ニート大罪
署に着いた。取り調べ室に入れられた。どうやら警察側ももめているようでしばらく待たされた。
僕は、何も悪いことはしていない。なぜだ、まさかさっきの男女2人組が原因か?はめられたということか?全く見当がつかない。。
考えがまとまらないうちに警察官が入ってきた。
「あれ? 先輩っ!」
僕の担当になった若い警官が僕の顔を見るなりこう言った。だが、僕もどこかで見た顔だとは感じた。
「俺ですよ〜! 警察学校でお世話になった」
「・・・・そういやしつこく絡んでくる奴いたな、
2個下だっけ?」
「はい! 覚えてくれてたんすね!久しぶりっす
先輩の教えのおかげでここまで来れたっす」
忘れかけていたなんて言えないが、後輩にすがる思いで、聞いた。
「僕は、、、なぜ捕まった?
教えてくれ!」
そう言うと、後輩はうつむき気味に答えた。
「先輩、国民強制労働法は、知ってますよね。」
「あぁ」
「それで、どうしても働けない人以外は、全員働くことになったんす」
「それで、働かなかった俺は罰金か?」
「いえ、それがこの法律が出来て1ヶ月以内に職に付けなかった人間は」
「どうした?
どうなるんだ?」
「殺されるんです」
「は?」
予想もしていない回答に一瞬、思考が止まった。
なぜ、働かなかっただけだろ!
そして後輩は、追い討ちをかけるかのように言った
「今、 ここ日本で、最も重い罪は、働かないという事なんです。 すでに1ヶ月が経過し働かなかった人は2人見つかっており、今は刑務所にいるそうです。」
「それで、僕は3人目の死刑囚か?」
まだ、嘘であることを信じて聞いてみる。これは僕を働かせるために仕組んだドッキリなんだと。後輩の前で恥かかせんなよー。全くたちの悪いドッキリだ。
「・・・・・・・はい」
「先輩が、認めたので取り調べはこれで、終わりです。」
「裁判はありません。 このまま刑務所に移動します。」
そう言うと後輩は、僕の肩を持ち歩き出した。僕は、今思考を整理する。
このまま進めば、僕は死ぬ。。。僕が進んでいるのは、死への道だ。。
思考を整理すればするほど、この現実を受け入れてしまう。そして僕は、廊下に座り込んだ。
突きつけられた死の宣告だ。誰だって、生きる希望を失うに決まってる。
だが、現実は無慈悲にも僕を連れて行こうとする。僕は、泣きながら叫ぶ
「やめろ!! 僕はこれから仕事探ずんだよ!
離ぜぇ!
ゔっ。」
顔に物を被せられ、腹を殴られた。とても重い。素人じゃない。僕の抵抗は、全く意味がなかった。 強い力でねじ伏せられ、気絶した。
そして、目が覚めると、