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お出掛け前の打ち合わせ

評価、ブクマ登録してくださった方、ありがとうございます!

僕にとっては燃料のようなものです!



デートは1話に収まらないので、話を分けて投稿します。


今回は準備の回です!






ピコン!


僕はベッドから聞こえたラインの通知音にビクリと反応する。別に脅迫メールが来ているわけではない。単に珍しいのだ。

僕のスマホは迷惑メール対策完備な上に、アプリの通知もほぼ全てをオフにしている。唯一オンにしているのはメッセージアプリくらいだ。そして、その中で僕に連絡してくる可能性のある人は四人しか居ない。

父親、大輝、雪菜、少し喋る知り合い。それくらいだ。

友達アカウントが居ないというわけではなく、二十人ほどいるのだ。ただ、それが殆ど飾りというだけである。

……自分で言ってて悲しくなる。


……気をとりなおしてスマホを見てみると、バナーに書いてある差出人は、”SETSUNA”とあった。つい最近交換した雪菜のアカウントの名前だ。僕はメッセージアプリを起動させ、雪菜とのトーク画面に移動する。


<トーク画面>


SETSUNA[久し振り!]


SETSUNA[この前のお出掛けの話なんだけど……]


SETSUNA[場所と時間はどうする?私の家と拓海の家って結構遠いよね?]


拓海[………高校の元寄り駅はどう?あそこなら僕も定期券で行けるよ。]


SETSUNA[うーん……]


SETSUNA[私は大丈夫だけど、拓海は遠いんじゃ?]


拓海[大丈夫。どうせ電車で座ってるだけだし。労力から考えると雪菜の方が大きい事になる。]


SETSUNA[超合理主義………分かった。じゃあ、待ち合わせはそこで。]


拓海[了解。次は時間だな。]


SETSUNA[うん。私としては長く遊びたいから……十時くらいに集合はどう?]


拓海[うん。大丈夫。]


SETSUNA[本当に大丈夫?早かったら言ってね。]


拓海[全く問題ないよ。というか、楽しみすぎて絶対早起きするから、遅刻は電車に乗り損ねた時だけだと思うけど。]


(既読後二十秒の沈黙)


拓海[雪菜?]


SETSUNA[え?]


拓海[大丈夫?]


SETSUNA[大丈夫!というか、拓海は時間の事より服装の事とか気を付けないと駄目だよ!]


拓海[それは多分大丈夫……だと思う。]


SETSUNA[言っておくけど、私は思いっきりお洒落してくるから!]


拓海[へえ!制服姿も可愛かったけど、やっぱり私服の方が可愛いはずだよね。楽しみだなぁ。]


(既読後三十秒の沈黙)


拓海[……雪菜?]


SETSUNA[なにかな?]


拓海[……本当に大丈夫?]


SETSUNA[大丈夫!せんぜんだいじょうふ!]


拓海[……ふーん]


SETSUNA[それよりも!どこ行く?]


拓海[うーん……やっぱり天神周辺だろうな]


SETSUNA[天神?私あんまり行った事ないな……]


拓海[大丈夫。僕は勝手を知ってるから、服とか売ってる所は知ってるよ。]


SETSUNA[そう?なら良いんだけど……]


拓海[そんなに心配なら、お出掛けのプランとか考えておこうか?]


SETSUNA[え、え?良いの?でも、ちょっとしたお出掛けだし……]


拓海[うん。でも、天神に行くのなら帰りは夕方になるから、ちょっとしたお出掛けじゃ無いけどね。時間はあんまり無駄にしたくないし。]


SETSUNA[そこまで言うなら……お願いしようかな…]


拓海[うん。雪菜は僕の後ろについてくるだけで良いんだよ。]


(既読後四十秒の沈黙)


拓海[雪菜?本当に大丈夫なの?誤字もあったし、返信遅いけど……]


SETSUNA[本当に大丈夫!大丈夫だから!]


拓海[…………]


SETSUNA[ごめん!お母さんに呼ばれたから、また日曜日にね!]


拓海[あ、うん。またね。]


* * *

<雪菜の心情>


もう、もうもうもう!なんなのよぉ〜!

私と出掛けるのが楽しみ!?制服姿が可愛い!?

それに……黙って俺の後ろに付いて来い、なんて、いつからそんな強引な男になったのよ!

(部屋のクッションをボスボス叩く雪菜)


……でも、七年ぶりなんだから、変わってるのも当然か…

(クッションに顔を埋める雪菜)


お出かけじゃなくて、完全にデートじゃない……

(顔を真っ赤にしながらニヤケている雪菜)


日曜日、何着て行こうかな……


* * *


雪菜とのトークが終わった後、僕はスマホをベッドに置きながら考えた。


(僕、何か変なこと言ったかなぁ?)


ズゴッ!


「いっだぁぁ!!」


(まただよ!何回めだよ!段々酷くなってるし!)


僕は誰かに殴られた箇所を手でさする。痛い。


(……本当に、誰に殴られてるんだろ……)


何故か反省の気持ちが湧いてくるが、一体何に反省しているのかもわからない。

取り敢えず、頭に氷嚢を当てて冷やしながら、日曜日のお出掛けプランを考え始めた。


……そこで僕はふと思った。


(……これ、デートじゃね?)









読んでくださってありがとうございます!


次回はデート当日です!

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