表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/9

平田優奈 (1)

 ま……まずい。

 幹線道路で大喧嘩をしてるのは……「魔法使い」系の暴走族「旭日皇国エンパイア・オブ・ザ・サン」と、銃と安物の強化服(パワードスーツ)(何故か胸から腹を覆う装甲には、昔の萌え系魔法少女のアニメ絵が描かれてる)で武装した「妬陰帝龍」(何故、そう読むのかは不明だが「ツインテール」だそうだ)と名乗る半グレ集団だ。

 変身して身体能力が上がってはいても……流石に銃弾を避けられるほどでは無いし、銃弾が当たれば、当然、怪我をする。

『とりあえず、周囲の一般人の避難と救助を優先して』

 後方支援要員の森さんから指示が入る。

「そ……そう言われても……」

 残念ながら、あたしは避難誘導の訓練を受けた事は無いし……あたしの今の顔は、結構、「恐い顔」らしいので、一般人はあたしの方を「悪者」だと思う可能性が高い。

 白と言えば聞こえは良いが「普通の人間には絶対に有り得ない『白』」の肌。

 髪の毛や眉毛も同じ白い色……言わば、パッと見では「眉を剃っている」ように見える。

 そして、瞳と「白目」の区別が出来ない単色の「目」。

 犬歯が牙のように延び、口もいつもより若干大きくなる。

 たった、それだけで、一般人には「異形のモノ」に思えてしまうらしい。

 しかも、「霊感」の有る人間には、額から延びる「霊力」で出来た「鬼の角」まで見える。

 幸か不幸か、バイクのヘルメットをしてるので、その「恐い顔」は他人には見えないが……。

『判った。そっちは、あたしがやる』

 たまたま、こっちに来ていた小倉(こくら)南第2チームの「猿丸」さんから連絡。

 実力も経験も「猿丸」さんの方が遥かに上だが、去年起きた2つの事件……三月に久留米で起きた大災害と、十月に関東難民が暮す人工島「Neo Tokyo」の1つ「Site01」こと通称「千代田区」の「九段」地区で起きた「自警団と称する事実上のヤクザによる住民皆殺し」事件……以降は、警察もあたし達「正義の味方」も「何か有ったら、まずは、『悪者』を倒すより、一般人を安全な場所まで避難させる」事を優先するようになった。

「何だ、てめぇはっ⁉」

 その時、妬陰帝龍(ツインテール)のメンバーの1人が、あたしを見て、銃を向ける。

 もちろん、そいつが着てるのは、プロテクターを後付けしただけの中古の民生用強化服(パワードスーツ)なので、「射撃時の手ブレ補正」みたいな戦闘向きの機能は付いてない筈だ。

 つまり、射撃は普通に下手である可能性が高い。だから……余計危ないのだが……。

 運良く銃弾は外れてくれた。

 あたしは一気に間合を詰めて、そいつの右肩に掌底を叩き込む。

 物理的な威力は、それほどでも無い。

 しかし、上乗せした「霊力」のお蔭で、そいつの体から力が抜ける。

 あたしは、そいつから銃を奪い構えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ