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あべこべ勇者  作者: τελαδοηβυλι
蘇生魔法で生き返れると思った?残念、邪法じゃなければ無理でした。
18/65

ダサい眼鏡の下は美少年でした。うそぉーん。

俺たちはタイタンゾンビの残骸からジャキガンを引きずり出す。

気を失っているジャキガンに対しマックスが張り手で気合を入魂すると

ジャキガンは意識を取り戻す。


「ぶったね? 親父にもぶたれたことがないのに」


「第一声がそれかよ、お前タイタンゾンビに飲み込まれていたんだぞ」


「神は言っている、ここで死ぬ運命ではないと・・・」


「お前、それ死亡フラグだからな?」


「で、起き上がりに悪いのだけども、

僕たちとはぐれた後何があったでござるか?」


「あ”あ”あ”、俺の右目がうずくうずくぞぉぉぉ」


右目じゃなくて頭抱えているのですが・・・


「覚えていないのか?時間がないんだ、この魔物の出現はあの高台から発生している黒い雲が原因だ」


「いや、我もこの左右が逆転した異様な空間をずっと探索していた、

そこを金髪ゴスロリ少女に闇討ちされたのだ」


「それってフラウなのか?」


「姿形はフラウだが、別の何かがやつに取り憑いているのかいつもと様子が違う、気をつけろ」


ジャキガンはおもむろに振り向くと背後に迫ってきたゾンビを居合斬りで一刀両断する。

俺たちが話している間に周囲からゾンビとグールがぞくぞくと集まってくる。


「くははっ、我真の力を開放せし、叩き切ってくれようぞ」


「頼りにしてるぞ、この状況を打開できるのはお前しかいない」


「きゃー、ジャキガン様素敵でござる」


「鍛錬で培った俺の信じるお前の筋肉を信じろ」


「ハハハハハハ」


ジャキガンは次々と襲いかかってくるゾンビやグールの群れを物凄い勢いで切り刻んでいく

おだてると扱いやすいなこいつ・・・


「今がチャンスだ行くぞ」


ゾンビ達の数が減った隙をついて、俺たちは走り出すが、

今度は背後からゾンビ犬が追いかけてくる。

加えて、道端で死んだふりをしているゾンビどもが俺の足を掴んで転ばせようとしてくる。


「もう嫌だ・・・!!村に帰りたい!」


前のめりに転びそうになるも俺はバランスを立て直す。

その間に、ジャキガンは日本刀で道端に転がるゾンビ共の頭をかち割っていく。


「ちょろいっっ!!!」


一方、背後から迫る腐敗した狂犬どもの前にはマックスが立ち上がる。


「後ろは任せな、ジャイアントスイングスマッシュ」


マックスはゾンビ犬の一匹を手に抱えると自身を中心にそのままぐるぐる回転し、

他のゾンビ犬を蹴散らししていく、やがて手から解き放たれたゾンビ犬は遠心力によって壁に激突し沈黙する。

あれ、俺いらない子になってね?


「丁度いいもの見つけたでござるよ」


ハカセは道端に停まっているギルドの馬車を見つける。


「でも、馬がいないぞ、動かせなくないか?」


こいつを使うでござるよ


「ハカセスペシャルブーストでござるよ」


ハカセはどこからともなくごついレシプロエンジンを取り出す。

それを馬車の下に潜り込みあっという間に装着した。

するとブルルルという機械音が聞こえてきて車輪が回転し始める

燃料はどうしたんだ?


「みんなも乗るでござるよ」


俺とハカセが乗った後、

マックスは追いすがる犬どもを蹴散らし後ろから飛び乗り、

ジャキガンはゾンビ共を切り刻みながら、馬車の幌にぶら下がる


「いっけえええええええええええええ」


「うひゃあああああ」


馬車の車輪が急回転し、馬車が地鳴りを上げながら飛び出していく


「操縦任せるでござるよ」


ハカセはそういうといつの間にか備え付けられた操縦桿を指差す


「えっ、ちょ、これどうすれば」


「左右に回すだけでいいでござる」


そういうとハカセは馬車の前方に設置されたハカセキャノンマークⅡで

前方から向かってくるゾンビ共を吹き飛ばしていく。

俺は操縦桿を握ると馬車を左右に蛇行させ、道端に転がっているゾンビ共を躱していく。


「どけどけぇえええええ、僕のハカセスペシャルブーストを乗せた

ギルティハカセスペシャル号は無敵でござるよおおお」


ハカセのテンションがおかしなことになっていた。

いつから馬車に名前がついた?


馬車は風を受け幌ははためき、高台に向かって爆走していく。

時々馬車に飛び乗ってこようとするゾンビはジャキガンやマックスが叩き落としていき、

前方のゾンビ共はハカセキャノンマークⅡで迎撃していく、

やばい、俺までなんか楽しくなってきた。


「ヒャッハー」


俺はつい奇声を上げるが、

住宅の上からゾンビ犬が一匹飛び乗ってきて馬車の幌を突き破り、

俺の腕に食らいつく。


「あいだだだだ、すいません、調子乗ってましたあああああ」


すかさずジャキガンがゾンビ犬を両断して助けてくれる。


「すまん、ありがとう友よ」


「ふっ、気にするな我が同士よ、お前の本文は大物だろう?

体力は温存しておくがよい」


やだ、イケメン、ほれちゃいそう。

俺たちはかつて無い連帯感で結ばれていた。


やがて馬車は町外れの風車小屋のある高台の坂を登り始める。

だが、高台から放たれた紫色の閃光の狙撃により、馬車の車輪が破壊される。


「へっ・・・?うわああああああああ」


片輪を失い、バランスが崩れた馬車が勢いを殺せないまま横転し、

俺たちは馬車から投げ出される。


「いててて、後少しってところなのに・・・」


ジャキガンとマックスは受け身を取っていたのか素早く起き上がる。

俺も放り出された際に打った腰をさすりながら、

泥まみれのハカセを引っ張り起こす。

ハカセの眼鏡はどこかに吹き飛んでいた。


「め、メガネ、メガネー」


お前そんな素顔だったのかよ。

ハカセの素顔は長いまつげ、二重瞼につぶらな大きな瞳が眩しい美少年だった。


「嫌だ、見ないで欲しいでござる」


そういうとハカセは顔を背ける。

乙女か


俺は近くの草むらに落ちていたハカセの眼鏡を拾い上げるとハカセに返してやる。

草むらに落ちたのが幸いしたのか眼鏡に泥もついていなく、ひび割れはなかった。


「あ、ありがとうでござる・・・」


ハカセは眼鏡を装着すると


「さ、さあ、いくでござるよ」


ごまかすように宣言する。


俺たちは風車小屋にたどり着くと

風車からは黒い霧が流れており、それが上空で黒い雲を生成していた。

これがゾンビ共を生成している元凶か


俺たちが風車小屋の中に入るとそこに待ち構えている人物がいた。


「やっときたの」


金髪のゴスロリ少女、紛うことなきフラウであった。

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