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神花  作者: sAKula-SaN
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神が試練を人間に与えてから数千年がたっても試練に挑む者たちは後を絶たないものの、白亜の塔にたどり着く者すらまれで、クリアした者は存在しない。

それでも願いを叶えたい者たちは塔に挑まんとした。


数千年して人間たちはいくらか神の試練について分かったことがあった。

一つ、白亜の塔には大中小の遺跡(ダンジョンの大型の遺跡を5つ攻略しなければならない。

二つ、満月の夜にしか白亜の塔の入り口は開かれない。

三つ、遺跡はモンスターが勝手に発生するものがある。

四つ、モンスターの発生する遺跡では最奥に到達するば攻略達成となる。

五つ、モンスターの発生しない遺跡は何かしらの謎を解明し、最奥まで到達すれば攻略達成となる


大型の遺跡を五つ攻略し、白亜の塔に挑んだものは年に数人ほどだけ。

挑戦する者たちはいるのだが誰も攻略を達成して出てくる者はいない。

そうだれ一人”達成して”出てきたことはない。

白亜の塔は満月の夜に挑戦した者の死体を吐き出すのだ。

それが今までに死んだ者がランダムで出てきてるのか、満月になって次の満月になるまでの間に死んだ者のみを吐き出しているのかはわからない。

それでも吐き出された死体の数は挑戦した人数に到底足りないことはわかっている。

ただ、吐き出された死体は何年前に挑戦したものであろうとも挑戦した頃から見た目は年をとっていなかった。

それが白亜の塔の中では年を取らないのではないか、吐き出されていないものは今も生きていて戦い続けているのではないか、という話が市井では噂されていた。



~~~~~~~~



僕が覚えている両親のことはとても少ない。

幼かった僕の頭をなでてくれたこれだけはなぜか覚えている。

顔も確かではない。

でもなぜか頭をなでられたこと、その時とても気持ちがよかったことははっきりと覚えている。

その後からぱたりと両親の記憶はない。

もの心が付いたころ、僕を育ててくれたおばさんが教えてくれた。

おばさんが言うには最初のダンジョンと呼ばれる白亜の塔に挑んだと教えてもらった。

どんな願いでもかなえてくれる白亜の塔に何の願いもなく、挑んだらしい。

それから僕は白亜の塔に興味を持つようになった。

自分を置いてまで求めた、白亜の塔。

何を求めて、白亜の塔に挑んだのか。

僕は何も両親のことを知らない。

だからこそ、白亜の塔に興味を持った。

僕もそこへ行ってみたい。

何が両親をそこまで引き付けたのか、知りたい。

その気持ちだけが日に日に強くなるのがわかった。


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