ニートボス
「俺! 井崎達也よろしく ボス!」
「井崎君の事は知ってるよ、僕もアヤもね
ただ、君の事は知らなかった。ハルだっけ?」
「いえ、晴翔です。宜しくお願いします。」
「うん。よろしくね。晴翔」
ボスは、優しく微笑んだ。それは、不思議なくらい穏やかな笑顔だった。それからボスには、囚人服はダサいから着替えろと言うことで、自分に合う服を選んで良いと言われた。この地下室はとても衣食住が充実していた。綾子さんに、作ってもらった朝ごはんもとても美味しかった。ボスに、部屋を案内され、ベッドに寝転ぶと体は鉛のように重かった。よくこれで、動いたものだ。達也は、ベッドに入るなり眠りについた。
夕方になり、自然と目が覚めた。足はひどい筋肉痛になった。部屋から出ると綾子さんが、夕飯の支度をしていた。
「足立君、ご飯出来てるよー 」
「はい。頂きます」
やはり綾子さんのご飯は、美味すぎる。使っている食材はここらへんの森で獲れるものだが、美味い。どんなものでも、食材であれば綾子さんは美味しくする天才だろう。
「ごちそうさまでした。」
「美味しかった?」
「はい!とても美味しかったです。また、食べたいです!」
「美味しかったなら良かったわ」
綾子さんの料理を食べ終えた後で質問する。
「達也とボスは?」
さっきから達也の姿が見えなかった。ボスもいる気配がしない。僕が質問すると綾子さんは答えた。
「井崎君は、もう体力が回復してたから夕飯を食べてすぐ、ボスと練習しに行ったわ。とてもタフな子だよ」
「練習? なんの練習ですか?」
「これから、生きるための訓練よ」
「生きるための?」
「そうよ、足立君も明日から訓練だからちゃんと休んでおくのよ」
訓練とは一体