっしゃるとおり、魔王連合を取り仕切っているのがあべこべの魔王様っすよ。

先輩にあべこべの呪いをかけているのがあべこべの魔王様だというなら、

随分酔狂なことするっす。

でも正体は私も知らないっすよ。

天幕でなかなか正体見せないっすし、いつも姿形が違うから。

噂では()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とかいうのを聞いたことあるっす。」


「魔王連合に戻ったフリして正体を突き止めることは出来ないのか?」


「残念ながら無理だと思うっす。

魔王連合の居城は定期的にワープするし、

サンドラの迷宮が崩壊したことで私は死んだと思われてるんで連絡来ないっす」


「くそっ!手がかりなしか」


「六随眠か・・・

我の故郷の宗教で似たような話を聞いたな。

東方に行けば、何かしらの手がかりがあるかもしれない。

ふん、気が進まないがな・・・」


「なになに、何か面白そうな話をしているでござるね」


「うお、ジャキガン、ハカセ、どこから湧いた!?」


「最初からだ。話は聞かせてもらった。

我も同行させてもらおうか。」


「僕も行くでござるよ!」


「いや、ここは我一人で十分だ」


「僕も行くよってばぁ!久しぶりに里帰りしたいでござるし」


ジャキガンがハカセの顔を掴むもハカセは暴れる。


「そういえば、ハカセもジャキガンも東方出身なんだっけ?」


「そうでござるよ、国は違うんでござるけどね」


「・・・そうだ」


今日のジャキガンはいつになくトーンが低い感じがした。

何か悪いものでも食ったのか?


「あー、あれでござるよ、ジャキガンは国に大事な人を残してきたから

帰るのが気まずいんでござるよ」


「おい、余計な事言うな!

貴様こそ訳ありで国を出てきたと聞いたぞ」


「あー・・・そんなこともあったでござるなぁ〜♪」


ハカセは口笛を吹いて誤魔化し、逃げるように部屋を出ていく。


「僕用事思い出したので、ここいらで失礼するでござるよ〜」


「あ、おい、我の話は終わってないぞ!」


逃げるハカセを追いかけてジャキガンも部屋を出ていく


「やれやれ、騒がしい連中だ」


東方に行けば、あべこべの呪いを解く手がかりがあるのだろうか?

それに俺に呪いをかけた、あべこべの魔王は一体何を企んでいるのだろうか

流されるままに魔王を討伐してきたが、俺は今一度この旅が何なのか考えてみたくなった。


「どうした、青年悩み事か?

齢千年は生きているはずの俺が聞いてやろう」


ミザリーの影に潜んでいるサンドラが俺に声をかける。


「何だよ、俺の考えが読めるのかよ、

大体、俺の体を乗っ取ろうとしてたやつに相談しづらいぞ」


「過去は過去、現在(いま)現在(いま)と割り切っちゃったほうが長生きできるぜ」


「なんかそう言われると調子狂うなぁ」


「当ててやろうか、お前にはとある部分の過去の記憶がない。

いや、正確には断片的にしか過去の記憶がない」


「なぜそれを・・・」


「俺がお前に入れ替わる時に見たんだよ、お前の過去をな。

イマジンペンは持ち主の記憶からモノを創造する。

人間知らないものは書けないからな。

何かしら新しいものを考えついたように思えて

それって所詮は過去の経験を組み合わせてさも新しいものだと思いこんでいるだけだ。

まぁ、無造作に書いたものは別だがな。

俺が入れ替わるためにはイマジンペンで抽出した持ち主の記憶をオーブに投射することが前提だったからだ。

つまり、俺はお前の過去を知っている。

全部じゃないが、心の奥底にしまった記憶なんて当人ですら思い出さないで一生を終えることもままある。

あるいは・・・無意識のうちに封印した記憶だってあるわけなんだが、トラウマとかな。

俺ならお客様の失った記憶のスキマを埋めることができます。

いえいえ、お金は1銭もいただきません。お客様が満足されたら、それが何よりの報酬でございます。」


なぜ最後だけセールストーク・・・

サンドラの影はニタリと歯を覗かせながら笑う、胡散臭さしかねぇ


「おい、何か変なことするんじゃないんだよな・・・?」


「はい、ドーン!」


「くぁwせdrftgyふじこlp」


サンドラが俺を指差すと何か光線のようなものが俺を直撃し、俺の意識は明滅する。

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