ニート世界
そうして、僕と達也は、友達になったのである。
達也なら、何かしらの事は知っているかもしれない。わずからながらの望みをかけて聞く。
「なぜ、ニートは、大罪なんだ?」
「まぁ、働かなきゃダメっていう法律だからじゃないかなー?」
「でもそれだけだぞ!殺される必要ないだろ!」
「そういうのは、俺分かんないな。すまんハル」
「そうか・・・」
やはり、この国はおかしくなっている。そう確信した。だが、僕1人じゃ変えようがない。何も出来ない。ただ死を待つだけの自分が情けない。そう思っていると、ふと疑問がわいた。
「なぁ、僕がここにくる前警官に僕の他にあと2人捕まってるって聞いたんだ。達也知ってる?」
「あーーー、知ってるよ!
俺がここに来た時には、すでにいた。」
「え? じゃあ今頃は、」
「俺はどうなったかは、分からない。」
「なんで、いなくなったんだ?
僕が、入ってきたからか?それとも。。。」
「なんでも、あの人 ここの壁殴って穴開けて抜け出そうとしたんだ。」
「まじかよ、、人間か?」
「流石に、俺もびっくりしたよーー。いきなりぶっ壊したんだ。それで、その人はいまもっと頑丈なとこに、入れられていると聞いた。今はどうかわからない」
どう見ても分厚い壁だ。殴った程度じゃビクともしないと思うが、達也は嘘をついている感じじゃない。そんな人間がいるのか。世界は広いな。